揚琴、オカリナ & インディアンフルート奏者がつづるいろいろばなし。
音楽、田舎暮らし、自然・環境、時事、ほかいろいろ。
どうぞ、ごゆっくり。
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#635 極 楽
初めて「むげんじごく」と聞いたとき、「無限地獄」だと思った。ところがそれは「無間地獄」だった。無間地獄は八大地獄の最下層にあり、例えようもなく広く深いゆえに「無間」と呼ばれるそうだ。亡者は永遠に想像を絶する苛烈な責め苦に遭うと言う。人はよく「地獄のようだ」などと言う。草引きをしていても、つい「地獄じゃ〜」とつぶやきたくなることもあったり。
初めて「むげんじごく」と聞いたとき、「無限地獄」だと思った。ところがそれは「無間地獄」だった。無間地獄は八大地獄の最下層にあり、例えようもなく広く深いゆえに「無間」と呼ばれるそうだ。亡者は永遠に想像を絶する苛烈な責め苦に遭うと言う。人はよく「地獄のようだ」などと言う。草引きをしていても、つい「地獄じゃ〜」とつぶやきたくなることもあったり。
三年前、お寺で聞いたこんな法話について書いた。ちょっと長いが引用する。
『目蓮尊者(モッガーラナ。釈迦の十大弟子のひとりで「神通第一」とされる)が、神通力を使って地獄の様子を見に行った。地獄ではちょうど食事どきで、ごちそうが山のように並べられた長いテーブルの前に、地獄の亡者たちが向かい合って座っていた。
地獄の食事の摂り方にはきまりがあった。長さ三尺余りの長いお箸を使って食べることしか許されなかったのだ。そのため、亡者たちはせっかくつまんだごちそうをどうしても自分の口に入れることができず、三度の食事のたびに苦しみ、餓えるばかりであった』
二ヶ月前、マイ田んぼは、スズメノテッポウとイグサで埋め尽くされていた。それらをようやく取り去ったと思ったら、そこに無数のイヌビエが伸びてきた。イヌビエを抜いて回った跡に、今はコナギがすごい勢いで広がってきている。で、稲の苗はまだ植えられていない。草をすっかり抜いてしまわないと、小さな稲の苗の多くは草に負けてしまうに違いないからだ。まったく、次から次へと、永遠に続くかと思われる草引き作業。これではいったいいつになれば田植えが始まり、何年先にお米が口に入るのやら。
てことで、これぞまさしく「無間草引き地獄じゃ〜」
が、ワタシは草をすべて抜き去ろうとするのは誤りであると気づいた。草を残すことで、虫やクモやオタマジャクシやカエルやヘビやタニシや鳥が暮らしやすくなる。土中環境も保たれるのでイトミミズや微生物もふえる。それらによって土は肥え、自然淘汰によって強い稲が育ち、良いお米が穫れる。この不耕起栽培・自然的農法の基本を、ついつい見失っていた。
すべての苗を大きく育てようなどと欲張らず、まず土を作ることを、その前に環境を作ることを考えるべきなのだ。その結果、滋養栄養豊富な、そしてたぶん、よりおいしいお米が穫れることになる。また、作業によって土が受けるダメージは最小限で済み、来年はより多くの生き物が育まれる。
つまり、草や他の生き物を生かすことで、自分も生かされるということだ。
こう望むことは別に「欲」ではない。これが自然の有り様であって、人はその中に心空しくして身を置き、ただ恵みの一部をありがたくいただく、そして田んぼに還すべきものは還すという、それだけのことだ。
実は、さっきの法話にはつづきがあった。
『目蓮尊者は、今度は極楽の様子を見に行った。極楽でもちょうど食事どきだった。地獄と同じように、ごちそうが山のように並べられた長いテーブルの前に、極楽の住人たちが向かい合って座っていた。
極楽の食事の摂り方にも、地獄とまったく同じきまりがあった。
ところが、極楽の人々はみんなおいしそうにごちそうを食べ、とても幸せそうだった。
極楽の人々は、三尺余りの長いお箸でごちそうをつまむと、それを向かいに座っている人の口へ持っていき、互いに食べさせあっていたのであった』
にしても、今年のマイ田んぼ、去年より広げるつもりが一向に草引きがはかどらず、ちっとも広がらないではないか・・・って、わしのせいやんか。ついつい欲張ってしまったとき、マイ田んぼは極楽=パラダイスからはほど遠いところにあるとさ。
