#613 さびし〜いっ

#613　さびし〜いっ

　動画をひとつ紹介したい。下記ブログの４月１８日をご覧を。
　民族楽器 KOIZUMI
　これは誰だらふ。ちょっとふざけた野郎だな。

　二月から始まった久しぶりの揚琴教室。その第三回目のときに、この動画は収録された。レッスン会場のコイズミ楽器さんのスタッフさんが突然、
「当店のブログで紹介したいので、レッスン風景を少しだけ撮らせて下さい」
「ようがす」
「生徒さんの演奏なんかも」
「よしなに」
「で、あと、ちょっとだけセンセイの演奏も」
「承知」
　が、見てみりゃ、ワタシの演奏だけしかアップされてないじゃないか。
　この日から、生徒さんのＴさん自選のバッハのメヌエットの練習を始めた。２時間たっぷり練習し、せっかくその成果を収めたのに、なんで出さないんだよ。物怖じせず（そう見えた）間違えず、良い演奏だったのにな。

　ワタシはと言えば、なんで赤とんぼを弾いたんだっけ。季節外れじゃないか。たぶん、慣れないレッスン用の楽器で弾けそうな曲をほかに思いつかなかったんだらふな。「さくら」とか「春の日に花と輝く」なんかにすればよかったな。
　前半の即興演奏は、まあこんなものだらふ。
　にしても、普段着でメガネかけてさー。気合いが感じられんな。

　バッハのメヌエットは、子どもの頃にピアノを何年か習ったことがある人だったら、たいてい習う曲のひとつだ。子どもの頃ピアノを９年間習ったというＴさんも、きっとこの曲を習ったことがあるのだらふ。が、始めたばかりの揚琴で弾くのは、たやすくはない。で、この曲を仕上げるというよりも、この曲を通して基礎を身に付けるというレッスンになる。へんたい集中して基礎錬をできる人でそれはよかった。

　どんな曲を練習するときでも、いわゆる「弾けるようになる」ための練習と、表現の工夫だけで終わってはならないと思う。常に基礎を磨くという意識を持つことで、確実に地力が付く。逆に言えば、ただ「弾けるようになる」で終わってしまえば、いつまでも基礎力が伸びないということだ。そうすると、新しい曲に臨むたびに、多くの課題を一から練習し直す羽目になる。
　だからセンセイは、揚琴のレッスンでもオカリナのレッスンでも、基礎に関することをより多くアドバイスする。毎回のように同じことを言うことも多い。

　が、この指導法は生徒さんたちにはウケがよろしくない。基礎錬は地味でつまらないことはよくわかるので、センセイことワタシはもちろん無理強いはしない。ここは大人のオカリナ教室なんだから。が、秘かにさびしい思いをしている。なぜなら、基礎力を身に付けることこそが独立への最短の道であり、生徒さんが独立独歩で練習できるようになれるように、センセイことワタシは基礎錬に力を入れているからだ。で、その思いがなかなか通じないがゆえに、さびしい思いをしてしまう。ひじょ〜に、さびし〜いっ。

　コイズミさんでの揚琴教室もあと一回を残すのみとなった。唯一的生徒であるＴさんは晴れて卒業する。これはこれでさびし〜いっ。
　揚琴教室は、七月から再び無期限的開店休業となる。これは別にさびしくはないぞ・・・って、やせがまんするなってか。

　おしまい。　
10.05.09 記　

栗の芽吹き。葉が三枚になったらキュウリを播くと伝わる。

2010/05/10 (Mon) 音　楽 TRACKBACK() COMMENT(2)