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揚琴、オカリナ & インディアンフルート奏者がつづるいろいろばなし。
音楽、田舎暮らし、自然・環境、時事、ほかいろいろ。
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#492 自然ピッチ

 いつも車で走る国道。ウチの方のような片田舎では、国道といっても田んぼの間を通っていたり、両側に草むらや川が続いていたりする。今の季節に車で走ると、ずっと秋の虫の声が聴こえてくる。ときには、コオロギの鳴き声が何キロにも渡ってつづくことがある。

 コオロギにも何種類かあって、それぞれ鳴き声がちがう。「リリリリリー」「リ、リ、リ、リ」「リーーーーー」てなもんだ。それが一斉に鳴くときには、あたかも一本の太い線がうねるような「リ〜〜〜〜〜・・・」というような音になる。今の季節の夕刻の国道や府道沿いでは、この大合唱があんまり長くつづくもので、自分が運転している車にコオロギが乗っているのかと疑ってしまう。が、その声は一瞬途切れて後ろへ遠のいたり、時折コオロギの声に割り込むクツワムシの「ガチャガチャガチャ」という声にかき消されたりするので、間違いなく外で鳴いていることが確認できるのだ。

 さて、一本の太い線がうねるような「リ〜〜〜〜〜・・・」という音に聴こえるコオロギの大合唱は、音の高さ、音楽用語で言うところの「ピッチ」がほぼそろっている。何万匹、いや何十万匹のコオロギの声が、ピッチがそろっているがゆえに、あたかも一本の線のようにつながって聴こえる。これはまさしく、自然の驚異のひとつだと思う。

 人間が合唱するとき、ピッチをそろえるのに難儀する。そもそも、そろえようという明確な意思を持たなければ、けっしてそろうことはない。では、コオロギはどうなのだろう。あのピッチは生まれつきのものなのだろうか。それとも、何らかの理由でお互いに聴き合って合わせているのだろうか。

 それはさておき、人間の場合、合唱でも合奏でも、複数の人間が、ルールと知識と感性を、できるだけ同レベルで共有していなければ、調和のとれたピッチによる美しいハーモニーは生まれない。そして少なくともルールと知識は、後天的に身に付けるものだ。
 一方コオロギは、おそらく生まれつき、一定のピッチを維持し共有している。コオロギがピッチを合わせる練習をしているところなど見たことも聴いたこともないから、そうにちがいないのだ。きっとそのピッチは、DNAに刻まれたピッチなのだろう。

 人間が、たとえばオカリナで合奏する場合、DNAに刻まれたピッチを探ってみればどうだろう。もしそのようなものが見つかったとすれば、素晴らしいハーモニーが生まれるにちがいないと思うのだが。
 これはけっして絵空事ではない。世界各地には、そのようなピッチに近いピッチを用いていると思われるフシがある民族音楽ないし伝統音楽が少なからずあるのだ。ある者が口火を切って合唱が始まる。あるいはみんなが一斉に歌い出す。その際、いつもほぼ同じピッチになるという。それらのピッチの基準音はC#かDの付近の高さの音であることが各地で共通しているという。そしてそれは、地球が発している振動と共鳴するピッチだというのだ。

 このようなピッチを「自然ピッチ」と呼ぶとすれば、自然ピッチを実現する条件は、まず仲間がいること。これによって季節や時刻や気分などによって生じるピッチの誤差を小さくできる。そしてそこに信頼関係があること。それぞれが勝手に歌っていてはどうにもならない。そしてもっとも大事なことは、みんなが自意識を捨て去ることができることではないか。なぜなら、自然ピッチは無意識の彼方、つまり本能に埋もれているものにちがいないからだ。無意識を解き放つのだっ。
 他者の音を自分の音として聴くこと、自分の音を他者の音として聴くことが、自然ピッチを探る旅の第一歩のような気がする。

 おしまい。 
09.09.08 記 
いつの間にかいなくなった。
ヒグラシ

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巴だ リョウヘイ
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自己紹介:
 
演奏活動歴/揚琴、27年。オカリナ、16年。
活動範囲/全国の都心から山間地まで。
演奏場所/ホールからお座敷まで。オカリナは野外歓迎。
演奏目的/オープニングセレモニーから追悼演奏まで。
演奏形態/独奏から異業種間共演まで。
所属事務所/Magnolia Music(自分的オフィス)

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特 技/晴れ男であること。

オカリナ倶楽部 “夢見るガチョウ” 主宰。

京都府下農村在住。
雨乞い師見習い。
自然農見習い。
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