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揚琴、オカリナ & インディアンフルート奏者がつづるいろいろばなし。
音楽、田舎暮らし、自然・環境、時事、ほかいろいろ。
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#336 無と有の出会いの果てに

 Fさんは「この世のすべては無だ」と言う。Kさんは「すべてはひとつの有だ」と言う。Fさんは「この世で人間が為し得ることは何もない。作物の生育にも手を貸してはならない」と言い、Kさんは「作物の生育には最小限の手助けは必要だ」と言う。Fさんは代々地主で、Kさんは代々小作農だ。自然農について少々異なる見解を持っていたふたりは、やがてほとんど同じ手法に到達する。

 FさんとKさんは、田んぼを耕さず、肥料をやらず、雑草を除かず、農薬をまったく使わずに、何十年来米を作ってきた。ふたりの米作りの主な違いはと言えば、Fさんは籾を田んぼに直播きし、雑草を押さえるためにクローバーを播くが、Kさんは苗代で稲の苗を育てて田植えをし、クローバーを撒かずに自然に生える雑草を手作業で抑制することだ。

 FさんもKさんも、自然はすべて互いが深く関わり合っており、不要なものは何ひとつないと言う。そして、人間も自然の一部であるから、自然の理に適った生き方をし、農作をすべきだと説く。
 その一方で、人間だけが自然の理に反して、自然を破壊し調和を乱す愚行を冒しているとも言う。

 人間だけが自然の調和を乱しているとの指摘は、自然から一方的に略奪する文明の成れの果てである現代の地球環境を見れば、正しいと言わざるを得ない。では、人間はほんとうに自然の一部だと言えるのだろうか。

 人間が自然の一部であり、自然の理に従って存在しているのであれば、人間が自然の調和を乱すことも自然の理であることになる。
 人間が自然の調和を乱すことが自然の理に適っていないのであれば、人間は自然の一部ではないことになる。

 ふたりの自然農の先駆者的存在、Fさんこと福岡正信さんもKさんこと川口由一さんも、この点については何も言ってない。福岡さんと川口さんだけではない。多くの人が「人間は自然の一部であるのに、人間だけが自然の調和を乱している」と言っている。この明らかな矛盾について、誰も何も言わない。この矛盾は、多くの人になにゆえに許容されているのか。

 それはおそらく、言葉の限界なのだろう。直感と深い洞察によって得られた真理を言葉で表現することが極めて困難であることを考えるとき、真理を体現していると思われる人の言葉尻を掴まえて矛盾を指摘するだけの野次馬に堕してはならないと思う。

 十年ほど前、福岡さんと川口さんが同じ空間で講演された会に参加し、おふたりの主張・生き様・方法論を生の声で聞けたことは幸運だった。それ以来、少なくともワタシの中では、「無」を唱えた福岡さんと「有」を唱える川口さんは融合し、新たな地平を示してくれている。

 福岡さんと川口さん始め心ある人々が実践し道を開いてこられた自然農は、けっして素朴な「昔ながらの農法」ではない。それは、自然と人々から搾取しないという意味で、現代のもっとも先端をゆく、革命的な農法なのだ。その根本に横たわったままの言葉の限界を超えることは、われわれの世代の最大の役割のひとつだと思う。人間は、この地球の自然の一部であるのかないのか。自然の一部であるのならば、なぜ人間だけが自然の調和を乱すのか。この問いをはっきりと発し、明確な答を提出しなければ、自然農に携わる者は、ただの「安全農産物生産者組合」で終わってしまうことだろう。

 人類の遺伝子は地球外からやってきたとする説もあるそうだ。おもしろいな。
 きょうも田んぼの手入れをした。畦に寝転んで青い空を行く真っ白な雲を眺めた。美しかった。

 おしまい。 
08.10.30 記 
おとなりの庭にて。なんという草かな。
赤い実

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巴だ リョウヘイ
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演奏活動歴/揚琴、27年。オカリナ、16年。
活動範囲/全国の都心から山間地まで。
演奏場所/ホールからお座敷まで。オカリナは野外歓迎。
演奏目的/オープニングセレモニーから追悼演奏まで。
演奏形態/独奏から異業種間共演まで。
所属事務所/Magnolia Music(自分的オフィス)

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特 技/晴れ男であること。

オカリナ倶楽部 “夢見るガチョウ” 主宰。

京都府下農村在住。
雨乞い師見習い。
自然農見習い。
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