#421 イヌかネコか

#421　イヌかネコか

　人間にはイヌ型とネコ型があるそうだ。なんとなくわかるような気がする。で、ある記事によると、山本直人という人は、著書『ネコ型社員の時代』で、これまでの日本の会社は、猛烈に働き、滅私奉公するイヌ型社員の力が支えてきたとしているそうだ。これまたわかるような気がする。が、イヌといってもいろんな面があるのではなかろうか。

　イヌには、人間に対して友好的で、従順で、よく役に立つというイメージが定着している。が、これはかなり人間にとって都合のいい解釈だと思う。実際は、落ち着きがなく、都合のいいときだけシッポを振るお調子者で、すばしこく利発そうに見えるがどこかしら抜けているというのがイヌの実態のように思う。

　一方ネコは、孤独を好み、マイペースで、人の言うことを聞かない、執念深いとのイメージがある。思うに、このイメージはかなり実態に近い。ほかにも、祟る、化けるというイメージもある。

　さて、ワタシは自分がイヌ型かネコ型かなどという分類は、これまで考えたこともなかった。で、ワタシが目にした『ネコ型社員の時代』についての記事は、右翼言論人の鈴木邦男氏のものだ。鈴木氏によれば、山本直人氏のネコ型社員の定義はこのようなものだそうだ。引用させていただく。

１．滅私奉公より、自分を大切にする。
２．アクセクするのは嫌だが、やる時はやる。
３．自分のできることは徹底的に腕を磨く。
４．隙あらば遊ぶつもりで暮らしている。
５．大目標よりも毎日の幸せを大切にする。

　なんてことだ、一部を「　」内のように置き換えると、ワタシそのものではないか。すなわち、

１．滅私奉公より、自分を大切にする。
２．アクセクするのは嫌だが、「のめり込むと自分でも止められない」
３．自分のできること「だけは」徹底的に腕を磨く。
４．隙あらば遊ぶつもりで暮らしている。
５．大目標よりも毎日の幸せを大切にする。

　そうか、ワタシはネコ型だったのか。確かに、先に書いた「孤独を好み、マイペースで、人の言うことを聞かない、執念深い」というのもその通りやもしれない。が、う〜ん、ネコ型定義原文の「　」内への置き換えは、ネコ型の美質をかなりおとしめているようにも思えるな。うん、まちがいなくおとしめている。

　それにだ、イヌの実態もまた、ワタシそのもののような気がする。すなわち「落ち着きがなく、お調子者で、どこかしら抜けている」というものだ。では、欠陥ネコ型にイヌ型のマイナス面だけがブレンドされた情けない性格だということになるのか。ムジナ型か。ムジナに失礼か。

　ネコ型人間は、人間社会ではこれまでずっと異端視され弾圧されてきたそうだ。が、山本直人氏は、今の日本の会社の閉塞的状況を打破するのはネコ型社員だと言う。かなりネコ型であるらしい者としては少々うれしいお言葉ではある。が、欠陥ネコ型のムジナ人間は、ここにおいてもたぶん檜舞台に上がり損なって、相変わらず社会の周辺をうろうろしているだけのような気がする。これでいいのか。これでいいのだ。

　眠気に耐えて、なんとなくバッハ。
　↓

　おしまい。　
09.04.18 記　

八重の山吹

2009/04/19 (Sun) 時　事 TRACKBACK() COMMENT(0)