揚琴、オカリナ & インディアンフルート奏者がつづるいろいろばなし。
音楽、田舎暮らし、自然・環境、時事、ほかいろいろ。
どうぞ、ごゆっくり。
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#511 今は昔はまだ早い
今月、ワタシが指導させていただいているアマチュアオカリナグループのひとつが、十周年を迎えた。このグループは、かやぶきの里として有名な京都府下のM町の人々が集まって作った。母体は、同町の教育委員会が主宰する生涯教育講座のオカリナ教室で、ワタシがその講師を務めて以来のご縁だ。十年ひと昔と言うから、その頃はもはや「昔」のことなのか、あちゃ〜。
今月、ワタシが指導させていただいているアマチュアオカリナグループのひとつが、十周年を迎えた。このグループは、かやぶきの里として有名な京都府下のM町の人々が集まって作った。母体は、同町の教育委員会が主宰する生涯教育講座のオカリナ教室で、ワタシがその講師を務めて以来のご縁だ。十年ひと昔と言うから、その頃はもはや「昔」のことなのか、あちゃ〜。
当然のことながら、メンバーの平均年齢はけっして低くない。また、ずば抜けて上手な人はいない。特徴は、過疎と高齢化が進む自分たちの地域でボランティア活動としてオカリナ演奏をすることで、聴く方も演る方も元気になろうという姿勢を共有しておられることだ。
先月のガチョコン4でのお客さまへのアンケートでは、Gはとても人気が高かった。もっと演奏力があるグループがいくつも出ていたにも関わらず、Gがアッピールした理由はなんだろう。
そのひとつは、聴く人に安心感を与える雰囲気だろう。それは、対外演奏経験の多さが育んだ面がある。アガッテヘマした多くの苦い経験が生む開き直りと言うか無心と言うか落ち着きは、一種の魔力となって聴く人に安心感を与える。そして、あの日のGのような丁寧でいて力強い音色は、聴く人と無心に向き合えるグループだけが生み出せる。
もうひとつは、けっして欲張らずに力に合った曲を演奏したことだろう。
もうひとつあるとすれば、前回のガチョコン3での大失敗だろう。バラバラの演奏をお客さんや関係者にぼろくそに言われた経験は、このグループを意気消沈させるどころか発奮させ、大きく前進させたように思う。
ワタシは、どうせエネルギーと時間とお金をかけてオカリナ合奏をするんだったら、その成果を少しでも世のため人のために生かすことができればいいのにと、常々考えている。で、そう望むグループには協力を惜しまない。
人様のために吹くのだという気持ちは、自分たちの音色と技術をさらに磨く。そのかわり、指導は当然きびしくなる。練習が楽しくなくなることもある。そうなった時点で、マイ生徒さんたちは、えらいことを始めてしまったことに気づく。「やりたいこととやるべきこととのギャップ」に気づく。
が、人様のために吹くからといって、特別にむずかしいことをする必要はまったくない。むしろ、簡単な曲をいかに心を込めて感動的に合奏するかが問われる。
多くの人が、上達とは人に勝るものをプラスアルファとして身につけていくことだと考えているように思う。が、こと公共的演奏に関しては、ある程度の演奏力があれば、プラスをふやすことよりもマイナスをへらすことの方が大切だ。不安定なピッチ、そろわないリズム、ひとりよがりの抑揚、不完全な出来が生む緊張感と不安定感。こうしたものを排除できれば、派手さはなくとも安定感があり、安らいだ心持ちにしてくれる演奏になる。
が、趣味で始めたオカリナだからこそ、自分がやりたいことをなんとしても実現しようとしてしまう。日頃は気配りをできる人が、舞台という特殊な状況に我を忘れてしまう。不完全な仕上がりのままで人前で演奏してしまう。結果、コンサートはがまん大会となる。聴く人は疲れ、心は萎える。おざなりの拍手。それに気づかないあわれな演奏者。社交辞令の賛辞を真に受け、過信に落ち入ってしまう。
それを、狭い地域社会ではお互い様であるとの考えもあるのだろう。が、本来のお互い様とは、人間的にレベルの低い結果を受け入れ合うことではなく、事を起こすそのときから相手のことを思いやることで始まるものではなかろうか。
こんなことを自問自答しつつ十年が経ったこのグループとワタシ。ドレミファを練習したのも今は昔。が、きょうのレッスンでもたくさんの新曲候補を提出される意気込みを見て、まだまだ過去を振り返るのは早い、未来はますます楽しそうだと思わせていただいたのだとさ。
