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揚琴、オカリナ & インディアンフルート奏者がつづるいろいろばなし。
音楽、田舎暮らし、自然・環境、時事、ほかいろいろ。
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#639 手植え

 #631で書いた地元ケーブルTVの取材。きのうはその第二回目だった。いよいよ田植えのシーンの撮りだ。が、一週間前のこと、マイ苗代の苗が一斉に黄色くなってしまった。大雨続きによる急激な低温と低水温のためだ。低温は仕方がないが、低水温はワタシのせいだった。マイ田んぼまでごうごうと流れ来る山の水を、うっかりせき止めずにかけ流し状態にしてしまっていたのだ。

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 陽が当たらない上に冷たい山の水を三日三晩かけ流しにされた苗は、あっという間に弱ってしまった。本当にあっという間に、黄色く変わり果ててしまった。

 ようやく草引きを終え、田植え用地を確保したばかりだというのに。ワタシは自らの油断を悔やんだ。が、ぼーっとしていては、苗はどんどん弱ってしまう。このままでは全滅だ。意を決して、弱ってはいても生き残った苗を水田に移植することにした。つまり、田植えをすることにした。

 ワタシは、昔ながらの6月半ばの田植えを目指し、苗代で苗を育てた。が、今年の天候は苗代には厳しかった。さらに、仕事がやたらと立て込んだ上に車やPCのトラブルが重なって、草引きは一向にはかどらず、田植えは夏至を過ぎても始められなかった。
 そしてとうとうマイ可愛い苗たちは、黄色くなってしまったのだった。

 ケーブルTV局に電話して事情を話すと、それでもいいから取材をさせてくれろとのことだった。
 取材陣が到着するまでに、苗代からクワで苗を掘り出して仕分けする作業だ。これがなかなか手間がかかる。しかも、見れば見るほど黄色くて弱った苗ばかりだ。ワタシは途方に暮れてしまい、クワを投げ出して、草茫茫の畝に座り込んでしまった。時間だけがどんどん過ぎてゆく。が、もうすぐ取材陣がやってくる。気力をふりしぼって苗を掘り出し始めた。

 今回のメインは、手植え体験をしてもらうことだ。若い女性に体験してもらうと聞いていたが、やってきたボランティアスタッフの女性は、インタビュアーを除くと妙齢のご婦人ばかりだ。そのうちお二人はお宅でお米を作っているとおっしゃる。
「よろしくお願いします」「いろいろ教えて下さい」教えてほしいのはこっちの方だよ。

 夕方の光を反射して輝くマイ田んぼで、ワタシが籾から作った苗で、みんなで田植えをした。耕していない田での田植えは、ベテランでも勝手が違うようだった。イモリの赤ちゃんを見つけてはしゃぐ人もいた。
 皆さんといっしょに田植えをしているとき、ワタシは少しずつ元気が出てくるのを感じた。何日もかけて苗代を作り、自分たちで育てた稲の籾を播き、一度は惚れ惚れするほど立派に育った苗が雄々しくマイ田んぼに立つ姿を、ようやく見ることができた。それは弱ってしまった苗ではあったが、ワタシにエネルギーを再注入するには十分な光景だった。

「除草剤を使ったら、草引きも楽でしょうに」
「拙者は除草剤なる物を見たことがござらぬ。先ほどノーキョーとやらでも食の安全のために除草剤の使用には制限を課して指導している旨申されたが、拙者にはまったく別の世界の話に聞こえまする。拙者はスーパーで売っている食品も食べれば、ここで穫れたお米だけではとうてい足りないので一般に流通せりお米も買い申す。つまり、ここで除草剤を使い申さんのは、ただ食の安全のためのみにあらず。除草剤である草を除けば別の草がはびこる。殺虫剤である虫を殺し尽くせばその虫を天敵としていた虫がふえる。このように農薬は、果てしなく生態系を破壊するがゆえに使い申さんのでござる。先日も申し上げた通り、まず拙者の胸にありしは、この地を様々な植物が育ち、様々な生き物が暮らす『ぱらだいす』にすることなのであり申す。ゆえに、ノーキョーと比べて云々とのご説には、へんたい違和感を持つところでござりますれば、これにて御免」
 田植え後のインタビューに答えて、演説、終わり。

 おしまい。 
10.07.01 記 
苗を掘り出す
苗掘り
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管理人について

HN:
巴だ リョウヘイ
性別:
非公開
職業:
揚琴・笛演奏屋 オカリナのセンセイ
趣味:
ほしい。
自己紹介:
 
演奏活動範囲/全国の都心から山間地まで。
演奏場所/ホールからお座敷まで。オカリナは野外歓迎。
演奏目的/オープニングセレモニーから追悼演奏まで。
演奏形態/独奏から異業種間共演まで。
所属事務所/Magnolia Music(自分的オフィス)

コンタクト方法/上記のホームページ(HP)の「FAQ & Form」のページからどうぞ。

特 技/晴れ男であること。

オカリナ倶楽部 “夢見るガチョウ” 主宰。

2018年、京都府下農村から大阪府下住宅街に移住。
今も雨乞い師見習い。
今も自然農見習い。
ノアのおとうちゃん。
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