#642 小 国

#642　小　国

　Wカップ準決勝、ウルグアイ対オランダ。この試合を見るために、またまた会議を欠席した。「チケットの『うれぐあい』がイマイチで・・・」「そうですか。がんばってください」楽勝だ。が、ウルグアイは２＿３でオランダに惜敗した。この試合、どちらも小さな国だ。なのにどうしてこんなに強いのであるか。で、ウルグアイという国に興味を持った。

　ウルグアイの人口は、たったの330万人だ。それでいて、Wカップではこれまで二度優勝している。いずれも２０世紀前半のこととはいえ、ただものではないという感じだ。人口330万といえば、横浜よりちょっと少ないくらいだ。考えてもみてよ。横浜市民だけで作ったサッカーのチームがW杯に出るだなんて、優勝するだなんて、あり得ますか。ウルグアイはすごい。

　こんなに小さな国がなぜあんなにサッカーが強いのか。
　ウルグアイはスペイン人が中心になって作った国だそうだ。で、南米ではチリについで政治も経済も安定していて、教育水準も高い国だったんだって。つまり、国民が近代的な意味で優秀だったってことだ。だから、サッカーに力を入れる国力もあり、指導体制も優れていたんだろう。
　にしても、二度も優勝したってのはすごい。やっぱり、ただ頭がいいだけじゃなくて、国民性がサッカーに向いてた面もあったんだろうな。

　一方のオランダもまた小さな国だ。人口は1,660万人とウルグアイの５倍だが、国土の面積は北海道の半分、ウルグアイの４分の１以下だ。しかも国土の１８％が水に浸かっている上に、海辺には海抜０メートル地帯が広がっている。ちょっとボールを蹴り損なったら、すぐに水の中だ。そうか、そんな環境で練習して鍛えてきたからサッカーが強いのか、って、ちょっとちがうか。

　オランダは、大航海時代には世界中に植民地を広げ、宗主国として君臨した。あの時代は、オランダやイギリスやポルトガルなど、小さな国が世界を動かしていた。あれっ、どれもサッカーが強い国だな。
　結局、国の力というものは、国土の広さや人口では決まらないものなんだろう。
　日本を破った腹具合、じゃなくてパラグアイも人口600万の小国だ。パラグアイもかつてはスペイン領で、安定した政治経済、高い教育水準など、ウルグアイと似ていたのは名前だけじゃなかった。おまけに、２０世紀に入ってからは軍事政権の支配下にあったことまで似ている。

　W杯南アフリカ大会でベスト４入りした国の人口と面積はというと・・・

　ウルグアイ／330万／176,220km²（88位）　オランダ／1,660万／41,526km²（131位）　ドイツ／8,170万／357,021km²（61位）　スペイン／4,600万／504,782km²（50位）
　ちなみに日本は、12,700万／377,914km²（60位）

　さあ、とうとう決勝だ。がんばれ、小国オランダ。

　おしまい。　
10.07.08 記　

あま〜い香り、クチナシ

2010/07/09 (Fri) 時　事 TRACKBACK() COMMENT(0)