先月のガチョコン4でのお客さまへのアンケートでは、Gはとても人気が高かった。もっと演奏力があるグループがいくつも出ていたにも関わらず、Gがアッピールした理由はなんだろう。
そのひとつは、聴く人に安心感を与える雰囲気だろう。それは、対外演奏経験の多さが育んだ面がある。アガッテヘマした多くの苦い経験が生む開き直りと言うか無心と言うか落ち着きは、一種の魔力となって聴く人に安心感を与える。そして、あの日のGのような丁寧でいて力強い音色は、聴く人と無心に向き合えるグループだけが生み出せる。
もうひとつは、けっして欲張らずに力に合った曲を演奏したことだろう。
もうひとつあるとすれば、前回のガチョコン3での大失敗だろう。バラバラの演奏をお客さんや関係者にぼろくそに言われた経験は、このグループを意気消沈させるどころか発奮させ、大きく前進させたように思う。
ワタシは、どうせエネルギーと時間とお金をかけてオカリナ合奏をするんだったら、その成果を少しでも世のため人のために生かすことができればいいのにと、常々考えている。で、そう望むグループには協力を惜しまない。
人様のために吹くのだという気持ちは、自分たちの音色と技術をさらに磨く。そのかわり、指導は当然きびしくなる。練習が楽しくなくなることもある。そうなった時点で、マイ生徒さんたちは、えらいことを始めてしまったことに気づく。「やりたいこととやるべきこととのギャップ」に気づく。
が、人様のために吹くからといって、特別にむずかしいことをする必要はまったくない。むしろ、簡単な曲をいかに心を込めて感動的に合奏するかが問われる。
多くの人が、上達とは人に勝るものをプラスアルファとして身につけていくことだと考えているように思う。が、こと公共的演奏に関しては、ある程度の演奏力があれば、プラスをふやすことよりもマイナスをへらすことの方が大切だ。不安定なピッチ、そろわないリズム、ひとりよがりの抑揚、不完全な出来が生む緊張感と不安定感。こうしたものを排除できれば、派手さはなくとも安定感があり、安らいだ心持ちにしてくれる演奏になる。
が、趣味で始めたオカリナだからこそ、自分がやりたいことをなんとしても実現しようとしてしまう。日頃は気配りをできる人が、舞台という特殊な状況に我を忘れてしまう。不完全な仕上がりのままで人前で演奏してしまう。結果、コンサートはがまん大会となる。聴く人は疲れ、心は萎える。おざなりの拍手。それに気づかないあわれな演奏者。社交辞令の賛辞を真に受け、過信に落ち入ってしまう。
それを、狭い地域社会ではお互い様であるとの考えもあるのだろう。が、本来のお互い様とは、人間的にレベルの低い結果を受け入れ合うことではなく、事を起こすそのときから相手のことを思いやることで始まるものではなかろうか。
こんなことを自問自答しつつ十年が経ったこのグループとワタシ。ドレミファを練習したのも今は昔。が、きょうのレッスンでもたくさんの新曲候補を提出される意気込みを見て、まだまだ過去を振り返るのは早い、未来はますます楽しそうだと思わせていただいたのだとさ。
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管理人について
HN:
巴だ リョウヘイ
性別:
非公開
職業:
揚琴・笛演奏屋 オカリナのセンセイ
趣味:
ほしい。
自己紹介:
演奏活動範囲/全国の都心から山間地まで。
演奏場所/ホールからお座敷まで。オカリナは野外歓迎。
演奏目的/オープニングセレモニーから追悼演奏まで。
演奏形態/独奏から異業種間共演まで。
所属事務所/Magnolia Music(自分的オフィス)
コンタクト方法/上記のホームページ(HP)の「FAQ & Form」のページからどうぞ。
特 技/晴れ男であること。
オカリナ倶楽部 “夢見るガチョウ” 主宰。
2018年、京都府下農村から大阪府下住宅街に移住。
今も雨乞い師見習い。
今も自然農見習い。
ノアのおとうちゃん。
演奏活動範囲/全国の都心から山間地まで。
演奏場所/ホールからお座敷まで。オカリナは野外歓迎。
演奏目的/オープニングセレモニーから追悼演奏まで。
演奏形態/独奏から異業種間共演まで。
所属事務所/Magnolia Music(自分的オフィス)
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