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揚琴、オカリナ & インディアンフルート奏者がつづるいろいろばなし。
音楽、田舎暮らし、自然・環境、時事、ほかいろいろ。
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#495 疲れない日

 きょうは、午後1時から6時までK市でオカリナのレッスンをして、家に飛んで帰って15分間で晩メシを詰め込んで家を飛び出し、8時から10時まで再びM町でレッスンだった。一日に7時間もレッスンをすると死ぬかと思ったが、思いのほか元気というより、まったく平気で意外だ。もしや、美女ぞろいのグループばかりだったからやもしれないな。

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 が、実は、レッスン中にワタシがうつらうつらしたりすれば、美女たちは一挙にアマゾネスへと変身してしまうのだ。

 で、きょうのような場合、何がいちばん疲れるかといえば、耳なのだ。センセイの仕事の第一は聴くことだからね。長時間集中して聴いていると、音がだんだん一個の固まりになってくることがある。6名で吹いている音が固まりになって漂い、うねりだす。倍音や差音が聴こえてくる。それは、耳が疲れ、意識が遠のき始めたサインだ。

 耳が疲れると、ピッチのずれがわからなくなり、リズムのゆれも演奏者のせいなのか自分のせいなのかわからなくなる。誰がどのパートを吹いているのか、なんという曲のどのあたりを吹いているのか、この人たちはいったい何をしているのか、ここはどこなのか、きょうはいつなのか、自分は誰なのか、何もかもわからなくなっていく。
 幸いきょうは、最後までしっかり音を聴き取り、聴き分け、問題点や進歩した点を把握することができた。なぜだろう、なぜかしら。
 きっとそのわけは、どのグループも仕上がりが良かったこと、来たる23日のコンサートに向け、みんなの気持ちが大いに盛り上がってきたことにちがいない。

 きょうの夜の部のレッスンは、ワタシの生徒さんの中では最古参のグループだった。聞けば、来月でレッスン開始十周年だと言う。なんてことだ、おたがい歳を取るはずだ。
 それにしても、人間というものは、何歳になっても、同じことを何年つづけていても、どこまでも進歩していけるものだと、人様を指導していてつくづく思う。技巧上の進歩の速度は、年齢とともに当然ペースダウンしていく。が、経験を積むに連れて、知的理解が深まるので、失敗から学べるようになる。応用が利くようになる。また、がむしゃらにやることから離れ、力の抜き方がわかってくる。こうなると、ますます楽しくなってくる。

 高い目標を立てて邁進できた若い頃を、懐かしみこそすれど求めず、マイペースで自分の世界を深めてゆく楽しみを知るには、どんな分野でもある程度の経験が必要だろうか。ワタシはそうは思わない。何かを始めたその日から、マイペースで道を行くことは万人に許されている。これまで唯一それを許さなかったのは、ほかでもない自分自身だったのだと、歳がいってから気づく。同時に、マイペースと自分勝手のちがいもわかってくる。マイペースとは結局、無欲のことなのだと知る。そして、無欲こそもっとも力強いのだと、小さな子どもを見て思い知る。ただ、子どもは本能のままだ。人間社会の中で適切に自分を生かす術を知らない。だから、大人のマイペースとは、適切に方向付けされた無欲のことなのだと言える。言い換えれば、意思を持つ無欲だと言える。
 では、その意思とは欲のことではないのかと言えば、けっしてそうではない。その意思とは、畢竟生きる意思であり、様々な経験の中で磨き抜かれた知恵なのだ。

 疲れると言えば、センセイの仕事の第二であるところの手拍子。これはあんまりやると腕と指が疲れる。オカリナを上手くあやつれなくなる。
 立ちつづけているのも足が疲れるのでできるだけイスに掛けるようにしているが、いつも気がつくと立ち上がってああだこうだとのたまっている。いつまでもそんな熱さを持ちつづけたいとは思うが、そろそろ後でがくっと来ない程度にしておこうかな。

 おしまい。 
09.09.14 記 
秋明菊
秋明菊
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管理人について

HN:
巴だ リョウヘイ
性別:
非公開
職業:
揚琴・笛演奏屋 オカリナのセンセイ
趣味:
ほしい。
自己紹介:
 
演奏活動範囲/全国の都心から山間地まで。
演奏場所/ホールからお座敷まで。オカリナは野外歓迎。
演奏目的/オープニングセレモニーから追悼演奏まで。
演奏形態/独奏から異業種間共演まで。
所属事務所/Magnolia Music(自分的オフィス)

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特 技/晴れ男であること。

オカリナ倶楽部 “夢見るガチョウ” 主宰。

2018年、京都府下農村から大阪府下住宅街に移住。
今も雨乞い師見習い。
今も自然農見習い。
ノアのおとうちゃん。
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