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揚琴、オカリナ & インディアンフルート奏者がつづるいろいろばなし。
音楽、田舎暮らし、自然・環境、時事、ほかいろいろ。
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#453 他 力

 初めてする作業というものは、なかなかうまくいかない。作業を進めながら、なんとかコツをつかもうとする。で、ようやくコツが飲み込めてきたころには、作業はほとんど終わりに近づいていたりする。演奏や田植えなどであれば、次の機会があるので、初回の経験は次回に生かせる。が、人生は一度きりだ。人生のコツがつかめてきた頃には、カンオケに片足突っ込んでいるのだらふか。

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 5月31日に、初めての田植え体験をした。ご近所のご好意でいただいたたくさんの苗を、冬期湛水した不耕起の水田に植え付けたのだ。で、きょうは、ようやく本命の田植えを無事に終えることができた。自分で苗代で作った苗約200本を、一昨日ときょうで田んぼに移植し終えたのだ。そもそもは、これらの苗だけで田んぼをする予定だった。

 苗代で作った苗は、昨年から心で温めてきた栽培手法用に準備した小さな用地に植え付けた。水は張ってない。まずは朝から、苗を植えるための穴を掘る作業だ。移植ゴテで10センチ四方の穴を掘り、掘り出した土に元肥をすき込みながら穴に戻す。きょう植え付け予定の苗は100本前後はあるだろうか。木箱に詰め込んだ苗が全部で何本あるのかを数えると気が遠くなりそうだったので、『数えずに』穴掘りに取りかかった。

 穴掘りは、疲れずに手早く行なうコツを探りながらの作業となった。が、ようやくコツがつかめてきたときには、9割がた作業を終えていたというありさまだ。

 穴掘りを一度しかない人生に見立てたとき、人生のコツを探し求めるという欲求が、そもそも誤りであると気づいた。穴掘りには目的と結果がある。が、人生には目的らしきものも結果らしきものもない。それでいて、やみくもにコツのようなものを探し求めてはいないか。

 その穴掘りにしても、ついついコツという効率主義を持ち込んでしまったことを、ワタシはもったいなく思ってしまった。この効率主義が、人生のあらゆる果実を見失わせているのだと、今さらながら感じる。

 結果というものが存在しない人生という何物かは、過程そのものだと言える。そして、人生に勝る創造的行為はない。ゆえに、創造とは、結果ではなく過程のことなのかもしれない。であれば、過程を経る上で応分の果実を手にするために必要なものは、方法論でもなければコツでもなく、ただ無心で状況に対峙することなのではなかろうか。

 お米作りの目的のひとつに、自然と手をたずさえて行なう創造と、自己実現がある。
 植物の栽培とは、自然の力、すなわち「他力」のアートだ。願わくばお米作りのすべての過程で、自分を超えた大いなる他力を感じたい。他力こそが真の創造の源泉であり、無心で他力と一体になることこそが真の自己実現だと思うからだ。だからこそ、自然を大きく損なう機械、農薬、化学肥料はすべて排除する。

 さて、ワタシは木箱に詰め込んだ苗が全部で何本あるのかを数えずに、だいたいの見当をつけただけで穴掘りを進めた。で、5時間近くかかってようやく穴掘りが終わると、一本ずつ苗を植え付けていった。
 うわっ・・・。2時間を過ぎた頃、最後の一本の苗は、最後の穴にぴたりと納まった。

 まことに、このたびのお米作りは、自分たちではない何者かの意思と力によってさせられているとの感が深まるばかりだ。これでいいのか。これでいいのだ。

 さてさてところが、この日はこれ以上に驚くべき「つづき」があったのだ。

 つづく。 
09.06.20 記 
苗代から苗を取り出しているところ
苗代取り出し
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管理人について

HN:
巴だ リョウヘイ
性別:
非公開
職業:
揚琴・笛演奏屋 オカリナのセンセイ
趣味:
ほしい。
自己紹介:
 
演奏活動範囲/全国の都心から山間地まで。
演奏場所/ホールからお座敷まで。オカリナは野外歓迎。
演奏目的/オープニングセレモニーから追悼演奏まで。
演奏形態/独奏から異業種間共演まで。
所属事務所/Magnolia Music(自分的オフィス)

コンタクト方法/上記のホームページ(HP)の「FAQ & Form」のページからどうぞ。

特 技/晴れ男であること。

オカリナ倶楽部 “夢見るガチョウ” 主宰。

2018年、京都府下農村から大阪府下住宅街に移住。
今も雨乞い師見習い。
今も自然農見習い。
ノアのおとうちゃん。
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