揚琴、オカリナ & インディアンフルート奏者がつづるいろいろばなし。
音楽、田舎暮らし、自然・環境、時事、ほかいろいろ。
どうぞ、ごゆっくり。
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#532 アホ米
先日、第二の故郷である山里を訪れたときのこと。その地で暮らしていたころからお世話になっている藍染作家の新道弘之さん宅兼「小さな藍の美術館」へ立ち寄った。自然農法の先輩でもある新道先生は、かつてお米も作っておられた。で、近ごろはいきおい、会えば田んぼ談義となる。
先日、第二の故郷である山里を訪れたときのこと。その地で暮らしていたころからお世話になっている藍染作家の新道弘之さん宅兼「小さな藍の美術館」へ立ち寄った。自然農法の先輩でもある新道先生は、かつてお米も作っておられた。で、近ごろはいきおい、会えば田んぼ談義となる。
新道先生は、ことあるごとに奥さんとの意見の違いを訴えられる。奥さんはと言えば、新道先生の何事に対してもあまりにこだわって取り組まれる姿にいつもヘキエキしていると訴えられる。が、まあ、なんと言うか、仲のよろしいご夫婦だという印象なのだが。
で、ワタシがわずかばかりとは言え、不耕起の田んぼをすべて手作業でやり終えたことについて、また予想外の出来高だったことについては、おふたりには感嘆していただいた。が、ワタシが乾田の稲の穂にいくつ籾が付いているかを数えた話をしたときのこと。
「148粒も付いているのがあったでござ候」
奥さん、即座に、
「アホやっ」
ワタシとしては、一本の穂に籾が148粒もついていたことに感動してほしかったのに、奥さんはワタシが籾をひと粒ずつ数えたことに「感動」されたようで、それはこまった。稲穂に付いた籾をひとつひとつ数えるような輩は、新道先生と同類の「アホ」だということらしい。
新道先生の藍染に対するこだわりは尋常ではない。若い頃藍染に適した水を求めて京都市内からかの山村へ移住された。そして、海外でも高く評価されている独創的な作品を生み出す藍はすべてご自分で藍瓶で建てておられる上、作業に使う道具もすべて特注品だ。
しかも若い頃から、幻の技法と呼ばれる「板締め」の復活にも取り組まれていた。このたびは小さな藍の美術館で世界の板締め展を開いておられたのだが、この幻の技法をオリジナリティーあふれる作品に昇華されているところには大いに感嘆した。
そんな新道先生だから、田んぼや畑にかける情熱も人並みではない。
「二十年かけて、ようやく自然農法にふさわしい土ができたのである」
とおっしゃる。もっとも、田んぼはすぐにやめてしまわれたそうだ。その理由が笑える。
「できるだけ自然に近い状態の田んぼにしていたのだが、ある日、近所のおばさんたちが勝手にわが田んぼに入って草を刈っているのを見て、イヤになってやめてしまったのである」
そう言えば、ウチに田んぼを貸してくれている田んぼ的師匠のKさんの物事へのこだわりぶりも尋常ではない。半年もかけて古民家を全部自分の手で改装してしまったのだから。庭も子どものブランコも全部手作り。おまけに自家製ビールまで作る人だ。
新道先生やKさんのようなセンパイたちの姿があるからこそ、ワタシもマイ田んぼをがんばれる面がある。もちろん、センパイ諸氏がそうであるように、ワタシはワタシ独自の道を歩んでいるのだが、目指す方向は同じだ。それは、自然とつながりを保つ快適な生活環境を守り、そこでの暮らしの一環として、そこから生まれる心身にやさしい食べ物を作ることだ。
我々に共通していることは、何事にもとことんこだわる「アホ」だということのようだ。アホたちが作るアホ米の味や如何に。
きょう、もち米の脱穀が終わり、これですべての稲の脱穀が完了した。脱穀機と唐箕の使い方にようやく慣れ、加えてワタシ独自の脱穀手法が形になってきた頃に終わってしまった。万事この調子だったな。で、残るは予想に反して最大の関門となってしまった籾すりだ。今朝、とうとう電動籾すり機を発注した。ここまですべて手作業で乗り切ってきたのに、悔しいなー。でも、ようやくマイ新米が口にできそうで、うれしいなー。
