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揚琴、オカリナ & インディアンフルート奏者がつづるいろいろばなし。
音楽、田舎暮らし、自然・環境、時事、ほかいろいろ。
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#332 カビキラー

 昨年のことだが、ウチにあった二本の松の木のうち一本が枯れた。あれっ、葉が茶色くなってきてるな、と思ったら、一ヶ月ほどであっと言う間に枯れてしまった。この、いわゆる「松枯れ」は、二十年以上前から全国で始まっている。荒れ地、崖、海岸、高地など、きびしい環境の中でも育つ松は最強の植物とされてきた。それが、現在はどこの山でも例外なく、そこかしこに茶色くなった松の無惨な姿を見ることができる。

 松枯れの原因は、やれ松喰虫だ、やれ排気ガスだ、山の手入れをする人がいないからだなどと言われてきたが、そんな単純な原因ではない。どうやら、複合的要因によって起こっていることは間違いないようだ。そしてそこでは、酸性雨が大きなファクターとなっている。

 松は植物の中で総葉面積がいちばん広いから酸性雨に弱いという説もあるが、酸性雨が松に直接被害を与えるのではないことがわかってきている。いちばん有力な説は、酸性雨によって土中に黒線菌というカビが異常発生し、黒線菌が松茸菌を殺し、その結果松が弱って松喰虫の異常発生を許し、松喰虫が移す線虫という小さな虫が松の内部の水脈に侵入して水脈が詰まって、松は水分・養分を十分に吸い上げられなくなって枯れる、というものだ。

 松枯れは、土中のカビが果たしている役割の大きさを実感させる。近年目に見えて採れなくなったマツタケは、松に依存していると思われがちだが、実はマツタケが松を生かしているのだとも言える。マツタケ菌が松の亡骸を分解・再生し、成長を助けているのだ。シイタケは椎や楢の木と共生し、スギヒラタケは杉と、ベニテングダケは白樺と共生している。
 だから、酸性雨によって松が枯れたからマツタケが採れなくなったのではなく、マツタケ菌が死んだから松も枯れたというのが真相のようだ。

 余談だが、ワタシが暮らす地域はその昔、全国でも有数のマツタケの産地だったそうだ。当地のマツタケはその品質の良さから言わばブランド商品化されていたとも聞く。それが今や、出荷はおろか、家族でマツタケ狩りを楽しむほどのマツタケすら採れない有様だ。

 ところで、近年、生分解性プラスティックというものが出回り始めている。主にデンプンを原料とする、土中で自然に分解されるプラスティックだ。植物を原料とするデンプンから作られているから、燃やしても発生する二酸化炭素の総量はプラスマイナスゼロだし、燃焼温度も紙とおなじくらいだという。温暖化防止と焼却炉保護のための福音やもしれない。ただ、コストが高いためにまだまだ普及していないそうだが。(デンプンを作る際には化石燃料が使われるということを見落としてはならないが)

 きょう、この生分解性プラスティックを、劇的に速く分解するものが発見されたとの報道があった。それは、大麦に付くカビだそうだ。
 カビは人の暮らしの中ではきらわれるが、微生物とともに自然界ではなくてはならない存在だ。動植物の遺骸を分解するのは、すべて微生物と菌類だ。それらは微量栄養素を植物に与え、ミミズを育み、ミミズは土を耕し、糞によって肥やし、植物を育て、植物を動物が食べ、動植物は微生物によって分解され、栄養素はさらに土を肥やす。この循環が、豊かな国土と食物を作る。

 土中の目に見えないものをないがしろにすれば、人間は砂漠の上でさび付いた機械類に埋もれて滅びることはまちがいない。

 おしまい。 
08.10.22 記 
これも珍しくなった藤袴。曙草、釣舟草の近くで。
藤袴

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巴だ リョウヘイ
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自己紹介:
 
演奏活動歴/揚琴、27年。オカリナ、16年。
活動範囲/全国の都心から山間地まで。
演奏場所/ホールからお座敷まで。オカリナは野外歓迎。
演奏目的/オープニングセレモニーから追悼演奏まで。
演奏形態/独奏から異業種間共演まで。
所属事務所/Magnolia Music(自分的オフィス)

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特 技/晴れ男であること。

オカリナ倶楽部 “夢見るガチョウ” 主宰。

京都府下農村在住。
雨乞い師見習い。
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