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揚琴、オカリナ & インディアンフルート奏者がつづるいろいろばなし。
音楽、田舎暮らし、自然・環境、時事、ほかいろいろ。
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#631 究 極

 ここで少し書いたけれど、5月半ばに、地元ケーブルテレビからマイ田んぼを取材したいとの申し込みがあった。「エコ」をテーマにしている番組のネタを探すうちに、ウチが変な田んぼをやっていると聞きつけたらしい。きょうは、そのプロローグ的収録があった。とうとうマイ田んぼが、この広い農村全域で笑いものになる日がすぐそこまでやってきた。

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 ワタシが草引きをしているところへ、男性局員二人と女性ボランティアキャスター3名が車でやってきた。見れば、誰も長靴をはいていない。革靴かスニーカーをはいている。田んぼは湿地状態なのにね。まあ、いいや。
 早速、苗が7、8センチに伸びた苗代をバックに、番組の導入部の撮影。苗代にしゃがんで草取りをしているワタシに、後ろからキャスターが声をかけるという設定だ。
「きょうは、究極のエコなお米作りをしておられる巴ださんの田んぼを訪ねました。巴ださ〜ん」
「はいはい、こんにちは」と、白々しく振り向く。
「・・・・・」
「・・・・・」
 なんで、ここで、黙ってしまうかね。ここでじっと見つめられてもねー、何も言うことはありませんがな。きょうがキャスター初体験という若い女性、なかなかうまく言葉がつながらない。で、録り直し。
 が、その後は先輩キャスターやカメラマン氏のヘルプもあって、ワタシとよく知ったご婦人が田んぼに寄せる思いをうまく引き出していただいた。

 みなさん、思ったよりもずっと興味津々で、われわれの話を楽しんでおられた。また、草茫茫の田んぼにオタマジャクシやカエルやイモリやミズスマシやらなんやらがいっぱいいるのを、わいわい言ってのぞき込んでいた。
 田んぼを耕さないという手法は、ワタシの想像以上にみなさんには衝撃だったようだ。その固い土に張った稲の根は、耕した田んぼの稲の根よりもずっと白かったという話、雑草の根が土を作るという話に感動してもらえた。

 この企画は、エコをテーマにした番組のために、田植えや稲刈りといったマイ田んぼの一年を追跡取材して、順次放映するというものだ。マイ田んぼを「究極のエコ」と言われて、はあー、そうなのか、と感慨深くなった。昔はこれが当たり前だったのに。

 収録が終わった頃、ちょうど通りかかったベテラン農家の「寛容」おじさんが、軽トラの窓越しにみんなに向かって昔話をしていかれた。七十年ほど前の話だ。子どもも田植えを手伝わされるので、朝はいつもより早くから学校へ行き、帰りはなかなか帰らず、手伝いから逃げ回っていたこと、多くの農家では農耕用に牛を飼っていて、牛もしつけによって性格が変わったこと、田植えのときはみんなヒルに吸い付かれ、足が血で真っ赤になっていたこと、などなど。ワタシの話よりもよほど面白かったように思う。
 おじさんがいつもマイ田んぼに注目しておられるのは、自分の昔の姿と重ね合わせて見ておられるのだということがよくわかった。この番組を見るであろう多くのお年寄りも、同じような思いになるんだらふか。農業から離れ始めた世代、そして土にふれたこともない若い世代は、どんなことを感じるんだらふか。そこに何か新しいつながりは生まれるんだらふか。

 この番組が、この地域の自然、そして自然と共にある暮らしを守ることにつながったとしたら、こんなにうれしいことはないと、キャスターの一人がおっしゃっていた。が、ワタシとしては、ただ変人扱いが広範囲に広がっただけとなる覚悟も少しは必要やもしれない。

 おしまい。 
10.06.14 記 
マイ田んぼで気持ち良さそうに水浴するヘビ。
ヤマカガシ
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管理人について

HN:
巴だ リョウヘイ
性別:
非公開
職業:
揚琴・笛演奏屋 オカリナのセンセイ
趣味:
ほしい。
自己紹介:
 
演奏活動範囲/全国の都心から山間地まで。
演奏場所/ホールからお座敷まで。オカリナは野外歓迎。
演奏目的/オープニングセレモニーから追悼演奏まで。
演奏形態/独奏から異業種間共演まで。
所属事務所/Magnolia Music(自分的オフィス)

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特 技/晴れ男であること。

オカリナ倶楽部 “夢見るガチョウ” 主宰。

2018年、京都府下農村から大阪府下住宅街に移住。
今も雨乞い師見習い。
今も自然農見習い。
ノアのおとうちゃん。
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