揚琴、オカリナ & インディアンフルート奏者がつづるいろいろばなし。
音楽、田舎暮らし、自然・環境、時事、ほかいろいろ。
どうぞ、ごゆっくり。
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#384 リベルタンゴ
リベルタンゴは、現代のタンゴ音楽の巨匠ピアソラの代表曲だ。出だしからいきなり、躍動感あふれる強烈なリズムが魂をゆさぶる。いろんな演奏家が演奏している。最近では、ヨーヨーマがチェロで弾いたのが有名になった。ワタシも一度、フルートアンサンブルの人たちに混じって揚琴で演奏したことがある。で、作曲者のピアソラだが、タンゴ界ではかなりの異端児だったそうだ。
リベルタンゴは、現代のタンゴ音楽の巨匠ピアソラの代表曲だ。出だしからいきなり、躍動感あふれる強烈なリズムが魂をゆさぶる。いろんな演奏家が演奏している。最近では、ヨーヨーマがチェロで弾いたのが有名になった。ワタシも一度、フルートアンサンブルの人たちに混じって揚琴で演奏したことがある。で、作曲者のピアソラだが、タンゴ界ではかなりの異端児だったそうだ。
アルゼンチン・タンゴは、元来踊るための音楽だった。ピアソラはそこにクラシックやジャズのエッセンスを取り入れ、室内楽としての完成度を高めた人だった。
こういうことをすると、必ず保守派に攻撃される。踊れないタンゴはタンゴじゃねえーっ、きさま、タンゴを愚弄する気かっ、てなもんだ。おかげで命をねらわれたこともあるそうな。
ダンスミュージックを室内楽に高めた人として、韓国の伝統的打楽器グループのサムルノリがある。彼らが世界に広めた農楽は、朝鮮半島の伝統的な歌舞曲だった。文字通りお百姓が農作業の節目の祭などで演じたものだったが、神事でも使われていた。朝鮮半島では、今も民族音楽と言えば必ず農楽が登場する。鐘や太鼓を手に持って歩きながら、踊りながら演奏している姿を見たことがある人は多いと思う。
その農楽を、サムルノリは座って演奏し始めた。彼らの音楽は、半島中の昔から伝わるリズムパターンを取材して回り、自分たちで統合・再編したものだ。その演奏には、農楽の持ち味のひとつである即興演奏がふんだんに盛り込まれている。
サムルノリは、高度な演奏技術と熱いハートと類いまれなるパワーで、農楽を純粋に音楽として世界に広めたのだった。で、彼らが農楽を座って演奏し始めた時、やはり保守派から攻撃を受けた。やつらは伝統を壊す者だ、と。
サムルノリのリーダーの金徳珠はこう言った。
「伝統とは形じゃない。姿形を変えて伝えられていくものこそが伝統だ。伝統は生きているのだ」
伝統とは形式ではなく、そのエッセンスだと、あるいは心だと言う金徳珠の中に息づく精神こそが、農楽を世界に広める原動力であったと、ワタシは思う。
ピアソラはタンゴの破壊者か。もちろん否だ。ピアソラはタンゴの表現の可能性を広げることで、タンゴに他のユニバーサルな音楽と同等の普遍性を与えたのだ。
リベルタンゴには、世界中の人々の心に訴えかけるものがあるにちがいない。あの腹に響いてくるリズムと美しく無駄のないフォルムの旋律の融合にふれれば、作曲家であれば誰もが一度はあんな曲を書いてみたいと思ってしまうにちがいない。
リベルタンゴをオカリナで演奏する人も多いようだ。ワタシの生徒さんのCローブというグループもただいま挑戦中。「挑戦」という言葉がぴったりの、けっしてやさしい曲ではないが、誰もが「ミファミドシミーーーーーー」と吹いた瞬間、日常とはまったくちがう時空間にいざなわれてしまう。ワタシの編曲はそんな体験を大事にできるものになったかどうか。バンドネオンの音源がないのでアコーディオンを使ったが、それなりに雰囲気が出てそれはよかった。
こういうことをすると、必ず保守派に攻撃される。踊れないタンゴはタンゴじゃねえーっ、きさま、タンゴを愚弄する気かっ、てなもんだ。おかげで命をねらわれたこともあるそうな。
