揚琴、オカリナ & インディアンフルート奏者がつづるいろいろばなし。
音楽、田舎暮らし、自然・環境、時事、ほかいろいろ。
どうぞ、ごゆっくり。
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#398 舞台の恐怖
ワタシのようなささやかな活動をしている者でも、これまでいったい何度舞台に立ったかわからない。その舞台は大きなホールの立派な舞台から、ビール箱を組んで作られた舞台まで様々だが、近ごろは、舞台に上がるとなんだかほっとするときがある。出番までのごたごたと緊張から解放されたと感じるのだろうか。が、その一方で、いまだに舞台への恐怖が表れた夢を見ることがある。
ワタシのようなささやかな活動をしている者でも、これまでいったい何度舞台に立ったかわからない。その舞台は大きなホールの立派な舞台から、ビール箱を組んで作られた舞台まで様々だが、近ごろは、舞台に上がるとなんだかほっとするときがある。出番までのごたごたと緊張から解放されたと感じるのだろうか。が、その一方で、いまだに舞台への恐怖が表れた夢を見ることがある。
ゆうべ、こんな夢を見た。
なぜか4人のフルートのアンサンブルの一員として、小さなコンサートの出番を待っている。で、なぜかワタシだけがインドネシアの竹の笛を担当している。演奏する曲はエドガーの「愛のあいさつ」だ。楽屋で4部合奏の楽譜がワタシの目の前に置かれた。指定されたワタシの担当パートを見てあせった。話がちがう。ワタシはそのパートの練習をまったくしていなかったのだ。
出番時刻が来た。ワタシの演奏はやはりしどろもどろとなり、そのまま曲の段落の変わり目のフェルマータとなった。
と、そのとき、メンバーのひとりだった黒ぶちのメガネをかけた見知らぬ男が、突然ワタシの方を向いて大きな声で「ドーードーレ、ーレードーー」とワタシのパートを階名で歌いながら、指揮を始めたのだ。それは明らかに、ここから先のお前の演奏はこのようにするのだ、という「指導」であり、メガネの奥で大きく見開かれた目と突き出された口には、たっぷりの軽蔑が込められていた。
ワタシの心は驚きとプライドを傷つけられたという気持ちに乱され、そこで演奏が止まってしまった。すると、他のメンバーも演奏をやめ、みんなワタシの方を見ている。
ワタシは平静を装い、一同をゆっくりと見渡し、落ち着いて「○●×▲□・・・」と言った。なんと言ったかは忘れてしまったが、し〜んとなっていた会場からはくすくす笑う声が聴こえた。すると、他のメンバーは曲の途中であるのに舞台を降りてしまった。
この夢には、準備不足で舞台に臨むことと、舞台での不測の事態と、他人に傷つけられることと、孤独への恐怖が表れているように思う。そしてこれらの恐怖は、すべてある実体験に発していることをワタシは知っている。この夢で味わった気分は、遠いあの日と同じだったからだ。
ときどき恐ろしい夢を見る。それは、小学校の一年のときの学芸会での出来事が甦る夢だ。
学芸会を控えてクラスで劇の練習を重ねていた頃、本番直前の最も大切な数日間にワタシは病気で学校を休んでしまった。ひさしぶりに学校へ出てくると、劇の練習は知らないところまで進んでいて、ワタシは自分の役割もセリフもさっぱりわからない。みんなは何も教えてくれず、ワタシはみんなの後に着いて動くしかない。暗い舞台袖で舞台に出るきっかけがわからないでいるとうしろから他の子どもにこずかれ、先生たちまでもがいらいらしておられるように見えた。そのときの情けなさと、本番の日の不安と恐怖は耐えがたいものだった。
このときのことが、何年かに一度は夢となって甦るのだ。
そんなワタシが、今ではたびたび人前で芸を披露している。そして、舞台に立つとほっとする自分がいる。が、小さい頃の傷は癒えずに、時折夢となってワタシを苦しめる。だから、ワタシは自分が舞台の恐怖を克服できたとはけっして思えずにいる。
では、この恐怖はワタシの日々の糧となっているのか、それとも毒となっているだけなのか。
ワタシはこの恐怖に立ち向かおうとか打ち勝とうなどと考えたことはない。なぜなら、そのようにすることは恐怖に余計に力を与えてしまうだろうからだ。だから、恐怖は糧にもならず毒にもならず、ただそこにあるだけだ。そして、この恐怖から目をそらさずにいられれば、それはいずれきっと、いつの間にか消え去ってしまうのだと考えている。
