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揚琴、オカリナ & インディアンフルート奏者がつづるいろいろばなし。
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#393 編曲 vs. 作曲

 またまたやってしまった。前代未聞の大失敗。きのう、オカリナのレッスン用の新曲に伴奏を付けて、CDにして持って行った。「きょうは伴奏CDを作ってきたので、早速合わせてみませう」と取り出すと、グループのみなさん、怪訝な顔をしておられる。「あのー、センセイ、これ」Rさんが持っていた一枚のCDをワタシに見せた。それは間違いなく、ワタシが作った同じ曲のCDだった。

 なんと、一ヶ月前にすでにその曲を編曲していたことを忘れて、また一から編曲してしまったのだった。こうなると、もう、事務系回路の故障などという高尚な?事態ではなく、すでにアホを通り越している。自分がこわくなった。みなさんの素知らぬ顔がよけいにこたえた。
 まあ、ワタシが丸一日を無駄に費やしただけのことで、誰に迷惑をかける失敗でもなかったからよかった。よくないか。

 冷静な頭にもどったつもりで、先月の編曲を聴いてみた。使用楽器から雰囲気から何から、新しいものとずいぶんちがっている。たとえば、先月のものにはパイプオルガンの音が大々的にフューチャーされているが、新しいものを作るときのワタシの最初の選択は、編曲用の楽譜の自作のひな形からパイプオルガンとストリングスとコーラスのパートを削除し、代わりにバイオリンとビオラを一本ずつ採用することだった。なんという気まぐれだ。

 失敗をさておいてなんだが、このように、時間経過による作者の感覚の変化や製作目的によって内容がいとも簡単に変わってしまうのが、編曲のおもしろい一面であると言える。編曲とは、元曲という身体に服を着せるような作業だ。編曲の変化は、その日に何を着るかが気分やTPOによって変化するがごときだ。が、こうした面は同時に、編曲という作業の「軽さ」を表わしてもいる。

 巷では、編曲という創作的作業は作曲よりも一段低く見られている。それはまず、前記のように気分や目的によって内容が変化する軽さと、元曲という絶対的素材を二次的に扱う作業であることによるのだと思う。
 作曲という作業の偉大さは、ひとえに無から有を生み出すことにある。曲の着想の最初のひらめきとは正に天啓のごとし。それを得るために、作曲家は時にはすべてをかける。
 一方編曲者は、曲の着想を得るという、創作の最初にして最大のエネルギーを要する過程を経る必要はない。それゆえに作曲よりワンランク下の作業だと考え得るし、ワタシも異論はない。

 編曲のランクを作曲より下げているもうひとつの要因は、旋律と演奏が持つ絶大な力だ。
 優秀な歌手が一小節歌い、優秀な奏者がワンフレーズ奏でれば、どんなに重厚で手の込んだバックも存在感が薄らいでしまう。旋律が持つ力とそれを余すことなく表現できる奏者の力とは、それほど絶大なものなのだ。このことからも、旋律の言わば付帯物を作る編曲という作業は、ランク付けが下げられてしかるべきだと言える。

 このように、編曲という作業のランクが作曲よりも低いことには妥当性がある。が、それにしても、著作物としての編曲作品の巷の扱い方にはワタシは納得がいかない。ある楽曲の録音物が使用された場合、作詞者と作曲者には印税が入るが、編曲者には1円も入らないという事実は意外に知られていない。この扱い方はあんまりではないか。

 ワタシの前代未聞の大失敗は、いみじくも編曲の軽さを暴露してしまった。が、気分良く吹けるかどうかはアレンジ次第だと感じているオカリナフリークも多い。このことは、編曲が曲の理解を助けるということを示している。だからセンセイたるワタシは教材の編曲をつづけるのであったとさ。

 おしまい。 
09.02.21 記 
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巴だ リョウヘイ
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揚琴・笛演奏屋 オカリナのセンセイ
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自己紹介:
 
演奏活動歴/揚琴、27年。オカリナ、16年。
活動範囲/全国の都心から山間地まで。
演奏場所/ホールからお座敷まで。オカリナは野外歓迎。
演奏目的/オープニングセレモニーから追悼演奏まで。
演奏形態/独奏から異業種間共演まで。
所属事務所/Magnolia Music(自分的オフィス)

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特 技/晴れ男であること。

オカリナ倶楽部 “夢見るガチョウ” 主宰。

京都府下農村在住。
雨乞い師見習い。
自然農見習い。
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