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揚琴、オカリナ & インディアンフルート奏者がつづるいろいろばなし。
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#586 耳コピー

 前便で、いきなり「動態聴力」などという聞き慣れない言葉を持ち出してしまい、しかもなぜそのような話題を取り上げる気になったのかという理由が示されることもなかった。その後思い出したのだが、「動態聴力はその気になれば高められる」と思い至ったことが、この話題を取り上げた理由だった。理由なき反抗でなくてそれはよかった。

 自分のオカリナ演奏を録音する作業をしているとき、あらかじめ用意された伴奏やリズムガイドに合わせてオカリナを吹くことが多い。その際いちばん苦心するのは、縦の線をそろえることだ。作業は、0コンマ1秒以下のこだわりの世界となってくる。

 0コンマ1秒以下などという短い時間のちがいなどが聴き取れるのかという疑問には、それは想像するよりたやすいことだと答えたい。
 普及型のハードディスクレコーダーは、録音した音を1秒の数百分の1単位で前後に移動させることができる。ワタシのものは300分の1で移動が可能だ。で、録った音を伴奏に対して300分の1秒だけ遅らせて再生してみる。と、どうだ。明らかにタイミングがずれていることがわかる。
 ということは、実際の演奏でも、音の出のタイミングがごく微妙に遅れたり速まったりしている場合は、聴いている人にはっきりとわかるということだ。

 300分の1秒のずれというものは、視覚でとらえることは不可能だ。聴覚だからこそできる。そして、音の出のタイミングを聴き分ける能力は、ワタシが言う動態聴力なのだ。
 音の出のタイミングが合ってないことはわかっても、ごく微妙なずれの場合、それが遅れているのか速すぎるのかを聴き分けなければ対応できない。一度聴いただけではわからないこともある。で、何度も何度も聴く。すると、次第に聴こえてくる。

「次第に聴こえてくる」ということは、聴き取る能力が「その場で」次第に高まってくるということだ。ということは、その人の聴き取る能力そのものも高めることができるはずだ。ということで、ワタシは動態聴力を高めることは可能だと考える。

 これは別に新しい学説でもなんでもない。話の要点は「慣れる」ということにすぎない。たいへんなスピードと密度で流れていく音に、慣れることで聴き取り、聴き分けることができるようになっていく。これは、自分の経験から事実だと申し上げたい。
 少年時代、好きなロックギタリストのプレイをカセットに録音し、何度も何度も聴いてコピーする、つまり聴き取って真似をすることは、すべてのギター少年にとってもっとも重要なエクササイズだった。カセットテープが伸びてダメになるまでくり返し聴く。その成果を仲間とつき合わせて、どちらが正しいか、どちらが本物に近い演奏をできるかを競い合う。このようにしてロック少年たちは成長していった。いかに楽譜を正確に弾くかというクラシックの世界とは大ちがいだ。

 このコピーというエクササイズに取り組む際、もっとも重要な要素は聴力だけではなく、集中力と根気だった。まず1小節を聴き、その中の聴き取れない音をしぼりこんでいって、最後にはたった16分の1拍の音を何十回も聴いて聴き取ろうとする。集中と根気というより、ほとんど執念だったように思う。が、この作業を何年間もつづけることによって、確実に動態聴力が高まったのは事実だ。いや、正確に言うならば、「動く音」に対する集中力が高まったのだ。
 前便で「聴力、特に動態聴力とは、単に耳の性能であるだけではなく、ある種の集中力も関係する能力であることが想像できる」と書いた。このことは、このような膨大な「耳コピー」の経験からも実感している次第だ。

 ・・・あれっ? 今気がついた。きょうはブログ投稿の日だったのかっ。ほぼ一日遅れですみません・・・と、誰にともなく詫びる。

 おしまい。 
10.03.14 記 
「香り」を撮りたかったが・・・
梅

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巴だ リョウヘイ
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自己紹介:
 
演奏活動歴/揚琴、27年。オカリナ、16年。
活動範囲/全国の都心から山間地まで。
演奏場所/ホールからお座敷まで。オカリナは野外歓迎。
演奏目的/オープニングセレモニーから追悼演奏まで。
演奏形態/独奏から異業種間共演まで。
所属事務所/Magnolia Music(自分的オフィス)

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特 技/晴れ男であること。

オカリナ倶楽部 “夢見るガチョウ” 主宰。

京都府下農村在住。
雨乞い師見習い。
自然農見習い。
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