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揚琴、オカリナ & インディアンフルート奏者がつづるいろいろばなし。
音楽、田舎暮らし、自然・環境、時事、ほかいろいろ。
どうぞ、ごゆっくり。
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 ひょうたん島の岩手県大槌町では、消防団員が津波を知らせるサイレンのスイッチを押したが、地震による停電で作動しなかった。そこへ駆けつけた別の団員は、昔ながらの半鐘を持ち出した。団員は火の見やぐらに上り、半鐘を打ち鳴らし続け、津波に飲まれた。半鐘の音を聴いた人は言った。「何とも寂しい音だった。今も耳から離れね」

拍手[5回]


 大地が突然鳴動し、静かだった海が猛然と持ち上がり、押し寄せた。仲間を逃がし、迫り来る大津波を目前にしながら、腕も折れよとばかりに半鐘を打ち続ける男衆。一瞬で日常に取って代わった非現実的な世界を満たす音は、大津波の轟音、建物が壊れる音、木がきしむ音、金属がこすれる音、破裂音、そして悲鳴。その上に響く半鐘の乾いた音色。ワタシにも聴こえる。はっきり聴こえてくる。それは終末を知らせる音色のようであり、神の救いの音色のようでもある。
 この消防団員さんも、半鐘も、いまだ見つかっていない。また、防潮堤を閉じるなどの任務に当たった消防団員のうち4名が亡くなり、7名が行方不明だという。

 タイタニック号を思い出す。8人の楽士たちが甲板で、乗客たちの心を鎮めようと、船が沈むその時まで演奏しつづけ、船と共に冷たい海に消えたのだ。最後の曲は「主よ御許に近づかん」だったと言われている。

 きょうは、大津波が押し寄せるさなかに防災無線放送のアナウンスを続けて犠牲になった、南三陸町役場勤務の若い女性のことが報じられた。その現場の映像を見た。すでに茶色い津波が町を飲み込み始めている。次々に家が押し流されている。その上に、女性の凛とした声が流れ続けている。一度見ただけだが、映像は、その張りつめた声がけっして録音したものではなかったこと、彼女が努めて冷静であったことを示す証拠となっていた。
 彼女の明瞭な発声は、短い文節毎にていねいに区切られていたのだが、大きな「こだま」が言葉をかき消すように終始響いてきていた。が、彼女はそれをしっかり聴き取り、自分の言葉がこだまと重なってしまわないように、間をコントロールしつづけているのがわかった。録音物ではこうはいかず、場合によってはこだまのせいでとても聴き取りにくくなってしまったと思われる。

「ずいぶん差し迫った声だったから、あの声に後押しされて逃げて助かった」と言うご婦人がいた。多くの人にとって、彼女の冷静でいて感情が込められた説得力ある声は、救いの声となったのだ。
 二十五歳の彼女は、半年後に挙式を控えていた。津波の上にいつまでも流れ続けるアナウンスの録画を見て「ああ、まだ(逃げずに)言ってる・・・まだ言ってるよ」と嘆かれるお母様の姿は痛々しかった。

 毎日のように、他の人を助けようとして亡くなった人の話が報じられる。さらに報道の陰には、身近な人や関わりがあった多数の人々を助けるために命を落とされたたいへんな数の人の姿があるのではないだろうか。が、その厳粛な事実は、安易な美化が許されるものではないと思う。なぜなら、そこには第三者には量り知れないほどの苦悩と葛藤が込められているにちがいないからだ。だから、ただ、哀しい。そして、ただ、有り難い。

 おしまい。 
11.03.23 記 


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頑張って下さいと
頑張って下さいと言う軽々しい言葉で 励ます等という事は私には出来ません。
先生のブログで初めて目にした記載ですが 余りにも重く言葉が見つかりません。
阪神大震災の時の多くの出来事が みんなの心の中に今も残り 消える事はありません。
自然は美しいと感じる事も多いのですが 恐ろしい事も多々現実としてあります。
各自健康に留意して過ごす事が 一番大事なことだと思います。
Kitty EDIT
at : 2011/03/25(Fri) 22:07:19
Re:頑張って下さいと
Kitty さま

阪神淡路の大震災を現地で被災された方は、このたびの大震災に対しては格別の思いをお持ちだろうとお察しします。
それゆえ、Kitty さんの「頑張って下さいと言う軽々しい言葉で励ます等という事は私には出来ません」との言葉には、たいへん重みを感じます。
すでに、関西にも多数の被災者が避難して来られてます。
静かに見守る時期は終わりました。
わたしたちは、物心両面で相当の覚悟を持って避難民の方々に接し、援助する必要があると思われます。
そのためにも、わたしたちが心の活力を無くさないこと、そしてそのためには、まず
> 各自健康に留意して過ごす事
が大切だと、ワタシも思います。
ありがとうございました。

巴だ 
at : 2011/03/25 22:39
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管理人について

HN:
巴だ リョウヘイ
性別:
非公開
職業:
揚琴・笛演奏屋 オカリナのセンセイ
趣味:
ほしい。
自己紹介:
 
演奏活動歴/揚琴、27年。オカリナ、16年。
活動範囲/全国の都心から山間地まで。
演奏場所/ホールからお座敷まで。オカリナは野外歓迎。
演奏目的/オープニングセレモニーから追悼演奏まで。
演奏形態/独奏から異業種間共演まで。
所属事務所/Magnolia Music(自分的オフィス)

コンタクト方法/上記のホームページ(HP)の「Contact」のページからどうぞ。

特 技/晴れ男であること。

オカリナ倶楽部 “夢見るガチョウ” 主宰。

京都府下農村在住。
雨乞い師見習い。
自然農見習い。
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