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揚琴、オカリナ & インディアンフルート奏者がつづるいろいろばなし。
音楽、田舎暮らし、自然・環境、時事、ほかいろいろ。
どうぞ、ごゆっくり。
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#374 雪国事情 2

 雪のことばかり書いてしまう。今便は「街の人は雪のたいへんさをわかってくれんぞな〜」というテーマにしよう。「雪が積もったんですか、いいですね〜、きれいでしょうね〜」はい、きれいです。が、きれいだなーで済ませてたら、生きていけんのよ、雪国では。いや、ワタシがかつて住んでいたところ程度を雪国だなどと呼んでは豪雪地帯の人に申し訳ないが。

 朝起きると、外がやけに明るい。雪の反射光というものはものすごく強い。で、なかなか気持ちよく目覚める
 で、外へ出ようとする。いくら押しても扉が開かない。雪が完全に扉をふさいでいる。そのまま春まで家の中で過ごした。

 こうなったのは、雪国生活二年目までのこと。三年目からは、近所に習って伝統の「雪囲い」をしつらえた。雪囲いとは、家の周囲をぐるりとトタン板で囲う雪除けのことだ。昔は茅などで囲った。軒下に丸太で支柱を立て、そこにトタン板を取り付けてゆく。これがなければ、雪で扉が開かないだけではなく、雪の重みで窓ガラスが割れたりしてしまう。そして、雪囲いが家の周囲での行動の自由を少しは保ってくれる。何より、室温が2、3℃は高くなる。

 雪囲いがあるあいだは、家に出入りするのに雪囲いを回りこんで、少し遠回りすることになる。で、春になって囲いを取っても、しばらくはまっすぐに玄関に進まずに、少し迂回するクセが付いてしまっている。これは本当の話。
 トタンで家を囲ったらさぞ暗かろうと思われるだろうが、さにあらず。ウチは、透明のトタン板を使って採光を確保していた。ウチの地域では初めてだったと思う。それから流行ったっけ。
 でも、一部には茅も使っていたな。これがなかなか快適で。

 吹雪の夜に街の仕事から帰ってきた。吹雪の中を走ると、まずワイパーが凍る。デフを全開にしていても、そのうちワイパーにつららが付き始め、ぎーぎーといやな音を立て始める。そうなると、前がひじょーに見えにくくなり危険になる。
 新雪が60cmほど積もっている。夜だから除雪車は出ていない。これくらい積もると、車のヘッドライトがすぐに雪に埋もれて、何も見えなくなる。少し進んでは車から降りてライトの雪を落とし、を繰り返して漸進する。

 右は深い渓谷、左は断崖絶壁の吹きさらしの細い道にさしかかった。ここはよく崖から雪がずり落ちてきて道をふさぐ上に路面が凍結している難所だ。川に落ちたらあっと言う間に凍え死む。ここから暖かい家まであと400m。が、ずり落ちた雪が道を100mに渡って完全にふさいでいる。今さら引き返すも無理、進むも無理。しょうがなく、よく知ったご婦人と車から降りて、ふたりで月明かりの下で雪かきをした。

 冬の日課は雪かきだ。ときどき屋根の雪下ろしもする。雪かきをしていて考えた。
「拙者はいったい何をしているのか。これほど非生産的な活動がこの世にどれほどあろうか」
 ここにある雪をそこへ移動させるだけの作業。しかも、雪はすぐに積もる。自然の営みと共に生きていると言えなくもないが、まるで、深い業を払いつづけているかのようだ。
 こんな考えが脳裏をよぎった。
「人間は、自然を守るなどとほざくが、人間にそんなことができるものか。できるのは、自然の営みに逆らわずに受け入れることだけだ。生きることとは、自然への奉仕なのだ」

 地下の水道管が凍って三日間水が出なかったときは、雪を溶かした水で風呂を沸かしたっけ。
 ある、かつてない大雪の朝、車がなくなっている。「おーい、オレの車はどこだーっ」何かにつまずいた。ワタシの車の屋根だった。これも本当の話。

 まだまだ書ききれないほどの雪の世界の素敵なお話。

 おしまい。 
09.01.14 記 
雪の茅葺きの里。かつての家まであと25キロ。
n7j

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巴だ リョウヘイ
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揚琴・笛演奏屋 オカリナのセンセイ
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自己紹介:
 
演奏活動歴/揚琴、27年。オカリナ、16年。
活動範囲/全国の都心から山間地まで。
演奏場所/ホールからお座敷まで。オカリナは野外歓迎。
演奏目的/オープニングセレモニーから追悼演奏まで。
演奏形態/独奏から異業種間共演まで。
所属事務所/Magnolia Music(自分的オフィス)

コンタクト方法/上記のホームページ(HP)の「Contact」のページからどうぞ。

特 技/晴れ男であること。

オカリナ倶楽部 “夢見るガチョウ” 主宰。

京都府下農村在住。
雨乞い師見習い。
自然農見習い。
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