借金も、目をそらさずにいるだけでいつの間にか消え去ってしまえばいいのだけど。
なぜか4人のフルートのアンサンブルの一員として、小さなコンサートの出番を待っている。で、なぜかワタシだけがインドネシアの竹の笛を担当している。演奏する曲はエドガーの「愛のあいさつ」だ。楽屋で4部合奏の楽譜がワタシの目の前に置かれた。指定されたワタシの担当パートを見てあせった。話がちがう。ワタシはそのパートの練習をまったくしていなかったのだ。
出番時刻が来た。ワタシの演奏はやはりしどろもどろとなり、そのまま曲の段落の変わり目のフェルマータとなった。
と、そのとき、メンバーのひとりだった黒ぶちのメガネをかけた見知らぬ男が、突然ワタシの方を向いて大きな声で「ドーードーレ、ーレードーー」とワタシのパートを階名で歌いながら、指揮を始めたのだ。それは明らかに、ここから先のお前の演奏はこのようにするのだ、という「指導」であり、メガネの奥で大きく見開かれた目と突き出された口には、たっぷりの軽蔑が込められていた。
ワタシの心は驚きとプライドを傷つけられたという気持ちに乱され、そこで演奏が止まってしまった。すると、他のメンバーも演奏をやめ、みんなワタシの方を見ている。
ワタシは平静を装い、一同をゆっくりと見渡し、落ち着いて「○●×▲□・・・」と言った。なんと言ったかは忘れてしまったが、し〜んとなっていた会場からはくすくす笑う声が聴こえた。すると、他のメンバーは曲の途中であるのに舞台を降りてしまった。
この夢には、準備不足で舞台に臨むことと、舞台での不測の事態と、他人に傷つけられることと、孤独への恐怖が表れているように思う。そしてこれらの恐怖は、すべてある実体験に発していることをワタシは知っている。この夢で味わった気分は、遠いあの日と同じだったからだ。
ときどき恐ろしい夢を見る。それは、小学校の一年のときの学芸会での出来事が甦る夢だ。
学芸会を控えてクラスで劇の練習を重ねていた頃、本番直前の最も大切な数日間にワタシは病気で学校を休んでしまった。ひさしぶりに学校へ出てくると、劇の練習は知らないところまで進んでいて、ワタシは自分の役割もセリフもさっぱりわからない。みんなは何も教えてくれず、ワタシはみんなの後に着いて動くしかない。暗い舞台袖で舞台に出るきっかけがわからないでいるとうしろから他の子どもにこずかれ、先生たちまでもがいらいらしておられるように見えた。そのときの情けなさと、本番の日の不安と恐怖は耐えがたいものだった。
このときのことが、何年かに一度は夢となって甦るのだ。
そんなワタシが、今ではたびたび人前で芸を披露している。そして、舞台に立つとほっとする自分がいる。が、小さい頃の傷は癒えずに、時折夢となってワタシを苦しめる。だから、ワタシは自分が舞台の恐怖を克服できたとはけっして思えずにいる。
では、この恐怖はワタシの日々の糧となっているのか、それとも毒となっているだけなのか。
ワタシはこの恐怖に立ち向かおうとか打ち勝とうなどと考えたことはない。なぜなら、そのようにすることは恐怖に余計に力を与えてしまうだろうからだ。だから、恐怖は糧にもならず毒にもならず、ただそこにあるだけだ。そして、この恐怖から目をそらさずにいられれば、それはいずれきっと、いつの間にか消え去ってしまうのだと考えている。
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管理人について
HN:
巴だ リョウヘイ
性別:
非公開
職業:
揚琴・笛演奏屋 オカリナのセンセイ
趣味:
ほしい。
自己紹介:
演奏活動範囲/全国の都心から山間地まで。
演奏場所/ホールからお座敷まで。オカリナは野外歓迎。
演奏目的/オープニングセレモニーから追悼演奏まで。
演奏形態/独奏から異業種間共演まで。
所属事務所/Magnolia Music(自分的オフィス)
コンタクト方法/上記のホームページ(HP)の「FAQ & Form」のページからどうぞ。
特 技/晴れ男であること。
オカリナ倶楽部 “夢見るガチョウ” 主宰。
2018年、京都府下農村から大阪府下住宅街に移住。
今も雨乞い師見習い。
今も自然農見習い。
ノアのおとうちゃん。
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