揚琴、オカリナ & インディアンフルート奏者がつづるいろいろばなし。
音楽、田舎暮らし、自然・環境、時事、ほかいろいろ。
どうぞ、ごゆっくり。
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#301 今こそ立ちあがれっ
ここ数日、グレン・グールドがブラームスのピアノ曲を弾いているCDを聴いている。それはやっぱり、グールドの世界そのものだった。あの「ドゥワラタタタタタッ、ディンディンディリティティティッ」という超絶技巧は、何を弾いてもグールドの世界を作り上げてしまう。機械に弾かせても、ああは研ぎすまされた音は出せないだろう。躍動するすべての声部が、骨髄をゆさぶってくれる。その亡きグールド、希代の変人ミュージシャンと言われたが、その変人ぶりの表れのひとつが、彼が使ったイスだった。
ここ数日、グレン・グールドがブラームスのピアノ曲を弾いているCDを聴いている。それはやっぱり、グールドの世界そのものだった。あの「ドゥワラタタタタタッ、ディンディンディリティティティッ」という超絶技巧は、何を弾いてもグールドの世界を作り上げてしまう。機械に弾かせても、ああは研ぎすまされた音は出せないだろう。躍動するすべての声部が、骨髄をゆさぶってくれる。その亡きグールド、希代の変人ミュージシャンと言われたが、その変人ぶりの表れのひとつが、彼が使ったイスだった。
グールドは異様に低いイスを愛用した。すわると、鍵盤が胸の当たりに来る。そんなに低くなるピアノ専用椅子はない。で、グールドはピアノ椅子の足を切って使っていた。そしてグールドは、常にそのイスを演奏会場に持ち込んでいた。
イスにすわって演奏する者にとって、イスはたいへん重要だ。楽器の一部だと言ってもいい。ワタシも揚琴を演奏するときはイスにすわって弾くので、イスにはずいぶんこだわってきた。
まず、高さ。高さが合わないと、手元が微妙に狂い、思わぬミスにつながる。そしてあちこちに無駄な力が入って疲れる。
次に、安定していること。倒れたら困るからだ。それにきしんだりたわんだりすると、やはり手元が狂う。
また、座り心地も大切だ。これは、長時間の練習やリハーサルのときの疲労度に影響する。
と言うと、「神経質な野郎だ」とずいぶん言われた。はいはい、さようでございまする。
以上の条件を満たすイスは、ピアノ用のイスだった。が、いちばん低くしてもまだ高いと感じた頃、思いあまってウチのピアノ椅子の四本の足を1.5cmずつ切ってしまった。
そんなわけで、ワタシもグールドばりにいつもマイ・チェアーを演奏会場に持ち込んでいた。ただし、変人といわれたことはない。・・・と思う。
ここまでしたのに(イスの足を切っただけだと言えばそうなのだが、かなり勇気がいった)イスの高さの好みは、年々変化していった。ある時期は低めが好きだったが、少しずつ高くなり、数年すると5cmほども高くなってしまい、今はまた低めにもどっている。イスの高さは、自分の演奏のクライマックスのときの弾きやすさと音の聴きやすさに合わせていた。
が、その後、自分がいちばん安定して長時間弾ける高さに合わせるようになった。ある夜のコンサートで思ったのだ。
「そうか、低いと感じれば、立ち上がればいいじゃないか」
その夜は、ある曲が即興的に盛り上がっていったとき、しらずしらず立ち上がってしまっていて、大いに成功したのだった。終わってから、スタッフのひとりに「あれは演出ですか」と言われた。はいはい、さようでございまする。
足を切ったピアノ椅子は、その後ぎいぎいときしむ音を出すようになり、使えなくなった。ピアノ椅子は重くてこりてきていたので、それからはいろんなイスを試してみた。が、なかなかこれというイスに出会えなかった。そんなわけで、ウチにはイスがあふれている。
今使っているイスは、古道具屋で¥1,000で買った木製の折りたたみイスだ。たくさんの古道具に囲まれて、一脚の安物のイスに何度も何度もすわったり立ったりし、やおら両方の腕をばたばたとさせ(バチを振る仕草)、ときにはイスをじっと見つめて考え込む姿は、さぞ異様に映ったことだろう。
千円イスは、高さはちょうど良く、幅広でゆったりしていて、それに軽くてしっかりしているのでずっと重宝していた。が、とうとうぎいぎいときしむようになってしまった。寿命のようだ。
で、これを機会にずっと立って弾こうかと、ちらりと考えもしたが、やめにした。だって立って弾くとなれば、今度はスタンドを高くしなければならないので、スタンド製作を特注しなければいかん上、高さが決まるまでまたもや試行錯誤の日々を送らねばならないじゃないか。だいいち、ずっと立っているのはしんどいっ。
