#751 高 潔

　かねてから注目してきた湯浅誠氏がいよいよ表に出てきた。官房長官直属の内閣官房震災ボランティア連携室室長に就任した。湯浅氏のメッセージには、現状認識と今後の支援の見通しとボランティアのあり方が適確に要約されている。
　それはそうと、こういう時に人間性が暴露されると、つくづく思う。

　被災地に「使い古し」「不要物」を送るなっ。

　東電本社の記者会見。いかにも晴れがましい場に出てきたというようにうれしそうな顔をするなっ。カラオケみたいなマイクの持ち方をするなっ。

　来月の東京都知事選で、いよいよ奴に天罰が下る・・・はずだ。ん、代わりはいたっけ。

「日本の民衆の『落ち着き』が強い印象を与えている」「日本人はなぜこんなに冷静なのか」と中国の新聞。あんたらに落ち着きが無さすぎるのよ。
　この報道を見た中国のおばさん。「すごい。日本人の中には『道徳』という血が流れているのだと思う」その道徳、一部は中国から輸入したものなんですよ。

「東日本大震災に反応して富士山など３火山で地震活動が活発化している。が、火山活動に変化はない」いったい何が起こっているんだっ。

　以上、なんのことはない、つまらないことにカッカするワタシ的人間性の暴露じゃないか。

　一方、非常時は人間の深みや高潔さが示される時でもある。

　気仙沼市立階上（はしかみ）中学校の卒業式。卒業生代表の答辞より。防災教育と言えば階上中学と言われるほど、防災には力を入れていた。涙をこらえ、何度も声を詰まらせながら、魂をふりしぼるように読み切った。
「・・・自然の前には私たちは無力でした。・・・天が与えた試練と言うにはむごすぎるものでした。・・・しかし、苦境にあっても、天を恨まず、運命に耐え、助け合って生きていくことが、これからの私たちの使命です」

「失意の胸へは　だれも踏み入ってはならない　自身が悩み苦しんだという　よほどの特権を持たずしては」エミリー・ディキンソン。「天声人語」より。

　おしまい。　
11.03.22 記