#502 集 計

#502　集　計

　再開催ガチョコン４にご来場いただいた多くの方が、アンケートにご協力くださった。アンケートというものは、回収率もまたイベントに対する評価を物語る。約２５０名のご来場者のうち１２３名分を回収できたということは、まずまず評価していただけたと考えていいと思う。

　とは言っても、回収できたアンケートの中の、好意的な回答にだけ目が行ってしまっては何もならない。否定的な回答の中にこそ、アンケートに答えなかった方々の思いが隠れていると受け止めるべきだ。
　むろん、アンケートに答えなかった方のすべてが悪印象を持って帰られたということでもないはずだ。筆記用具がなかったり、時間がなかったり、字を書くのが苦手だったり、ただめんどくさかったり、記念に持ち帰ったり、紙ヒコーキにしたり、食べてしまったりした場合もあっただろう。

　きびしいご指摘もたくさんいただいた。が、主催者側に何かを伝えようという気持ちになっていただけたということは、少なくともこのコンサートを主催者側と共有していただけたということだから、ありがたく思う。

　出演者というものは、ついつい自分の耳に心地よいご感想だけを胸にしまい、それが結果のすべてだと無意識に思い込もうとする傾向がある。良い評価を励みにすることは必要だし「良かった！」の一言はようやく終わった大仕事の疲れをいやす何よりの薬だが、それで終わってしまっては、せっかく心からのご回答を提供いただいた皆様に申し訳ない。何事も、お客さんがその場におられたからこそなし得たのだという、一個の動かしがたい事実。アンケートは、このことを再確認させてくれる。

　今回のアンケートの設問の多くは選択回答形式だった。にも関わらず、多くの方が欄外にご自分の言葉で感想を書いて下さった。それらを拝読すると、開演中にいただいた万雷の拍手が、本当に心からのものであったことがわかる。また苦情とも言えそうな批判や、多くあったまったく相反する回答からも、この街の人が心の奥で何を求めておられるのかが見て取れるように思う。

　このたびの会場となった高槻市には音楽愛好家、オカリナ人口がとても多いからだろう、同好の士と思われる方の回答も多く見受けられた。それらには時に同好者ゆえのきびしさがあり、時に「失敗もお互い様」的なぐさめもあり、良くも悪しくも出演者の代弁者であるように思えた。

　慰労会でアンケートに目を通したガチョウさんのひとりが決然とした目をして静かに言った。
「ただ集計結果を見るだけではなく、お客さまの生の筆跡を見ることができてよかった」
　この言葉が、アンケートに表れたお客さまの想いに応えるべくますます練習に励み、より良いコンサートを作っていきたいとの決意の表明だったことは言うまでもない。

　たくさんの方が自分の言葉で書いて下さった様々なご感想・ご意見・ご要望は、時に具体的で、時に感性あふれる筆致だった。
　回答欄外にいただいた飛び切りうれしいメッセージのひとつが、これ。
「ちょっと聴いてみようかなと気軽な気持ちで立ち寄ったのですが、最後まで聴いていました」
　この日ワタシが、司会を担当していた時間だけ黒いエプロンをしていたことについて。
「センセイはなぜ黒いエプロンをしておられたのですか」
　理由は、演奏のときと気分を変えたかったが、全部着替えるのは面倒だったから。足が長く見えるから。
　さて、このたびの出演者５３名中４８名だった女性に向けて・・・
「みなさん、おきれいに見えました」
　めでたし、めでたし。

　明日２８日（増刊号）につづく。　
09.09.24 記　

ウチのオクラ。種子摂り用。

2009/09/27 (Sun) オカリナ TRACKBACK() COMMENT(0)