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揚琴、オカリナ & インディアンフルート奏者がつづるいろいろばなし。
音楽、田舎暮らし、自然・環境、時事、ほかいろいろ。
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#521 おあずけ

 稲刈りしたのはいつだっけか? 10月4日だ。一ヶ月前じゃないか。なのに、なんで作ったお米をいまだに一口も食べられないのだ。稲刈りはお米作りのハイライトのひとつで、これをもってお米作りは終わりだというイメージがある。が、甘かった。そこからがたいへんだったのだ。稲木で半月も天日干しした後、脱穀というたいへんな作業が待っていた。

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 10月29日に脱穀機を使って脱穀を始めたことは書いた。が、この近代的な脱穀機、働き者の割には仕事が雑なのだ。ワタシは脱穀機をかければ籾とワラがきれいに分離するものと思っていたのだが、ほとんどの籾は連なったままで、しかも大量のワラくずが混じる。手作業でワラくずを取り除くのは容易ではない。大量のワラくずが入り混じった籾を見て、茫然自失。

 翌日10月30日は、夕刻から田んぼ的師匠のKさんちで収穫祭だった。ワタシはこの席になんとしてもマイ新米を間に合わせたかったのだが、絵に描いた新米となってしまった。さすがKさんは、きっちり間に合わせた。
 鴨鍋を囲みながらワタシは訴えた。
「脱穀機なるものは、唐蓑とセットでないと使えないのではないかと思案するが、如何に」
 Kさん答えて曰く。
「いかにも」
 Kさんの「あったりまえじゃ〜ん」といった風なあっけらか〜んとした返答にガクゼンとした。
「明日、唐箕を貸して進ぜよう」
 まったく、この人はなんでも持っている。

これが唐箕。ウチはいよいよ民俗資料館と化してきた。
唐箕

 唐箕と書いて「とうみ」と読む。唐箕とは、要するに送風式種ゴミ選別機だ。籾とワラくずを風力で選り分ける。豆・蕎麦などの選別にも使う。もちろん人力だ。
 右のハンドルを回すと内部の四枚の「うちわ」が回る。回しながら上の逆三角形の投入口からワラくずや籾殻が混じった籾を入れると、左下の排出口から籾だけが出てくる。ワラくずは、左側面の吐き出し口から吐き出される。なんとうまく出来ていることか。

 今朝、いよいよ唐箕を回し始めた。ハンドルを回すと、ガタゴトとずいぶん大きな音がする。どうもギアの噛み合わせに不具合があるようだ。大きな音を気にしながら作業を始めると、お向かいのおじさんと、おとなりのおばさんと、その二軒向こうのおばさんが、連れ立ってウチの土間へやって来た。みなさんニコニコしておられる。
「うわ〜」「何がガタゴト言ってるのかと思ったら」「なつかしいわ〜」
 見学というか、見物だな。脱穀機もごらんになった。おじさん曰く、
「子どもの頃、学校休んで足踏みを手伝わされたもんやった」

 和気あいあいと始まった唐箕作業。なかなかうまくいかない。何度もやり直すうちに疲れてやめてしまった。このはかどらなさはなんなんだ。「もっといい方法はないものか」と考え続けた。
 作業手段を考える際のワタシのスタンスは、常に「今の自分の生活のスタイルとペースの中に組み入れられるもっとも良い方法は何か」だ。それはけっして燃料を使う機械化ではない。といって、すべてを手だけで行なうだけの余裕も無い。であれば、プロセスによっては人力機械を使うしかない。それもだめならどうするか。簡単な方法と良い方法とは必ずしも一致しないことを学ぶ日々だ。
 脱穀機と唐箕との格闘は、もう数日つづきそうだ。で、その先には籾摺りという行程が待っている。自分の手で籾摺りを行なう方法は、まだ見つかっていない。いったい、マイお米を口にできるのはいつのことなんだよ。

 おしまい。 
09.11.03 記 
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管理人について

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巴だ リョウヘイ
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職業:
揚琴・笛演奏屋 オカリナのセンセイ
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自己紹介:
 
演奏活動範囲/全国の都心から山間地まで。
演奏場所/ホールからお座敷まで。オカリナは野外歓迎。
演奏目的/オープニングセレモニーから追悼演奏まで。
演奏形態/独奏から異業種間共演まで。
所属事務所/Magnolia Music(自分的オフィス)

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特 技/晴れ男であること。

オカリナ倶楽部 “夢見るガチョウ” 主宰。

2018年、京都府下農村から大阪府下住宅街に移住。
今も雨乞い師見習い。
今も自然農見習い。
ノアのおとうちゃん。
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