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揚琴、オカリナ & インディアンフルート奏者がつづるいろいろばなし。
音楽、田舎暮らし、自然・環境、時事、ほかいろいろ。
どうぞ、ごゆっくり。
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#625 マイ・エコ

 物には作った人の精神が宿ると言う。その通りだと思う。子どもの工作から工業製品まで、作者の意図と意思と感性が反映されていない物はない。が、物には使う人の精神も宿るように思う。たとえ原型に手を加えなくても、使ううちに使う人の手と思いによって、物は新たな命を吹き込まれるように思う。だから、長らく苦楽を共にした物に対して愛着が湧くのだろう。

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 今乗っている車とは、9年間の付き合いだ。15万5千キロ走ったから、ワタシの身体の一部みたいなものだ。愛車という言葉がぴったりだ。楽器、PCとともに、重要な仕事の友だ。

 あちこちぶつけた。リアバンパーは擦り傷だらけだ。雪道ですべって道路標識に突っ込んでフロントバンパーがへこんだこともあったし、キャンプ場の河原へ入っていってマフラーを石でこすったこともあった。縁石に乗り上げたときは泥よけの破損だけですんでそれはよかった。夜道で鹿が突入してきてへこんだ跡は記念に一部をそのままにしてある。

 が、驚異的に故障しない車だった。ずっと露天駐車だったが、塗装もなんともない。大雪で屋根まで埋まったことも何度もあったのに。

 枕では物に宿る精神にふれたが、なぜ楽器ではなく愛車を取り上げるのか。それは、マイ愛車との別れの日が来たからだ。明日、9年間苦楽を共にした友は引き取られてゆく。ドナドナの心境だ。

 関西一円はもちろん、中部、関東、東北、九州、四国も山陰も山陽も走った。そんなときは、ほとんどいつも揚琴を積んでいた。
 残念だったのは、以前乗っていた多くの車で走った北海道に連れて行ってやれなかったことだ。重たい揚琴を積まず、広い大地を思いっきり走らせてやりたかった。

 なんてさみしいんだらふ。
 これまで、ついぞアクセルを全開にしたことがなかった。一度もなかった。それでも二千ccのエンジンは高速道ではすぐに130kmに届いた。が、別れの日が近づいてきた頃から、エンジンを思いっきりぶん回している。別れの儀式だ。きっと、たまにはこんな風にぶん回してほしいと思っていただろうからな。

 サスペンションが四つともへたってきた身では、高速で無茶はできない。田舎道の民家のないところで、低いギアで、時には5千回転まで回して別れを惜しんでいる。なんて気持ちいい加速なんだ。エンジンはいまだに絶好調だ。燃費も伸び続けている。なのに、なんで別れなきゃならないんだ。

 エコカーなどという言葉が生まれてずいぶんになる。年式が古い車は排ガスが多いからと税金が上がる。エコな車への買い替えを推奨する政府。マイ愛車もとうとう自動車税が上がった。が、だから手放すんじゃない。
 本当のエコとは、一台の車を、ひとつの物を、とことん長く大切に使い切ることではないのか。

 足回りとタイミングベルトに寿命がきた。電気系統も危ない。一、二年以内にはミッション系統も寿命が来るだろう。すべてを修理するよりも買い替える方が経済的だからという理由で買い替えることが悔しい。余裕があれば、何度でも直して乗っていたい。エコのためではない。愛着がそうさせるのだ。
 それが、結果として、エコロジー擁護となる。エコは愛着から生まれるものだとも言えそうだ。

 おしまい。 
10.06.02 記 
月見草
月見草
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無題
エコは愛着から…
そうですよね
江戸時代、割れた陶器でも金で繋いで使い続けることが出来たとか…

「物は大事に」ではなく、愛着があるから自然と大事にするんですよね~

私も愛車、動かなくなるまで乗るつもりです、何度かおっと危ないから救ってくれた愛車です
何度も車にお礼を言っています
りn EDIT
at : 2010/06/05(Sat) 22:46:48
Re:無題
りnさま

ありがとうございます。

高度成長期は、政府の方針で、ベイツガなどの寿命が短い外材を使って建てた家でなければ住宅金融公庫から融資を受けにくかったそうです。
家まで使い捨てのような時代だったんですね。
江戸時代とえらいちがいだ。

M町で環境教育をしてる知人が「江戸時代はエコ時代」と称して、ご自分の活動をPRしておられます。
江戸時代は、国中が物も資源もリサイクルのシステムが徹底していたそうです。
で、その人も江戸時代に習えとおっしゃってます。

愛車、どうぞ大切にしてくださいね。
目指せ、30万キロ。

 巴だ
at : 2010/06/06 00:02
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管理人について

HN:
巴だ リョウヘイ
性別:
非公開
職業:
揚琴・笛演奏屋 オカリナのセンセイ
趣味:
ほしい。
自己紹介:
 
演奏活動範囲/全国の都心から山間地まで。
演奏場所/ホールからお座敷まで。オカリナは野外歓迎。
演奏目的/オープニングセレモニーから追悼演奏まで。
演奏形態/独奏から異業種間共演まで。
所属事務所/Magnolia Music(自分的オフィス)

コンタクト方法/上記のホームページ(HP)の「FAQ & Form」のページからどうぞ。

特 技/晴れ男であること。

オカリナ倶楽部 “夢見るガチョウ” 主宰。

2018年、京都府下農村から大阪府下住宅街に移住。
今も雨乞い師見習い。
今も自然農見習い。
ノアのおとうちゃん。
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