揚琴、オカリナ & インディアンフルート奏者がつづるいろいろばなし。
音楽、田舎暮らし、自然・環境、時事、ほかいろいろ。
どうぞ、ごゆっくり。
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#409 ふるさとを食べる
前々便で、小学校の同窓会名簿が送られてきたことをきっかけにふるさとについて考えたことを書いた。奇しくもその二日後、ワタシは偶然ふるさとを訪れることになった。金閣寺に連れて行った外国からのお客人が、翌日は京都のダウンタウンとマーケットへ行きたいと言うもので、錦市場へ散策に行き、その足で同窓生が家を継いでやっている山○家といううどん屋へ立ち寄ったのだ。
前々便で、小学校の同窓会名簿が送られてきたことをきっかけにふるさとについて考えたことを書いた。奇しくもその二日後、ワタシは偶然ふるさとを訪れることになった。金閣寺に連れて行った外国からのお客人が、翌日は京都のダウンタウンとマーケットへ行きたいと言うもので、錦市場へ散策に行き、その足で同窓生が家を継いでやっている山○家といううどん屋へ立ち寄ったのだ。
ワタシが幼年時代を過ごした家は、錦市場からわずか2ブロックはなれたところだった。だから、よく母や祖母の買い物に着いていったものだ。そして、山○家はワタシの家から1ブロック、歩いて1分のところにある。母が家で仕事をしていたもので、週に一度は出前を頼んでいたように思う。そんなわけで、ワタシは錦市場と山○家の食べ物で育ったと言っていい。
ふるさとを作っている諸々の要素には、自然、町並み、学校などのほかに、食べ物という大きな要素がある。ワタシのふるさとは街なかだったから、そこで採れたものを食べることはできなかったが、そこで売られる食材や作られた料理は、ワタシの血となり肉となっている。だから、ふるさとを構成する他の要素がややノスタルジーの向こう側に位置するものであるのに対して、ふるさとの食べ物というものは、そこで今も暮らす人々とともに、たいへんリアリティーのある要素だと言える。この日山○家で食べた昔と少しも変わらない焼きそばは、遠い国からやってきたお客人とともに食べたからだろうか、ワタシにそんな思いを抱かせた。
このふるさとツアーに同道した外国からのお客人は、チェコの人で、プラハに家があり、ワタシたちの新しい家族となった人だ。で、このたびの来日がワタシとウチのよく知ったご婦人との対面の儀だった。彼は隣国のスイスとアメリカ西海岸とを仕事でしょっちゅう往き来している。ワタシと同い年の彼曰く、
「チェコはあまり好きじゃない。ぼくは海が見えて椰子の木が生えているところが好きなんだ」
内陸国であるチェコ人の彼だが、カリフォルニアの方がずっと好きで、できればずっと住みたいと言う。
昨年おとうさんを亡くした彼は、今でもおとうさんの話になると涙ぐむ心やさしき人だ。だから、彼がチェコをさほど好きではないにしろ、プラハをふるさとだと感じていることはまちがいないと思う。それでいて彼は、ふるさとから離れた地に新たな自分のふるさとを作ろうとしているようにも見える。彼のこの一見相反する思いは、ふるさとの町並みが抱かせるノスタルジックな心境と、ふるさとの食べ物が自分の身体を作ってきたというリアルな事実の両方を確認できた今のワタシには、とてもよく理解できる。
つまり、ふるさととは今の自分と精神的にも肉体的にも確かにつながっているものであり、そのつながりは自分が在る限る続くものであり、それゆえに、自分のふるさと像をたずさえて現実の未来のために新たなふるさとを作ることもできるのだ。
山○家には、今もときどき鳥なんばや焼きそばなどを食べに行くが、おばさんは今でもワタシを「リョウヘイちゃん」と呼んでくれる。おまけに、ワタシは同級生とおとうさんが作るうどんやそばを相変わらず食べている。だから山○家は、生家がなくなり両親も亡くしたワタシにとって「生きたふるさと」なのだと実感する。そんなわけで、新しい家族に山○家の焼きそばをごちそうできて(ほんとは日本一の出汁のうどんを食べてほしかったが、hot noodle は苦手だとのことで)ワタシは言葉と行動だけではできない自己紹介ができたように思った。
で、一週間後には彼とともにチェコに「帰る」義妹を見ていると、女の人にとってはやはり家族がふるさとなのだという思いが深まったとさ。
充実したが歩き疲れたなー、的気分。
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管理人について
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巴だ リョウヘイ
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非公開
職業:
揚琴・笛演奏屋 オカリナのセンセイ
趣味:
ほしい。
自己紹介:
演奏活動範囲/全国の都心から山間地まで。
演奏場所/ホールからお座敷まで。オカリナは野外歓迎。
演奏目的/オープニングセレモニーから追悼演奏まで。
演奏形態/独奏から異業種間共演まで。
所属事務所/Magnolia Music(自分的オフィス)
コンタクト方法/上記のホームページ(HP)の「FAQ & Form」のページからどうぞ。
特 技/晴れ男であること。
オカリナ倶楽部 “夢見るガチョウ” 主宰。
2018年、京都府下農村から大阪府下住宅街に移住。
今も雨乞い師見習い。
今も自然農見習い。
ノアのおとうちゃん。
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