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揚琴、オカリナ & インディアンフルート奏者がつづるいろいろばなし。
音楽、田舎暮らし、自然・環境、時事、ほかいろいろ。
どうぞ、ごゆっくり。
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#526 演 壇

 ドブ板選挙という言葉がある。昔は路地の真ん中にはドブがあり、それをふさぐ板を踏んで一軒一軒の家を順に回って支持を訴える選挙戦術のことだ。転じて、地縁血縁を頼って票を集めることとなっている。今でも前近代的な地域の選挙ほど、ドブ板選挙的色彩が濃くなるようだ。筑紫哲也さんは、民主主義の成熟を妨げる弊害のひとつとして、ドブ板選挙をきびしく批判しておられた。

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 わが町の町長と町会議員の選挙は投票日を二日後に控え、ますます白熱してきた。悲しいかな、わが町ではドブ板選挙花盛りだ。狭い地域で誰に乗せられたのか、見識も業績も何もない新人(といってもおっさんだが)が立候補する。夜分に突然やってきて「ごあいさつに伺いましたっ」とのたまう。町政において何をどうするつもりなのかは何も言わず、ただごあいさつだけして帰る。

 ワタシが応援するSさんは、これまで町会議員を三期勤めてきた五十代のさわやか系女性だ。そのSさんの票をかすめ取ろうとする陣営は、なんとも姑息な戦術を用いる。Sさんを支持する家にやってきてこう言うのだ。
「あんたはSさんに入れるわな。で、Sさんは今回もどうせ安泰だから、お宅の家族の票はわしにくれんか」
 恥も外聞もない。ところが、田舎の人というものは、面と向かって頼まれるとイヤとは言えない「いい人」が多い。安請け合いしてしまい、投票日にはついつい言われた通りにしてしまう。頼んだ姑息人間は、始めからそういう成り行きを十分心得た上で「家族の票をくれ」と頼むのだ。なんともやりきれない話だ。

 こんなこともあった。
「うちの親戚の○○(候補)がなー、今回は落ちそうなんや。お願いやから入れてやってんか」

 住民の声の代弁者である議員というものは、ほんとは住民のために自分を捨てなければ勤まらないと思う。だから、そんなたいへんな仕事に就いてほしいと望まれる人には、本来は住民の方から立候補をお願いし、万事尽くして応援すべきだ。
「Sさんは、ワタシが抱いていた議員のイメージを変えてくれた、謙虚で誠実で無私の人だ。そのSさんが「お願いします」「みなさんのために今回も働かせて下さい」と「言わされて」いる。が、我々自身が進んでSさんを盛りたて、心から当選を喜び、気持ちよく議席に着いてもらわねばねば」
「不逞の輩に家族の票を絶対に渡さず、家族全員が必ず投票せねばねば」
 ワタシは、依頼をいただいた昨夜の公民館での立会演説会でのMC、じゃなかった応援演説で、このように述べた。

 一昨日は、MC、じゃなかった応援演説に向けて、ここでいろんなことを考え、まとめた。が、結局は上に述べたことのほかは、
「苦しい財政の中、われわれの税金を『物』に投資するのか『人』に投資するのか。Sさんは在職中から一貫して、不要な道路やダムなどの『物』ではなく、『人』を守り育てること、すなわち医療・福祉・教育・環境問題・農政・雇用に投資するべきだと訴えてこられた。ワタシはこれを支持する」
 としか話せなかった。演壇をはさんで眼前の人々の真剣なまなざしと向かい合うと、やはり頭で組み立てただけの言葉はまったく出てこなかった。が、今はこれで十分すぎるほどだったと思う。

 緊張したかって? はい、しました。だって、みんなの生活がかかった真剣勝負の場だもの。こんなときは、行動の目的をしっかりと腑に落とし、内容を最小限に絞って、原稿などに頼らずに心のままに表現するしかないと痛感した。Sさんのご主人が「あんたの演説は、ほんまに泣けるわ〜」と手を握りしめて下さったが、泣けるほど情けないMCだったようで、それはよかった。
 とまれ、選挙という結果がすべての世界はまことにきびしい、とさ。

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管理人について

HN:
巴だ リョウヘイ
性別:
非公開
職業:
揚琴・笛演奏屋 オカリナのセンセイ
趣味:
ほしい。
自己紹介:
 
演奏活動範囲/全国の都心から山間地まで。
演奏場所/ホールからお座敷まで。オカリナは野外歓迎。
演奏目的/オープニングセレモニーから追悼演奏まで。
演奏形態/独奏から異業種間共演まで。
所属事務所/Magnolia Music(自分的オフィス)

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特 技/晴れ男であること。

オカリナ倶楽部 “夢見るガチョウ” 主宰。

2018年、京都府下農村から大阪府下住宅街に移住。
今も雨乞い師見習い。
今も自然農見習い。
ノアのおとうちゃん。
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