で、ワタシがわずかばかりとは言え、不耕起の田んぼをすべて手作業でやり終えたことについて、また予想外の出来高だったことについては、おふたりには感嘆していただいた。が、ワタシが乾田の稲の穂にいくつ籾が付いているかを数えた話をしたときのこと。
「148粒も付いているのがあったでござ候」
奥さん、即座に、
「アホやっ」
ワタシとしては、一本の穂に籾が148粒もついていたことに感動してほしかったのに、奥さんはワタシが籾をひと粒ずつ数えたことに「感動」されたようで、それはこまった。稲穂に付いた籾をひとつひとつ数えるような輩は、新道先生と同類の「アホ」だということらしい。
新道先生の藍染に対するこだわりは尋常ではない。若い頃藍染に適した水を求めて京都市内からかの山村へ移住された。そして、海外でも高く評価されている独創的な作品を生み出す藍はすべてご自分で藍瓶で建てておられる上、作業に使う道具もすべて特注品だ。
しかも若い頃から、幻の技法と呼ばれる「板締め」の復活にも取り組まれていた。このたびは小さな藍の美術館で世界の板締め展を開いておられたのだが、この幻の技法をオリジナリティーあふれる作品に昇華されているところには大いに感嘆した。
そんな新道先生だから、田んぼや畑にかける情熱も人並みではない。
「二十年かけて、ようやく自然農法にふさわしい土ができたのである」
とおっしゃる。もっとも、田んぼはすぐにやめてしまわれたそうだ。その理由が笑える。
「できるだけ自然に近い状態の田んぼにしていたのだが、ある日、近所のおばさんたちが勝手にわが田んぼに入って草を刈っているのを見て、イヤになってやめてしまったのである」
そう言えば、ウチに田んぼを貸してくれている田んぼ的師匠のKさんの物事へのこだわりぶりも尋常ではない。半年もかけて古民家を全部自分の手で改装してしまったのだから。庭も子どものブランコも全部手作り。おまけに自家製ビールまで作る人だ。
新道先生やKさんのようなセンパイたちの姿があるからこそ、ワタシもマイ田んぼをがんばれる面がある。もちろん、センパイ諸氏がそうであるように、ワタシはワタシ独自の道を歩んでいるのだが、目指す方向は同じだ。それは、自然とつながりを保つ快適な生活環境を守り、そこでの暮らしの一環として、そこから生まれる心身にやさしい食べ物を作ることだ。
我々に共通していることは、何事にもとことんこだわる「アホ」だということのようだ。アホたちが作るアホ米の味や如何に。
きょう、もち米の脱穀が終わり、これですべての稲の脱穀が完了した。脱穀機と唐箕の使い方にようやく慣れ、加えてワタシ独自の脱穀手法が形になってきた頃に終わってしまった。万事この調子だったな。で、残るは予想に反して最大の関門となってしまった籾すりだ。今朝、とうとう電動籾すり機を発注した。ここまですべて手作業で乗り切ってきたのに、悔しいなー。でも、ようやくマイ新米が口にできそうで、うれしいなー。
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管理人について
HN:
巴だ リョウヘイ
性別:
非公開
職業:
揚琴・笛演奏屋 オカリナのセンセイ
趣味:
ほしい。
自己紹介:
演奏活動範囲/全国の都心から山間地まで。
演奏場所/ホールからお座敷まで。オカリナは野外歓迎。
演奏目的/オープニングセレモニーから追悼演奏まで。
演奏形態/独奏から異業種間共演まで。
所属事務所/Magnolia Music(自分的オフィス)
コンタクト方法/上記のホームページ(HP)の「FAQ & Form」のページからどうぞ。
特 技/晴れ男であること。
オカリナ倶楽部 “夢見るガチョウ” 主宰。
2018年、京都府下農村から大阪府下住宅街に移住。
今も雨乞い師見習い。
今も自然農見習い。
ノアのおとうちゃん。
演奏活動範囲/全国の都心から山間地まで。
演奏場所/ホールからお座敷まで。オカリナは野外歓迎。
演奏目的/オープニングセレモニーから追悼演奏まで。
演奏形態/独奏から異業種間共演まで。
所属事務所/Magnolia Music(自分的オフィス)
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