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揚琴、オカリナ & インディアンフルート奏者がつづるいろいろばなし。
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#530 上り坂

 近くの小学校はきょうはお休みだ。で、グラブとボールを持って、一人でボール投げをしに行った。小学校のグランドには、一人ボール投げ用の壁がある。小学校までちょうど1km。久しぶりに自転車に乗って行った。が、道中にはかなりアップダウンがある。ボール投げを始める前に疲れてしまって、それは情けない。さて、自転車って、なかなか奥が深いやもしれない。

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 オカリナの生徒さんの中に、自転車が趣味だという人がいる。と言っても、自転車を作ったりこわしたり集めたり盗んだりするのではなく、乗ること、つまりサイクリングが好きなのだ。自宅から百数十km離れた京都府北部の山村まで行ったこともあるそうだ。その間、いったいどれほどの坂道・峠道があることか。その辺りに住んでいたワタシは、そのルートを走るへんたいさ、ちがった、たいへんさを実感出来る。

 先日、その生徒さんとサイクリングについて話した。
 車で山道や峠道を走っていると、ときどき信じられない様な長い上り坂で、汗だくになってペダルを踏んでいる人と行き会う。ワタシはたずねた。
「やはり、下り坂の楽しみがあればこそ、長き上り坂にも耐えられるのでござるか」
「否。拙者を始め、自転車が好きな者の多くは、上り坂が好きなのでござる」
「・・・仰天。上り坂の魅力とは如何なるものか」
「不可知なり」

 上り坂を行く自転車人はあんなに苦しそうな顔をしているのだから、絶対に快適な下り坂を思い浮かべて走っているに違いないと信じて疑わなかったワタシ。意表を突かれた。
 にしても、上り坂が好きだというその心境がわからない。で、きょう久しぶりにマイママチャリ的自転車で走って、上り坂で考えてみた。
 上り坂の苦しさは、先を急ぐ気持ちが強いほど増すように思えた。で、先を急がず、全身から無駄な力を抜いて、周囲の景色を眺めながら淡々とペダルを踏み続けた。と、自分の足で自分を運んでいるという実感が湧いてくる。体内のすべてのエネルギーが効率的に燃焼しているのを感じ始める。
 そのうち、いつか頭は真っ白になり、自転車をこいでいる自分がいるが、本当の自分はそれを見ているだけ、というような境地が垣間見え・・・なかった。
 すべては無我、無念無想、瞑想の境地であればこそ、人の世を超越し、居ながらにして彼岸へと至らん、とはなかなかいかんなー。

 もしや、山登りのような快感もあるのやもしれない。であれば、そこには上り切ったときの達成感なんかもあるのだらふか。
 上り坂的自転車道、まだまだ相当に奥が深いと見た。

 そんなことを考えていると、下り坂にさしかかった。うひょ〜っ、走る、走る、なんにもしなくても走る。重たくなった足は重力から解放され、ほてり始めた身体に爽風がぶつかって、快感っ。

 ワタシはやっぱ下り坂の方が好きだった。これでは上り坂的自転車道の真髄には至れそうにない。
 上り坂がなければ下り坂は存在しない。下るには上らなければならない。で、上り坂の苦しさが下り坂の快感を増すことは、あまりに明瞭すぎる。この明瞭さと、物事をついつい苦楽の落差が生む快感を通して見てしまう態度が、上り坂的自転車道の理解を妨げているのだろう。

 車に自転車を積んで峠の頂上まで行って、下り坂だけ楽しもうか。あっ、後で車を取りに上らないといけないじゃないか。それはムリだ。運転手をやとうしかないか。それもムリだとさ。

 おしまい。 
09.11.21 記 
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管理人について

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巴だ リョウヘイ
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職業:
揚琴・笛演奏屋 オカリナのセンセイ
趣味:
ほしい。
自己紹介:
 
演奏活動範囲/全国の都心から山間地まで。
演奏場所/ホールからお座敷まで。オカリナは野外歓迎。
演奏目的/オープニングセレモニーから追悼演奏まで。
演奏形態/独奏から異業種間共演まで。
所属事務所/Magnolia Music(自分的オフィス)

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特 技/晴れ男であること。

オカリナ倶楽部 “夢見るガチョウ” 主宰。

2018年、京都府下農村から大阪府下住宅街に移住。
今も雨乞い師見習い。
今も自然農見習い。
ノアのおとうちゃん。
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