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揚琴、オカリナ & インディアンフルート奏者がつづるいろいろばなし。
音楽、田舎暮らし、自然・環境、時事、ほかいろいろ。
どうぞ、ごゆっくり。
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#560 聖職者志願せず

 #557「聖職者」で、ヴァン・クライバーン氏の「演奏家は聖職者でなければならない」という言葉を紹介した。この言葉が、今のワタシにはずっしりと重くのしかかっている。16日に行なわれた法然院での演奏では、煩悩の塊の自分に毎回聖職者としての一面が求められていることを感じる。来たる24日の演奏会場は、とうとうキリスト教の教会だ。へんたいだ。

 この日のコンサートは教会さんの社会奉仕活動の一環として行なわれるものだ。牧師さんや信者さんと同じ立場、同じ気持ちで演奏することが求められる。煩悩の塊であるだけではなく、懺悔のネタの塊のワタシ。へんたいだ。

 てなことを考えているうちに、思い当たったことがある。
 #558「柱の傷」で、どんな場であれ、演奏が始まったら気持ちはおんなじだ、一所懸命、束の間無心で行なうだけだと書いた。さて、法然院にしても伊丹教会にしても、それぞれの社会奉仕活動の一環としてコンサートが行なわれる。では、ワタシの無心的演奏は、お坊さんや牧師さんの「祈り」に通じているべきではないのか、てなことにど~んと思い当たって、いてててて。

 ワタシは浄土宗やプロテスタントの信者ではない。で、浄土宗と日蓮宗、プロテスタントとカトリックのちがいとはなんだろう。仏教とキリスト教のちがいとはなんだろう。いずれも、数えきれないほどのちがいがあることだろう。が、それぞれに共通しているものもある。そのひとつは、祈りだ。
 祈りの形は宗教や宗派によって様々だ。が、祈りの核心にあるものはおんなじだという気がする。それは、無心ではなかろうか。であれば、祈りの核心は「空っぽ」で何もないってことだ。

 物みな、空っぽであればこそ美しく響く。そして響き合う。そう言えば、法然院の貫主さんは、追悼演奏のご案内にいつもこう書いておられる。
「揚琴の響きに、震災で この世から失われたいのちとご自身のいのちとの共鳴・重なり合いを感じていただければと存じます」
 やっぱ、空っぽの無心であるしかないな。

 さて、「聖職者」で取り上げた「純粋な心」の正体とはなんだろう。それは、限りなく空っぽに近い心のことではないだろうか。空っぽだからこそ、すべてをありのままに受け入れることができる。空っぽだからこそ、くもりのないリアクションができる。いや、できるというのは正しくない。そうなってしまうのだ。それは、あるがままということだ。
 だから、純粋であるとは、あるがままであるってことだな。てことは、人間の賢しらによる評価の対象外だってことだ。辻井伸行さんの演奏を聴いてこみ上げる涙の理由がわからないのは、辻井さんのピアノの音色が評価という理屈のらち外のものだからなのだろう。

 無心、祈り、空っぽ、純粋、あるがまま。こう並べてみると、聖職者の本当の姿が浮かび上がってくる。それは、無数の自我が重なり合っている人の世にぽっかりと開いた真空地帯への案内人なのだ。
 一介の演奏屋にそんなことが務まるのだろうか、などと考えるのは、演奏屋の仕事ではない。演奏屋の仕事は、相変わらず、ただ一所懸命に、束の間無心に演奏することだけだ。では、そんな演奏はヴァン・クライバーン氏が言う聖職者とどのような関係にあるのか。それを考えるのもまた、演奏屋の仕事ではあるまい。相変わらずせめて静かな心持ちで演奏位置へ向かうだけで、それはよかった。

 雨乞い師も聖職者の一種だったら、それはへんたいでよかったとさ。

 おしまい。 
10.01.20 記 
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巴だ リョウヘイ
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揚琴・笛演奏屋 オカリナのセンセイ
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自己紹介:
 
演奏活動歴/揚琴、27年。オカリナ、16年。
活動範囲/全国の都心から山間地まで。
演奏場所/ホールからお座敷まで。オカリナは野外歓迎。
演奏目的/オープニングセレモニーから追悼演奏まで。
演奏形態/独奏から異業種間共演まで。
所属事務所/Magnolia Music(自分的オフィス)

コンタクト方法/上記のホームページ(HP)の「Contact」のページからどうぞ。

特 技/晴れ男であること。

オカリナ倶楽部 “夢見るガチョウ” 主宰。

京都府下農村在住。
雨乞い師見習い。
自然農見習い。
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