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揚琴、オカリナ & インディアンフルート奏者がつづるいろいろばなし。
音楽、田舎暮らし、自然・環境、時事、ほかいろいろ。
どうぞ、ごゆっくり。
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今朝、ウチに唐箕(とうみ)がやって来た。




おむかいのおばさんが「もういらんので燃やそうと思ってた」とおっしゃるので、それではと、ありがたくいただいてきた次第。
昭和初期のものと思われる。
しかも本体他は木製なので多少ひび割れたり歪んだりしているが、きれいに掃除して油を注してやると快調に動いた。
ごらんの通り田んぼで使うんだけど、何をする物かと言うと…



まず、これは干した稲束を足踏み脱穀機にかけて籾をワラから取り去っている所。
三年前のわたしがやってる之図。



脱穀機をかけ終わった状態。
ワラ屑や籾殻がたくさん混じっている。



このままでは籾摺りをできないので、籾とワラ屑などとを選別する必要がある。
その役目を果すのが唐箕なのだ。

脱穀機にかけた籾をこうやって上部から入れて、右下のハンドルを回すと、下の袋とバケツに籾が入り、左にある吹き出し口からワラ屑や空の籾殻が飛び出す仕組み。
もちろん電気もガソリンも使わない。



この機械の画期的な点は、古来の知恵である選別法を実現する内部の構造にある。
その選別法は「風選」と呼ばれている。
文字通り、風の力で籾とワラ屑とを分離させる方式だ。
唐箕が登場する以前の人々は、「箕(み)/または手箕(てみ)」と呼ばれる道具を使って風選をしていた。
箕は風選を主な使用目的とする、竹製のザル状の道具だ。
物をすくい取ったり、軽いものを運んだりと、色んな用途に使われた。
で、風のある日にワラ屑混じりの籾を箕に入れ、フライパンで炒め物をするように振ると、軽いワラ屑は風で飛ばされて、重たい籾は箕の中に残るという寸法だ。

「こだま号」と銘打たれている。
今度きれいに上書きして上げようかな。



さて、唐箕の原理と構造とはいかなるものか?
唐箕のハンドルは内部の羽と直結している。
羽は四枚で、それらは木と薄い板でできている。
水車の羽根とよく似ている。
で、ハンドルを回すと羽がくるくると回って風を起こす。
そこへ上からワラ屑混じりの籾を流し入れると、軽いワラ屑は吹き出し口から吹き出され、重い籾は下の出口から出てくるという仕掛けだ。
しかも籾の出口は二つあり、中身がよく詰まった重い籾は手前の一番出口から、あまり詰まってない軽い籾は風下の二番出口から出てくるようになっている。
素晴らしい。

流し入れる量も調節できる。
この流量の調節とハンドルによる羽の回転の速さの加減が少々むずかしい。
流量が多すぎると籾は十分に選別されずに出てきてしまう。
また羽の回転が速すぎると籾までいっしょに吹き出されてしまう。

唐箕はその名が示す通り中国から伝わり、日本では江戸時代初期から使われていたそうだ。
そして現在も金属ボディの手回し唐箕、電動回転式の唐箕が販売されている。
唐箕は米だけではなく麦や雑穀、豆類にも使える。
ウチの農作の頼もしい助っ人となってくれそうだ。

実を言うと、三年前から自作の「段ボール唐箕」を使っていた。
段ボール唐箕には羽は無く、扇風機の風で選別する。



段ボール唐箕のいい所は、折り畳めるので収納スペースに困らないことだ。
性能もけっして本物の唐箕に見劣りしない。
だいいちタダで作れるし。
が、電気を使うのが少々しゃくに障ってはいた。
で、少々曲がったり破れたりしてくたびれてきたのだが、作り直そうにも手頃な段ボールが無かったので、去年は唐箕のプロセスなしで、手で選別をして籾摺りをした。
それはそれでなんとかやりくりできたのだが、本物の唐箕があればそれに越したことはない。

話はもどって、箕による手選別作業を劇的に効率化させた唐箕の登場は、十七世紀の最大のイノベーションのひとつだったようだ。
そして唐箕がほぼ当時のままの姿で現代でも使われていることは、発明当時の完成度がいかに高かったかを物語っている。
当時の絵図を見ると、現在のものとほとんど変わらない姿をしているのに驚く。

「脱穀も選別も手作業でたいへんですね〜」
とおっしゃるなかれ。
足踏み脱穀機も唐箕も、体力的には大した負担はない。
作業時間も機械と比べてそれほど違わないように思う。
むしろ高価なハーベスターやコンバインを購入し、燃料代を得るためにどこかで長時間働く方が数百倍キツい、とわたしは感じる。
そして機械を導入することで失われるものに思いを馳せてしまう。
中国で宋の時代に唐箕を絵図に残した宋応星は、数百年を経た時代に当時の物とその発展形という怪物が併存しているのを見てわらっていることだろう。

はざかけをバックに足踏み脱穀機と唐箕のツーショット。
モノクロで撮ると時代を感じるなー。



 おしまい。
 

16.11.07 記 

脱穀機を置こうと思ってた場所をアナグマのアナ男が掘り返していた之図。
ミミズがたくさんいたんだろうな。

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管理人について

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揚琴・笛演奏屋 オカリナのセンセイ
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ほしい。
自己紹介:
 
演奏活動歴/揚琴、27年。オカリナ、16年。
活動範囲/全国の都心から山間地まで。
演奏場所/ホールからお座敷まで。オカリナは野外歓迎。
演奏目的/オープニングセレモニーから追悼演奏まで。
演奏形態/独奏から異業種間共演まで。
所属事務所/Magnolia Music(自分的オフィス)

コンタクト方法/上記のホームページ(HP)の「Contact」のページからどうぞ。

特 技/晴れ男であること。

オカリナ倶楽部 “夢見るガチョウ” 主宰。

京都府下農村在住。
雨乞い師見習い。
自然農見習い。
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