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揚琴、オカリナ & インディアンフルート奏者がつづるいろいろばなし。
音楽、田舎暮らし、自然・環境、時事、ほかいろいろ。
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#450 ミツバチ受難

 前便で、鳥が花の種を運ぶと書いた。が、花をふやすのを手伝ってくれるのは鳥だけではない。ハチやチョウやハナムグリなどの昆虫が花粉を雌しべに送り届けることで、初めて花の種ができる。で、きょう、気になるニュースを見た。ここ数年のうちに全国的にミツバチが減ったため、農作物がうまく受粉できなくなっているそうなのだ。てことは、野草もおんなじ状況だってことだ。

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 野草の中には、毎年同じ場所に生えるものが多い。それは、個体自身が多年草や宿根草である場合と、一年草の種がその場に落ちる場合がある。が、鳥や風が運ぶ多種多様の種が落ちてくるので、野草がある風景は毎年異なる姿となる。
 で、その年の傾向のようなものもある。ウチの裏庭の今年の傾向は、細いカヤの仲間がたいへん多いことだ。それらは外来種ではないようだ。そしてミヤコグサとシロツメクサが突然少なくなった。ミヤコグサとシロツメクサは、ここ数年増えつづけていた。というより、庭の下地を作る草として、他の草を刈ることで守り育ててきたのだ。ところが、今年は発芽数自体が極端に少なかったのだ。

 で、きょうのミツバチ減少のニュースを見てはたと思い当たったのが、ミヤコグサとシロツメクサが減ったことだ。そういえば、ウツボグサもヒメジョオンも減った。唯一例年より多いのはアザミくらいだ。そしてウチの裏庭の傾向は、ウチの周囲の広い範囲にも共通していることに気がついた。

 ここ数年、あまり見かけない外来のカヤの仲間が急激に増えた。それに加えて、今年は国産のカヤ科も増えている。カヤ科は種を風で飛ばす。そして、虫が受粉させる虫媒花ではなく、風によって受粉する風媒花だ。つまり、ミツバチの減少によって風媒花が優勢になってきているのやも知れんと思ったのだ。ミヤコグサ、シロツメクサ、ウツボグサなど、人目を引く花はほとんどが虫媒花だ。

 話はそれるが、虫媒花が人目を引くということは、人と昆虫の美意識に共通点がある証拠なのだそうだ。なるほど。ただし、昆虫は紫外線領域の光も見分けられるので、虫媒花には実は虫にしか見えない模様も施されているそうだ。その模様は、虫を花粉の方へ誘導する模様になっていることが多いんだって。どんな模様なんだろ。矢印だろうか。「おいでやす」とでも書いてあるのだろうか。

 このままミツバチが減りつづけたら、野の花も減っていくんだろうか。ミツバチが減っている確かな原因はわからないが、気温の上昇やミツバチの天敵のダニが増えたことなどが考えられるそうだ。どっちの原因にしても、またしても温暖化が真因だということになる。

 温暖化によって気候がすっかり変わってしまっても、人類はある程度適応できるだろう。が、だから温暖化しても大丈夫だとはもちろん言えない。天災が増えたり今当たり前に食べている農作物が穫れなくなるということなど生存に直接関わる影響を抜きにして、自然の風景が変わってしまうという一点を取り上げても、それはワタシには耐えがたいことだ。

 人間は食べ物と空気と印象という三種類の食物を採って生きる存在だと言ったのは、神秘思想家グルジェフだ。してみれば、食べ物を口にすることで、栄養だけではなく味や見栄えといった印象も食していることになる。温暖化によってそれらの多くが失われてしまうのみならず、ただいまのこの国の瑞々しい風景が損なわれてしまえば、人はますます印象という栄養の失調症に落ち入ってしまうだろう。その害は、人の感性を損なうという形で現われるにちがいない。それが嵩じればおそらく、生きる意味は、単に生きながらえることと同質化してしまうのだろう。

 鳥はどうやって草花の種を運ぶのか。それは、糞の中に混じった未消化の種が発芽する場合がほとんどなのだ。ということは、種に肥料も添えてくれてるってことだ。ご苦労様。

 おしまい。 
09.06.15 記 
卯の花も虫媒花だな。
卯の花

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自己紹介:
 
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演奏場所/ホールからお座敷まで。オカリナは野外歓迎。
演奏目的/オープニングセレモニーから追悼演奏まで。
演奏形態/独奏から異業種間共演まで。
所属事務所/Magnolia Music(自分的オフィス)

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特 技/晴れ男であること。

オカリナ倶楽部 “夢見るガチョウ” 主宰。

2018年、京都府下農村から大阪府下住宅街に移住。
今も雨乞い師見習い。
今も自然農見習い。
ノアのおとうちゃん。
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