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揚琴、オカリナ & インディアンフルート奏者がつづるいろいろばなし。
音楽、田舎暮らし、自然・環境、時事、ほかいろいろ。
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#309 素肌的オカリナ

 久しぶりに、新しいオカリナを買った。倉敷市の陶器とオカリナの専門店から取り寄せた。といっても、演奏用ではない。レッスン用なのだ。とてもやわらかい音色と吹きやすさによって、ワタシの生徒さんの間で急激に人気が高まっているこのオカリナ。ある個人工房の製品だ。生徒さんたちの中で使う人が半数近くにもなったもので、運指のコツや息使いを指導するに当たってセンセイも持っていた方がよかろうと思い、あわてて購入したのだ。

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 Kオカリナは、シックな花柄のキルト地の手作り風の袋にくるまれてやってきた。要所以外には塗装らしい塗装は施されておらず、たいへんきめ細かい肌色の土の色がそのまま表に出ている。「ヌードって感じ」と言ったご婦人がいた。持った感触は「癒される」だそうだ。
 なんだか生まれたての赤ん坊のようでもある。シャープさや現代的感覚を強調した外見のオカリナが大勢を占める中で、のっぺりとした、若い女性のむき出しの二の腕のような風合いは、かえって新鮮だ。目立たないところに、小さく製作者名の刻印が押されている。

 女性がオカリナを選ぶ場合、息使いが楽であるかどうかは大きなポイントとなっている。そして、多くの女性はやわらかい音色を好む。このKオカリナは、これらの要素を兼ね備えている。

 もちろん、楽器としての完成度も要求される。ピッチの正確さ、高音の出しやすさ、操作性などだ。これらの点も、Kオカリナはほぼ申し分ない。
 さらに、合奏で聴いてみて感じたのだが、音色が非常に溶け合いやすい。

 このKオカリナ、なんだかいいことづくめのようだが、欠点もあるにはある。
 ひとつには、低音部と高音部のそれぞれに要する息の量の差が大きいことだ。オカリナは低音部ほど息をソフトにして吹かなければピッチが上がってしまう。オカリナ演奏の難しさであるこの点をいかに克服するかが製作者の腕のみせどころのひとつでもあるのだが、この点にやや不満が残る。と言っても、それは許容範囲に納まっていると思う。
 Pという工房とY社のオカリナは、この点がたいへん優れている。

 もう一点は、中指の穴とその奥の小穴との距離が長いことだ。小穴を押さえるには、中指をかなり奥まで伸ばす必要がある。が、これも比較的距離が長い部類に属するという程度だ。

 製作者のKさんがどんな人なのかを想像してみた。
 やわらかい音色と決して大きくない音量からは、繊細で女性的な人柄を感じる。
 歌口、吹き口、指穴などの重要セクションの仕上がり具合からは、几帳面さが伺える。
 素肌のような仕上げには、ナチュラル志向が見受けられる。
 右半分がややひしゃげたような独特のフォルムには、少々の偏屈さも顔をのぞかせている。
 個体によるピッチと音色の差が小さいことには、仕事への徹底したこだわりと、職人としての良心が表れている。そして、音を聞き分ける耳は、当然だがかなり良いと見た。
 右の小穴の位置がやや奥にあることから、指がやや太長い、つまり、意外に立派な体格の方ではないかと思われる。
 結論。やや大柄で、それでいて繊細な神経の持ち主で、生活全般にナチュラル志向で、職人気質という個人的思いと使う人に対する心配りの両方を持ち合わせている方だと想像したが、いかに。

 ぜんぜんちがっていたら、それはそれで楽しいじゃないかっ。

 おしまい。 
08.09.06 記 

 追 記

 Kオカリナのもうひとつの問題点は、指穴の縁の削り落とし方がやや深いことだ。N社のオカリナではもっと深く削られているが、これは指穴を押さえやすくするための細工で、実際押さえやすさという面では効果がある。が、削り方が深すぎると指がすべりやすく、また浮きやすく、したがって指が指穴からはずれやすいという面も持つこととなる。指が指穴からはずれやすいということは、どうしてもオカリナを強く握りしめてしまうことにつながるので、注意が必要になる。が、この点はポジティブに受け止めて、このようなオカリナは無駄な力を極力抜いて練習・演奏するのにうってつけなので、いい結果につながると考えたい。

08.09.18 記 

Kオカリナ。SF管とAC管。
木村オカリナ二個
木村オカリナAC


#309-245 08.09.06/09.07
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管理人について

HN:
巴だ リョウヘイ
性別:
非公開
職業:
揚琴・笛演奏屋 オカリナのセンセイ
趣味:
ほしい。
自己紹介:
 
演奏活動範囲/全国の都心から山間地まで。
演奏場所/ホールからお座敷まで。オカリナは野外歓迎。
演奏目的/オープニングセレモニーから追悼演奏まで。
演奏形態/独奏から異業種間共演まで。
所属事務所/Magnolia Music(自分的オフィス)

コンタクト方法/上記のホームページ(HP)の「FAQ & Form」のページからどうぞ。

特 技/晴れ男であること。

オカリナ倶楽部 “夢見るガチョウ” 主宰。

2018年、京都府下農村から大阪府下住宅街に移住。
今も雨乞い師見習い。
今も自然農見習い。
ノアのおとうちゃん。
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