#640 波 紋

#640　波　紋

　今朝になって｢テレビを見たぞ」と何人もに言われたのは、ウチのよく知ったご婦人。朝から町内会のご婦人方による公民館のお掃除に出かけたからだった。「見たよ」「見たわさ」「見たとも」そうですか。で、どうだったのかは誰もなんとも言わない不思議。唯一「なんでもするんだね〜」と述べたおばあさんあり。きのうから放映開始とは知らなかった我々。噛み合わないのも無理はないのか。

　なんの番組の話だってか。こんなに有名な話題を知らないあなたは、当町の住民たる資格はない・・・って、当町の住民は、多分一人もこのブログを読んでないんだっけ。

　地元ケーブルTV局がマイ田んぼを取材にやってきて半月。その模様が７月３日から放映となった。番組数の少ないこの局では、一週間つづけて同じ番組を流し続ける。だから、放映開始日に見損なったってあわてなくともよい。一週間続けるだけではない。同じ番組を一日に何度も流す。ますますあわてなくともよい。が、今夜、こわいもの見たさで見てみた。

　番組名は「エコライフ」。ウチのほかに二組のエコな人々が登場した。

　始めは循環農法でタマゴを作っている農家。飼料米という、ニワトリのエサにするためのお米を作り、ニワトリを育て、タマゴを採り、鶏糞を田んぼに入れるがゆえに循環というわけだ。今回は、なぜかトラクターで田んぼを耕し、田植機で田植えをするところだけが映し出された。
「あとは、除草剤を撒くだけですな」とは、その農家のおじさんの言。
　確かに、循環農法の看板に偽りはない。そして、除草剤もまた、稲〜ニワトリ〜鶏糞〜稲、というように循環し、一部はタマゴから人間にまで浸透する。

　次にマイ田んぼが紹介された。「究極のエコな田んぼをしておられる巴ださんでーす」
　これを収録した頃は、苗代の苗はまだ青々として元気だった。アップで映し出された手作りの苗代は、なかなか迫力があった。不耕起田んぼのあらましについての説明も（「不耕起『農法』」とテロップが出てしまったが）、環境と土と生き物の関係についての話も、なぜ草を引かないかの話も、ほぼ放映された。１時間ほどかかった取材を，約１０分間にうまくまとめていただいたという印象だ。

　ひとつ不満だったのは、マイ田んぼは家庭菜園の延長の「家庭田園」なんだと、ワタシが念を押したシーンがカットされていたことだ。つまり、ワタシは「農業」をやっているのではないと言いたいのだ。が、循環農法の農家の次に流されたから、よけいに「自然農法の農家」みたく受け取ってしまう人がいるんじゃなかろうかと心配している。

　最後に「巴ださんは、十分な勉強をしてやっておられます。不用意に同じことをすると病害虫が発生する恐れがありますのでご注意ください」的なコメントが流れた。なんだか、よくある「危険ですから決してマネをしないでください」みたいだな。

　所用でウチを訪れたのは、田んぼをしている男性。ウチのご婦人に「テレビ、見たよ」とだけ言うと、玄関先に顔を出したワタシには目もくれずに、なんだかぶ然として帰って行った。
　いよいよ始まったという感じだ。
「当町の住民は、多分一人もこのブログを読んでないんだっけ」と書いたが、きょうからはわからんな。

　おしまい。　
10.07.04 記　

大きなカミキリムシ。なぜか毎年現われる。

2010/07/05 (Mon) 自然農 COMMENT(0)