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揚琴、オカリナ & インディアンフルート奏者がつづるいろいろばなし。
音楽、田舎暮らし、自然・環境、時事、ほかいろいろ。
どうぞ、ごゆっくり。
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#612 番

「番」と書いて「つがい」とも読む。蝶番つーと、二枚の板をつないで開閉できるようにする金具のことだ。つまり「つがい」とは「 二つのものが組み合わさって一組みになること。また、そのもの(大辞泉)」との意味だ。動物のバアイは夫婦的カップルのことですな。動物では、およそ番を形成しない種は存在しない。するはずがない。それゆえに、悲喜こもごものドラマが生まれる。

 多くの野鳥は今、番を形成する季節だ。ツバメ、カラス、ホオジロ、そしてシジュウカラなどなど。カップルを作り、巣作りをする。

 ツバメがウチの家の中に巣を作ろうとしたことがある。まず、オスが家の中を飛び回って適当な場所を探す。メスは軒下や電線に留まって待っている。オスは気に入った場所が見つかるとメスを呼ぶ。が、メスが気に入るとは限らない。オスがクチュクチュと鳴いてしきりにメスを呼ぶが、メスはチュクチュクとつぶやき、なんだか不満そうだ。いくらオスが呼んでも一向に家の中に入ろうとしない。こうなると、オスはあきらめるしかない。あきらめてくれ。ウチの中に巣を作られては困るのだ。

 一昨日は、マイ田んぼの一角に設えた苗代に、ホオジロの番が侵入しようとした。二羽のホオジロが田んぼの縁に張られた鹿除けネットに留まって、種籾が播かれたばかりの苗代を伺っている。やや大柄なオスが果敢に飛び込む。メスは待っている。で、苗代一面に張られた鳥除けネットの前に佇んだオスは、しばらく沈思黙考したのち侵入をあきらめて飛び去った。メスは何も言わずにオスに付き従った。

 先日は早朝に、田んぼへとつづく林道で、シジュウカラの番と出会った。杉林の縁の手が届きそうな所を、たわむれ合うように飛んでいる。黒い頭と背中から伸びた薄紫色の翼を音もなくはばたかせて舞う姿は、まるで二羽の蝶がひらひらと宙を漂うようで、重力をまったく感じさせなかった。
 その翌日、同時刻に同じ場所で、再び同じ番に出会った。梢から梢へと見え隠れしながら移動するときは、常にオスがメスを先導し、メスは素直に付き従っていた。

 鳥たちの番を見ていると、なんだか胸がいっぱいになってくる。なぜだかわからないが、見ているだけで胸がいっぱいになってしまうのだ。きびしい自然の中で力を合わせて懸命に生きているからだらふか。オスがメスを先導する姿が人間の姿に重なるからだらふか。それでいて、人間よりもはるかに仲が良く見えるからだらふか。わからない。とにかく、ただただ胸がいっぱいになってしまう。

 言えることは、鳥の番の姿には美があるということだ。

 生き物がかもし出す美とはなんだろう。鳥の姿は美しい。羽根の色合いや模様はまさに神のみが生み出せる創造物だ。が、美は外見だけではないように思う。その美は、鳥が生きていてこその美なのではないか。ことに番の姿がかもし出す美は、それがつい見落としてしまいそうな小鳥であっても、大いなる孤高の動物が放つ美に負けずとも劣らない。それはおそらく、生そのものが放つ美なのだ。
 鳥たちの番の営みには、無心の信頼があり、無心の恊働があり、無心のたわむれがある。それらは単独の生の1ステップ上の生の姿であるがゆえに、美は相乗されている。
 では鳥たちの番の姿は、ひとつの天与の美としてワタシの胸を打つのやもしれない。

 いや、シジュウカラの番の舞姿にふれて、実はもっと素朴な思いを持ったワタシだった。
「人間の番も、いつまでも仲良くなくてはなー」
 素朴すぎるってか。

 おしまい。 
10.05.07 記 
なんて名前の花だらふ。田んぼへとつづく林道で。
白い花

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巴だ リョウヘイ
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演奏活動歴/揚琴、27年。オカリナ、16年。
活動範囲/全国の都心から山間地まで。
演奏場所/ホールからお座敷まで。オカリナは野外歓迎。
演奏目的/オープニングセレモニーから追悼演奏まで。
演奏形態/独奏から異業種間共演まで。
所属事務所/Magnolia Music(自分的オフィス)

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特 技/晴れ男であること。

オカリナ倶楽部 “夢見るガチョウ” 主宰。

京都府下農村在住。
雨乞い師見習い。
自然農見習い。
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