『目蓮尊者(モッガーラナ。釈迦の十大弟子のひとりで「神通第一」とされる)が、神通力を使って地獄の様子を見に行った。地獄ではちょうど食事どきで、ごちそうが山のように並べられた長いテーブルの前に、地獄の亡者たちが向かい合って座っていた。
地獄の食事の摂り方にはきまりがあった。長さ三尺余りの長いお箸を使って食べることしか許されなかったのだ。そのため、亡者たちはせっかくつまんだごちそうをどうしても自分の口に入れることができず、三度の食事のたびに苦しみ、餓えるばかりであった』
二ヶ月前、マイ田んぼは、スズメノテッポウとイグサで埋め尽くされていた。それらをようやく取り去ったと思ったら、そこに無数のイヌビエが伸びてきた。イヌビエを抜いて回った跡に、今はコナギがすごい勢いで広がってきている。で、稲の苗はまだ植えられていない。草をすっかり抜いてしまわないと、小さな稲の苗の多くは草に負けてしまうに違いないからだ。まったく、次から次へと、永遠に続くかと思われる草引き作業。これではいったいいつになれば田植えが始まり、何年先にお米が口に入るのやら。
てことで、これぞまさしく「無間草引き地獄じゃ〜」
が、ワタシは草をすべて抜き去ろうとするのは誤りであると気づいた。草を残すことで、虫やクモやオタマジャクシやカエルやヘビやタニシや鳥が暮らしやすくなる。土中環境も保たれるのでイトミミズや微生物もふえる。それらによって土は肥え、自然淘汰によって強い稲が育ち、良いお米が穫れる。この不耕起栽培・自然的農法の基本を、ついつい見失っていた。
すべての苗を大きく育てようなどと欲張らず、まず土を作ることを、その前に環境を作ることを考えるべきなのだ。その結果、滋養栄養豊富な、そしてたぶん、よりおいしいお米が穫れることになる。また、作業によって土が受けるダメージは最小限で済み、来年はより多くの生き物が育まれる。
つまり、草や他の生き物を生かすことで、自分も生かされるということだ。
こう望むことは別に「欲」ではない。これが自然の有り様であって、人はその中に心空しくして身を置き、ただ恵みの一部をありがたくいただく、そして田んぼに還すべきものは還すという、それだけのことだ。
実は、さっきの法話にはつづきがあった。
『目蓮尊者は、今度は極楽の様子を見に行った。極楽でもちょうど食事どきだった。地獄と同じように、ごちそうが山のように並べられた長いテーブルの前に、極楽の住人たちが向かい合って座っていた。
極楽の食事の摂り方にも、地獄とまったく同じきまりがあった。
ところが、極楽の人々はみんなおいしそうにごちそうを食べ、とても幸せそうだった。
極楽の人々は、三尺余りの長いお箸でごちそうをつまむと、それを向かいに座っている人の口へ持っていき、互いに食べさせあっていたのであった』
にしても、今年のマイ田んぼ、去年より広げるつもりが一向に草引きがはかどらず、ちっとも広がらないではないか・・・って、わしのせいやんか。ついつい欲張ってしまったとき、マイ田んぼは極楽=パラダイスからはほど遠いところにあるとさ。
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管理人について
HN:
巴だ リョウヘイ
性別:
非公開
職業:
揚琴・笛演奏屋 オカリナのセンセイ
趣味:
ほしい。
自己紹介:
演奏活動範囲/全国の都心から山間地まで。
演奏場所/ホールからお座敷まで。オカリナは野外歓迎。
演奏目的/オープニングセレモニーから追悼演奏まで。
演奏形態/独奏から異業種間共演まで。
所属事務所/Magnolia Music(自分的オフィス)
コンタクト方法/上記のホームページ(HP)の「FAQ & Form」のページからどうぞ。
特 技/晴れ男であること。
オカリナ倶楽部 “夢見るガチョウ” 主宰。
2018年、京都府下農村から大阪府下住宅街に移住。
今も雨乞い師見習い。
今も自然農見習い。
ノアのおとうちゃん。
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