でも、イスがいらなくなれば荷物が減るな。
楽をすることばかり考えている。
突然秋になった。突然、次の誕生日が見えてきた。イスのことは、誕生日に歳と相談して決断するとしよう。
イスにすわって演奏する者にとって、イスはたいへん重要だ。楽器の一部だと言ってもいい。ワタシも揚琴を演奏するときはイスにすわって弾くので、イスにはずいぶんこだわってきた。
まず、高さ。高さが合わないと、手元が微妙に狂い、思わぬミスにつながる。そしてあちこちに無駄な力が入って疲れる。
次に、安定していること。倒れたら困るからだ。それにきしんだりたわんだりすると、やはり手元が狂う。
また、座り心地も大切だ。これは、長時間の練習やリハーサルのときの疲労度に影響する。
と言うと、「神経質な野郎だ」とずいぶん言われた。はいはい、さようでございまする。
以上の条件を満たすイスは、ピアノ用のイスだった。が、いちばん低くしてもまだ高いと感じた頃、思いあまってウチのピアノ椅子の四本の足を1.5cmずつ切ってしまった。
そんなわけで、ワタシもグールドばりにいつもマイ・チェアーを演奏会場に持ち込んでいた。ただし、変人といわれたことはない。・・・と思う。
ここまでしたのに(イスの足を切っただけだと言えばそうなのだが、かなり勇気がいった)イスの高さの好みは、年々変化していった。ある時期は低めが好きだったが、少しずつ高くなり、数年すると5cmほども高くなってしまい、今はまた低めにもどっている。イスの高さは、自分の演奏のクライマックスのときの弾きやすさと音の聴きやすさに合わせていた。
が、その後、自分がいちばん安定して長時間弾ける高さに合わせるようになった。ある夜のコンサートで思ったのだ。
「そうか、低いと感じれば、立ち上がればいいじゃないか」
その夜は、ある曲が即興的に盛り上がっていったとき、しらずしらず立ち上がってしまっていて、大いに成功したのだった。終わってから、スタッフのひとりに「あれは演出ですか」と言われた。はいはい、さようでございまする。
足を切ったピアノ椅子は、その後ぎいぎいときしむ音を出すようになり、使えなくなった。ピアノ椅子は重くてこりてきていたので、それからはいろんなイスを試してみた。が、なかなかこれというイスに出会えなかった。そんなわけで、ウチにはイスがあふれている。
今使っているイスは、古道具屋で¥1,000で買った木製の折りたたみイスだ。たくさんの古道具に囲まれて、一脚の安物のイスに何度も何度もすわったり立ったりし、やおら両方の腕をばたばたとさせ(バチを振る仕草)、ときにはイスをじっと見つめて考え込む姿は、さぞ異様に映ったことだろう。
千円イスは、高さはちょうど良く、幅広でゆったりしていて、それに軽くてしっかりしているのでずっと重宝していた。が、とうとうぎいぎいときしむようになってしまった。寿命のようだ。
で、これを機会にずっと立って弾こうかと、ちらりと考えもしたが、やめにした。だって立って弾くとなれば、今度はスタンドを高くしなければならないので、スタンド製作を特注しなければいかん上、高さが決まるまでまたもや試行錯誤の日々を送らねばならないじゃないか。だいいち、ずっと立っているのはしんどいっ。
でも、イスがいらなくなれば荷物が減るな。
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管理人について
HN:
巴だ リョウヘイ
性別:
非公開
職業:
揚琴・笛演奏屋 オカリナのセンセイ
趣味:
ほしい。
自己紹介:
演奏活動範囲/全国の都心から山間地まで。
演奏場所/ホールからお座敷まで。オカリナは野外歓迎。
演奏目的/オープニングセレモニーから追悼演奏まで。
演奏形態/独奏から異業種間共演まで。
所属事務所/Magnolia Music(自分的オフィス)
コンタクト方法/上記のホームページ(HP)の「FAQ & Form」のページからどうぞ。
特 技/晴れ男であること。
オカリナ倶楽部 “夢見るガチョウ” 主宰。
2018年、京都府下農村から大阪府下住宅街に移住。
今も雨乞い師見習い。
今も自然農見習い。
ノアのおとうちゃん。
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演奏形態/独奏から異業種間共演まで。
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