ダンスミュージックを室内楽に高めた人として、韓国の伝統的打楽器グループのサムルノリがある。彼らが世界に広めた農楽は、朝鮮半島の伝統的な歌舞曲だった。文字通りお百姓が農作業の節目の祭などで演じたものだったが、神事でも使われていた。朝鮮半島では、今も民族音楽と言えば必ず農楽が登場する。鐘や太鼓を手に持って歩きながら、踊りながら演奏している姿を見たことがある人は多いと思う。
その農楽を、サムルノリは座って演奏し始めた。彼らの音楽は、半島中の昔から伝わるリズムパターンを取材して回り、自分たちで統合・再編したものだ。その演奏には、農楽の持ち味のひとつである即興演奏がふんだんに盛り込まれている。
サムルノリは、高度な演奏技術と熱いハートと類いまれなるパワーで、農楽を純粋に音楽として世界に広めたのだった。で、彼らが農楽を座って演奏し始めた時、やはり保守派から攻撃を受けた。やつらは伝統を壊す者だ、と。
サムルノリのリーダーの金徳珠はこう言った。
「伝統とは形じゃない。姿形を変えて伝えられていくものこそが伝統だ。伝統は生きているのだ」
伝統とは形式ではなく、そのエッセンスだと、あるいは心だと言う金徳珠の中に息づく精神こそが、農楽を世界に広める原動力であったと、ワタシは思う。
ピアソラはタンゴの破壊者か。もちろん否だ。ピアソラはタンゴの表現の可能性を広げることで、タンゴに他のユニバーサルな音楽と同等の普遍性を与えたのだ。
リベルタンゴには、世界中の人々の心に訴えかけるものがあるにちがいない。あの腹に響いてくるリズムと美しく無駄のないフォルムの旋律の融合にふれれば、作曲家であれば誰もが一度はあんな曲を書いてみたいと思ってしまうにちがいない。
リベルタンゴをオカリナで演奏する人も多いようだ。ワタシの生徒さんのCローブというグループもただいま挑戦中。「挑戦」という言葉がぴったりの、けっしてやさしい曲ではないが、誰もが「ミファミドシミーーーーーー」と吹いた瞬間、日常とはまったくちがう時空間にいざなわれてしまう。ワタシの編曲はそんな体験を大事にできるものになったかどうか。バンドネオンの音源がないのでアコーディオンを使ったが、それなりに雰囲気が出てそれはよかった。
おしまい。
09.02.03 記
09.02.03 記
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管理人について
HN:
巴だ リョウヘイ
性別:
非公開
職業:
揚琴・笛演奏屋 オカリナのセンセイ
趣味:
ほしい。
自己紹介:
演奏活動範囲/全国の都心から山間地まで。
演奏場所/ホールからお座敷まで。オカリナは野外歓迎。
演奏目的/オープニングセレモニーから追悼演奏まで。
演奏形態/独奏から異業種間共演まで。
所属事務所/Magnolia Music(自分的オフィス)
コンタクト方法/上記のホームページ(HP)の「FAQ & Form」のページからどうぞ。
特 技/晴れ男であること。
オカリナ倶楽部 “夢見るガチョウ” 主宰。
2018年、京都府下農村から大阪府下住宅街に移住。
今も雨乞い師見習い。
今も自然農見習い。
ノアのおとうちゃん。
演奏活動範囲/全国の都心から山間地まで。
演奏場所/ホールからお座敷まで。オカリナは野外歓迎。
演奏目的/オープニングセレモニーから追悼演奏まで。
演奏形態/独奏から異業種間共演まで。
所属事務所/Magnolia Music(自分的オフィス)
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オカリナ倶楽部 “夢見るガチョウ” 主宰。
2018年、京都府下農村から大阪府下住宅街に移住。
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