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揚琴、オカリナ & インディアンフルート奏者がつづるいろいろばなし。
音楽、田舎暮らし、自然・環境、時事、ほかいろいろ。
どうぞ、ごゆっくり。
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今年で十六回目となったオカリナフェスティバル in 神戸。
二日目のゲスト演奏者はソロオカリナ奏者の舞歌さんだった。
このリポートの最終便となる今便では、舞歌さんの演奏に受けたインプレッションを軸に、ひきつづきオカリナ、演奏、そして音楽について思うことをつづりたいと思う。






緞帳が上がると、そこには花のような衣装を身にまとった一人の小柄な女性が立っていた。
彼女がSC管を取りあげて吹き始めると、そこにはそれまでとはまったく別の時間と空間が現われた。
もちろん、オカリナが作り出す様々な世界は、これまでこの神戸のオカリナフェスティバルの舞台で多くの素晴らしいゲスト奏者の方々が見せてくれた。
が、舞歌さんの世界はそのいずれとも異なっていた。
華やかで、ひた向きで、愛らしく、力強くて、開かれている。
そんな彼女のオリジナルな世界は、曲を重ねるに連れて鮮明になっていった。

奏者がオカリナに込めるもの。
それは千差万別だ。
では、何も込めないことは可能だろうか?
中身は空っぽのオカリナを、空っぽのままで吹くことはできるだろうか?
この問いに対する答のひとつが、舞歌さんの舞台で示された気がした。
無心で吹くことの意味、価値を、彼女は神戸の地で示してくれた。

── 全身で吹く。
そのことの意味と重要さを、以前ここで書きつづった。
が、演奏というものは、音楽というものは、音楽が十分に音楽であるためには、本当はそれでもまだ足りない。
── 全身全霊で吹く。
音楽という美しくも厳しい存在は、常にそれを要求する。
そうして得られた響きだけを受容する。
そして、全身全霊で吹くことと無心で吹くことは、ほぼ重なっている。

多くの人が彼女のブレスの音に気付き、その息づかいに一心不乱を聴いて、心がふるえたに違いない。
重心、脱力、演奏姿勢、フレージング、技術、楽しみ…そうした言葉たちはもう蒸発して雲となり、どこかに流れ去ってしまっていた。
会場は、全身全霊を込められた音だけが放つ輝きに満たされていた。

くり返しはくり返しではなく、生きて変化する聖なる流れである ── このこともまた、舞歌さんの演奏は証明していた。
もし奏者が演奏中に十全に生きてさえいれば、楽譜上のくり返しは単なるくり返しではなくなる。
それらは、無垢な行為がくり返されることによって高揚していく精神そのものとなる。
いったいどれだけの奏者と作曲者、編曲者が、いかにくり返しを単調に聴かせないかという些事に囚われ苦心惨憺していることか。
彼らは(わたしもその一人だ)そのとき十全に生きていないだけのことなのだ。

ひとつひとつの音をいかに大切に吹いているか。
ひとつひとつの演奏機会をいかに大切にしているか。
毎日をどれほど大切に生きているか。
それらを改めて問い直す歳でもない。
が、そうした問いかけをリアルタイムで続けている人に出会うとき、その人が描き出すものに対しては静かに受け身でいるばかりではない自分がいる。
揺り動かされ、発火し、燃え広がろうとする。
そのとき、もしも模倣ではない行為が自発的に生じていれば、その行為こそが創造であり、至高の自由にふれる歓びの発露なのだ。
そして人にそのように促す力こそが、真のアートなのだろう。 
 おしまい。


ここまで読んでいただきありがとうございました。

※ 関連エントリ 

16.07.26 記 
街路樹がアートしていた

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巴だ リョウヘイ
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職業:
揚琴・笛演奏屋 オカリナのセンセイ
趣味:
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自己紹介:
 
演奏活動歴/揚琴、27年。オカリナ、16年。
活動範囲/全国の都心から山間地まで。
演奏場所/ホールからお座敷まで。オカリナは野外歓迎。
演奏目的/オープニングセレモニーから追悼演奏まで。
演奏形態/独奏から異業種間共演まで。
所属事務所/Magnolia Music(自分的オフィス)

コンタクト方法/上記のホームページ(HP)の「Contact」のページからどうぞ。

特 技/晴れ男であること。

オカリナ倶楽部 “夢見るガチョウ” 主宰。

京都府下農村在住。
雨乞い師見習い。
自然農見習い。
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