揚琴、オカリナ & インディアンフルート奏者がつづるいろいろばなし。
音楽、田舎暮らし、自然・環境、時事、ほかいろいろ。
どうぞ、ごゆっくり。
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#587 澄ます人
動態視力というものがあるのだから、変態視力というのもあるにちがいない。どんな視力だろう。物事の実態がこの世離れした姿に変容して見える視力だらふか。人はみんな神様に見え、生き物はみんな仏様に見える。木々は輝き、海は無限大のオーラを発している。この世がこんな素晴らしい世界に見える視力ならぜひ磨きたい。それとも、ただの出歯亀的視力のことだらふか。
動態視力というものがあるのだから、変態視力というのもあるにちがいない。どんな視力だろう。物事の実態がこの世離れした姿に変容して見える視力だらふか。人はみんな神様に見え、生き物はみんな仏様に見える。木々は輝き、海は無限大のオーラを発している。この世がこんな素晴らしい世界に見える視力ならぜひ磨きたい。それとも、ただの出歯亀的視力のことだらふか。
動態視力ならぬ「動態聴力」の話題は奥が深い。どれくらい深いかと言えば、ここでこうして三便もつづけて書くくらい深いのだ。あと何回つづくのだらふ。たぶんこれでおしまいだらふ。
前便で、集中力を高めることで音の素早い、あるいは微妙な変化を聴き取る能力が増すと書いた。また、聴力は視力よりも数倍反応時間が短いことにもふれた。こうした聴力の特性は、我々の危険探知能力として役立っていることは疑いを入れない。
それはさて隠岐の島、音楽における動態聴力は、あくまで音楽という法則の中での音の移動・変化を聴き取る力だ。で、音楽の法則にはいろんな側面がある。音階、リズム、ハーモニーといったもののほかにも、くり返しの法則や有機的結合の法則もある。こうした法則を知っていれば、あまりに速い変化をカンペキに聴き取れなくても、法則に照らして推測できることは多い。前便のテーマだった耳コピーだが、実際にはすべての音を一義的に聴き取るのではなく、聴き取りにくい音を推測ないし予測して、その上でよく聴いて確認するという手法を併用する。聴き取りにくい音を、その場面の和音や前後の音から推測するわけだ。こうすることで、耳コピーはぐっとはかどる。
むろん、和音の知識や和音を聴き取る力、また旋律の流れ方の法則性の知識が必要ではある。和音を聴き取る力は、これはこれで磨かなければ身に付かない。
大事なことは、これらの聴き取り能力は使わないと衰えるということだ。ワタシのバアイだが、揚琴を独自の調律で演奏するという世界にのめりこんでからは、それまで親しんできた西洋音楽のハーモニー感覚からすっかり距離を置いてしまった。その結果、数年後には早くも和音の聴き取り能力が減退してきたのだ。
曲の各場面の和音が何であるかを聴き取るには、第一倍音同士の音程関係を聴き取る。この力は衰えてしまったワタシだが、代わりに揚琴によって高次の倍音に対する聴力が磨かれた。揚琴上の低音部であれば、第11倍音くらいまで聴き取れるようになった。調律の際は、第9倍音までで十分すぎるほどだ。
磨かないと衰える能力がある一方で、磨けば向上する能力もあることは明らかだ。倍音をどこまで聴き取れるかは人それぞれだと思うが、倍音を聴き取る力も、ある種の集中力を高め、知識を身に付けることで向上する。「ある種の集中力を高め」とは、要するに耳を澄ますということなのだが。ワタシは毎日、耳を澄ます力を維持するために、お仏壇で「ちーん」とやった音が完全に消えるまで聴きつづけ、また味噌汁ではなく澄まし汁をいただくことにしている。
この話題、やっぱりまだつづきそうでそれはよかった。
前便で、集中力を高めることで音の素早い、あるいは微妙な変化を聴き取る能力が増すと書いた。また、聴力は視力よりも数倍反応時間が短いことにもふれた。こうした聴力の特性は、我々の危険探知能力として役立っていることは疑いを入れない。
それはさて隠岐の島、音楽における動態聴力は、あくまで音楽という法則の中での音の移動・変化を聴き取る力だ。で、音楽の法則にはいろんな側面がある。音階、リズム、ハーモニーといったもののほかにも、くり返しの法則や有機的結合の法則もある。こうした法則を知っていれば、あまりに速い変化をカンペキに聴き取れなくても、法則に照らして推測できることは多い。前便のテーマだった耳コピーだが、実際にはすべての音を一義的に聴き取るのではなく、聴き取りにくい音を推測ないし予測して、その上でよく聴いて確認するという手法を併用する。聴き取りにくい音を、その場面の和音や前後の音から推測するわけだ。こうすることで、耳コピーはぐっとはかどる。
むろん、和音の知識や和音を聴き取る力、また旋律の流れ方の法則性の知識が必要ではある。和音を聴き取る力は、これはこれで磨かなければ身に付かない。
大事なことは、これらの聴き取り能力は使わないと衰えるということだ。ワタシのバアイだが、揚琴を独自の調律で演奏するという世界にのめりこんでからは、それまで親しんできた西洋音楽のハーモニー感覚からすっかり距離を置いてしまった。その結果、数年後には早くも和音の聴き取り能力が減退してきたのだ。
曲の各場面の和音が何であるかを聴き取るには、第一倍音同士の音程関係を聴き取る。この力は衰えてしまったワタシだが、代わりに揚琴によって高次の倍音に対する聴力が磨かれた。揚琴上の低音部であれば、第11倍音くらいまで聴き取れるようになった。調律の際は、第9倍音までで十分すぎるほどだ。
磨かないと衰える能力がある一方で、磨けば向上する能力もあることは明らかだ。倍音をどこまで聴き取れるかは人それぞれだと思うが、倍音を聴き取る力も、ある種の集中力を高め、知識を身に付けることで向上する。「ある種の集中力を高め」とは、要するに耳を澄ますということなのだが。ワタシは毎日、耳を澄ます力を維持するために、お仏壇で「ちーん」とやった音が完全に消えるまで聴きつづけ、また味噌汁ではなく澄まし汁をいただくことにしている。
この話題、やっぱりまだつづきそうでそれはよかった。
おしまい。
10.03.16 記
10.03.16 記
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管理人について
HN:
巴だ リョウヘイ
性別:
非公開
職業:
揚琴・笛演奏屋 オカリナのセンセイ
趣味:
ほしい。
自己紹介:
演奏活動範囲/全国の都心から山間地まで。
演奏場所/ホールからお座敷まで。オカリナは野外歓迎。
演奏目的/オープニングセレモニーから追悼演奏まで。
演奏形態/独奏から異業種間共演まで。
所属事務所/Magnolia Music(自分的オフィス)
コンタクト方法/上記のホームページ(HP)の「FAQ & Form」のページからどうぞ。
特 技/晴れ男であること。
オカリナ倶楽部 “夢見るガチョウ” 主宰。
2018年、京都府下農村から大阪府下住宅街に移住。
今も雨乞い師見習い。
今も自然農見習い。
ノアのおとうちゃん。
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