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揚琴、オカリナ & インディアンフルート奏者がつづるいろいろばなし。
音楽、田舎暮らし、自然・環境、時事、ほかいろいろ。
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#567 ウィンターワンダーランド

 真冬の安眠にはゆたんぽに限る。で、ストーブにかけておいたでっかいヤカンから湯たんぽの小さな口にお湯を注ぎ入れる作業がオカリナの演奏技術向上に役立つことに気がついたのは、三年ほど前だった。さっそく生徒さんたちに試してもらったっけ。

 レッスン会場へ湯たんぽとヤカンを持って行くのは不思議な行動に過ぎるので、生徒さんたちにはペットボトルとプラスティックの水差しで体験してもらった。立てた空のペットボトルに、10cm以上はなれた高さから、水を途切れることなくこぼさずにすべて注ぎ入れられるかどうか。

 いちばんむずかしい瞬間は二度訪れる。ひとつは水の出だしのほんの一、二秒の間だ。少しずつ慎重に水差しを傾け始めるが、出だしはどうしても水が「よれる」ので、軌道が定まらない。
 もうひとつは、水の切れ際だ。それまで一定でなめらかだった水の流れが突然細くなり、ねじれるように「よれ」始める。最後の一滴まで気を抜かずこぼさずに注ぎ切るにはかなりの集中力と慎重さと身体の微妙なコントロールが求められる。

 そして、水を一定に注ぎ入れ続ける間も、水差しを持った腕、ひじ、手首の角度を常に微調整し続けなければならない。わずかでもペットボトルの口から目をはなすわけにはいかない。

 この作業がオカリナ演奏のどんな技術を磨く練習になるのか。音を水差しから流れ出る水に例えるとわかりやすい。

 オカリナのむずかしさのひとつに、音をまっすぐに安定させることがある。その際、息を入れ始めた直後の一、二秒と、息が苦しくなってくる音の切れ際が、音が「よれて」もっとも安定させにくい。はい、もうおわかりでござろう。

 問題は、どうやって音を安定させるかだ。ついつい口先や胸など上体だけで息の強さを調節しようとする。が、そうすると口も口の周囲の筋肉も、指も、腕も、上半身全体に力が入って固くなってしまい、逆に息のコントロールがむずかしくなる。

 ここでゆたんぽお湯注ぎに話をもどす。どうすればうまく注ぎ込めるか。まず下半身を安定させ、上半身から出来る限り力を抜く。そして、湯たんぽの口とヤカンの口をよく見比べて「どんな軌道でお湯が注ぎ込まれるかをしっかりとイメージ」する。
 ヤカンを傾け始めたら、全身がリラックスしてやわらかくなっていることを「絶え間なく」確認しつづける。お湯が出始めた瞬間に集中力を最大にし、お湯の「よれ」に心を乱すことなく、「全身でバランスを取って」ヤカンの角度を調節する。
 お湯が口に入り始めても、もちろん身体をやわらかく保つ。ゆたんぽの口を凝視しているとどうしても身体に力が入ってくるが、下半身をどっしりと安定させ「全身をクッションにして不要な力を吸収」し、指先に力を集中する。
 お湯の切れ際は、再びお湯がよれるので、集中力を高める。

 これらの動作は、オカリナを吹くときの息のコントロールの仕方そのものだ。もう説明の必要はないと思う。ゆたんぽお湯注ぎとオカリナの違いは、視覚を頼りにするか聴覚を頼りにするかだけだ。

 ちなみに、水道の水を可能な限り細くする作業は、揚琴のチューニングの際に弦を思った高さの音にぴたりと合わす作業と似ている。これ以上細くすると水が止まってしまう、これ以上ハンマーをしぼるとねらった高さを通り過ぎてしまうというぎりぎりの一点を得られるまで、極々わずかに行ったり来たりするわけだ。厳冬期のウチでは、水道管の凍結防止のためにこの作業をさせられる。

 ワタシはこのふたつの作業を、ウィンタートレーニングと呼んでいるとかいないとか。

 おしまい。 
10.02.03 記 
寒そうな写真
雪の杉林

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管理人について

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巴だ リョウヘイ
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職業:
揚琴・笛演奏屋 オカリナのセンセイ
趣味:
ほしい。
自己紹介:
 
演奏活動歴/揚琴、27年。オカリナ、16年。
活動範囲/全国の都心から山間地まで。
演奏場所/ホールからお座敷まで。オカリナは野外歓迎。
演奏目的/オープニングセレモニーから追悼演奏まで。
演奏形態/独奏から異業種間共演まで。
所属事務所/Magnolia Music(自分的オフィス)

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特 技/晴れ男であること。

オカリナ倶楽部 “夢見るガチョウ” 主宰。

京都府下農村在住。
雨乞い師見習い。
自然農見習い。
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