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揚琴、オカリナ & インディアンフルート奏者がつづるいろいろばなし。
音楽、田舎暮らし、自然・環境、時事、ほかいろいろ。
どうぞ、ごゆっくり。
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#627 寛 容

 発表会だ、車の乗り換えだなどとばたばたしている間にも、時は流れ、季節は変わりゆき、髪は伸び、紙のゴミはたまり、神はワタシを見捨てそうだ。マイ田んぼの様子も、放ったらかしにしているわけではないのだが、半ば手に負えない状況になりつつあった。苗は伸び、草も伸びた。草引きはまだ田んぼの半分くらいだ。が、いただいた苗をそろそろ植えねばねばならない。。

 てことで、きょうはとうとう今シーズン第一回目の田植えとなった。ノーキョーの苗とは言え、マイ田んぼで育てればマイ田んぼのお米の味となる。この苗は、自作の苗がうまく育たなかったときの予備として、田んぼ的師匠のKさんからゆずってもらったものだ。

 マイ田んぼのすぐ隣で、お向かいのおじさんがシイタケを栽培しておられる。御歳八十有余の超ベテラン農家で、かつては農業技術者でもあった方だ。昨年からマイ田んぼの行く末を面白そうに、ときに不思議そうに鑑賞なさっている。いろいろご教示もいただいた。が、ことごとく無視してわが道を行く失礼なワタシ。それでもおじさんは、ちょくちょくのぞきにきては、草引きをするワタシになんだかんだとご教示してくださった。

 そのおじさん、きょうはマイ田んぼの畦にすっかり腰を下ろして、われわれが田植えをしているのを高みの見物と洒落込まれた。苗代を見て、
「ええ苗ができましたなー。これはええ苗ができとるわ」
 それはよかった。
 そっちの苗はなんだ、肥料はどうしたと、ぽつりぽつりと話しかけてこられる。

 去年は人に作業を見られるのがイヤだったが、今はそうでもない。どうぞご鑑賞をお楽しみくださいってな心境だ。おじさんも最早ぽつりぽつりと何かおっしゃるだけだ。
 ヒモも引かず、目測で適当な間隔に植え付けていくわれわれをひとしきり鑑賞して、
「ほな、ぼちぼちと」
 とごあいさつされ、静かに帰っていかれた。

 もし、ワタシが知る誰かがまったくでたらめに見える練習法でオカリナに取り組んでいるのを見たとしたら、ワタシはどう思い、どう対処するだろう。干渉するだらふか。それとも黙って鑑賞するだらふか。
 で、もしその人の練習がある程度の成果を上げたとしたら、ワタシの態度はどう変わるだらふ。
 思うに、ワタシはきっと、オカリナとはそんな物ではない、そんな方法でうまくなれるんだったら誰も苦労はしないとつぶやき、その人にあーだこーだ言うにちがいない。とてもマイ田んぼを見るおじさんのようには、おとなしくしていられないように思う。

 マイ田んぼに対して思う所はいっぱいあるだろうに、よそ者があまりにでたらめな手法でお米を作るのを、今はもう何も言わずにただ見守っておられるおじさん。けっして見て見ぬふりをされない。言いたいことはしっかり言い、それが通じないとわかっても、嘲笑を残してかえり見なくなるのではなく、もう何も言わず、それでいてひきつづき興味を捨てず、ただただ見守っておられる。

 寛容、寛大さとは何だらふ。少なくとも、見て見ぬふりのことではないはずだ。専門家として思う所があってもそれを胸にしまい、ただ見守ることができる力。それが寛容やもしれない。人の寛容に包まれたとき、誰しも安心を感じ、その安心こそが、最大の成果を呼び込むように思う。おじさんの態度の変化が寛容によるものなのかどうか、今はまだわからない。が、畦に座り込んで静かに鑑賞しておられるおじさんの姿にふれて、ワタシの中に安心が芽生えたのは事実だ。

 おしまい。 
10.06.06 記 
ギボシの花
ギボシ

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巴だ リョウヘイ
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職業:
揚琴・笛演奏屋 オカリナのセンセイ
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自己紹介:
 
演奏活動歴/揚琴、27年。オカリナ、16年。
活動範囲/全国の都心から山間地まで。
演奏場所/ホールからお座敷まで。オカリナは野外歓迎。
演奏目的/オープニングセレモニーから追悼演奏まで。
演奏形態/独奏から異業種間共演まで。
所属事務所/Magnolia Music(自分的オフィス)

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特 技/晴れ男であること。

オカリナ倶楽部 “夢見るガチョウ” 主宰。

京都府下農村在住。
雨乞い師見習い。
自然農見習い。
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