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揚琴、オカリナ & インディアンフルート奏者がつづるいろいろばなし。
音楽、田舎暮らし、自然・環境、時事、ほかいろいろ。
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#422 田園的発表会

 きのう、よく知ったご婦人が主宰するピアノ教室の発表会があった。自宅での手作りのアットホーム的田園ほのぼの的コンサートであるが、そのスタイルがまたご近所にはご好評をいただき、年に一度のこのイベント、生徒も先生もたいへんリキが入る。一所懸命に弾く、まだピアノのペダルに足も届かない「何かのたまご」たちの姿は、時に感動的で、時に面白可笑しかった。

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 子どもの音楽教室の発表会と言えば、ここ一番の晴れの舞台とばかりに、先生は立派な会場を借りて、親はピカピカの衣装を用意し、まるで子どもたちの社交界へのデビューの様相を呈することが多い。が、お金をかけずとも、子どもたちが心から楽しみにできる発表会は作れると思う。

 こちら「マグノリアピアノ教室/スプリング・コンサート」では、出演者も客席もほとんど普段着で集まる。会場はと言えば、昔の田舎の宴席よろしく、部屋の建具を取り払って座敷に座布団式の客席を作り、にわか客席から土間を隔てた8畳のレッスン室はそのままステージ兼楽屋となり、終演後の客席はティーパーティー会場となる。大人も子どもも手作りのお菓子を持ち寄って、開演中よりも長い時間飲んで食べて話してくつろぐ。気がつけば子どもたちはみんなで外へ出て走り回り、日が暮れて大人たちにうながされるまでいっしょに遊んでいる。

 それにしても、まったく、子どもの世界は大人の社会の縮図だ。
 いつも発表会当日が近づくに連れて「発表会はまだかな〜」と言う回数がふえ、三日前ともなれば一日中連発し、ときどきテンションが上がりすぎて熱を出す子。「朝からキンチョウしてお昼ごはんが食べられませんでした。でも、上手に弾けてよかったです!」と、みんなの前で感想を述べた。
 連弾の練習ではいつも相方に「もうちょっと小さく弾いてよ!」と注文を付けているのに、いざ本番では自分の音が小さくなってしまい、それでもなんとか仲良しコンビの息の合った所を見せた子。
 母子で発表会デビューし、それぞれのソロのほかに連弾を披露した母子。
 唯一の男の子らしく「鯉のぼり」を弾き切ったが、力を使い果たしてしまったのか、記念撮影では何度注意されてもまっすぐに立つことができなかった子。
 三日前に右手の中指を突き指して、それでも出演を熱望し、右手のパートを根性で左手で弾いた子。得意のチーズケーキもきっちり作ってきた。
 淡々と、ひょうひょうと、顔色一つ変えずに、難曲を弾いた子。
 練習時間が思うように取れなかったゆえ、前日に特訓を志願してきた子。

 客席もバラエティーで、おかあさんはもちろん、おとうさん、おじいちゃん、おばあちゃん、近所のおばあちゃん、あかちゃん、ともだち家族、となり村のバイオリン教室の先生までが、最後まで熱心に聴いて下さった。
 用務員であるワタシは、会場作りやお茶出しなどをよく手伝った。

 発表会に向けたよく知ったご婦人の働きぶりを見ていると、このような場では、先生は先生であるだけではなく、プロデューサーたることを求められることを痛感する。何ヶ月も前から選曲し、当日が近づけばプログラムを組み、演出・司会進行を考え、ティーパーティーのメニューとセッティングのプランを立て、もちろん会場全体のセッティングを考え、必要な物資を調達し、緊張する生徒をはげまし、案内状を送り、最後に自分の発表曲の練習をする。これらすべてを家事の合間を縫って行なう。そして、当日は必ず不測の事態が起こる。たいへんだなー。

 ひとごとではない。来月はワタシの番だったとさ。

 おしまい。 
09.04.20 記 
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管理人について

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巴だ リョウヘイ
性別:
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職業:
揚琴・笛演奏屋 オカリナのセンセイ
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自己紹介:
 
演奏活動範囲/全国の都心から山間地まで。
演奏場所/ホールからお座敷まで。オカリナは野外歓迎。
演奏目的/オープニングセレモニーから追悼演奏まで。
演奏形態/独奏から異業種間共演まで。
所属事務所/Magnolia Music(自分的オフィス)

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特 技/晴れ男であること。

オカリナ倶楽部 “夢見るガチョウ” 主宰。

2018年、京都府下農村から大阪府下住宅街に移住。
今も雨乞い師見習い。
今も自然農見習い。
ノアのおとうちゃん。
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