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揚琴、オカリナ & インディアンフルート奏者がつづるいろいろばなし。
音楽、田舎暮らし、自然・環境、時事、ほかいろいろ。
どうぞ、ごゆっくり。
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#577 紙 鳴

 土間にある大きな戸棚を開けて、冬眠していたでっかいスピーカーを取り出して驚いた。湿気除けのために木の底板の上に敷いておいた分厚い段ボール紙が、湿気でぼろぼろになっている。これはいかん。このでっかいPA用のスピーカーをマイスタジオのオーディオ用に転用しようとしたのだが、果たして美しい音で鳴ってくれるのだらふか。

 土間には農機具の大半が置いてある。初めて作ったお米の脱穀も大半はここで行なった。その片隅にスピーカーが置かれている図は、かなりシュールやもしれない。
 それはともかく、鳴らないスピーカーなんて、物入れにしたこともあるが使いにくく、イスにしたこともあるが座り心地が悪く、ベッドにしたこともあるが寝心地が悪く、車にしたこともあるが燃費が悪く、思い余って黒焼きにして食べてしまおうとしたがよく知ったご婦人に止められ、嗚呼、鳴らないスピーカーなんて、冷蔵庫にも劣る粗大ゴミ以外の何ものでもない。

 二個のでっかいスピーカーを、うんこらしょとスタジオに運び、早速アンプにつないでみた。おーっ、鳴った、鳴った。が、大きな音で再生すると、うーむ、一個は低音が割れる。

 スピーカーの心臓部の主な材質が紙であることを知る人は意外に少ない。紙だから、湿気やホコリに弱い。このたびの不調も湿気やホコリで紙に負担がかかっているだけであれば、自力復旧の可能性はある。
 が、この時点で、ワタシはある忌まわしい状況を予感していた。

 とにかく復旧を試みるしかない。ドリルで長いボルトをはずし、スビーカーを外枠からはずしてみた。お、重いっ。紙でできたスピーカーだが、その鉄製の枠はあまりに重たい。重さに耐えて、内部をのぞいてみると、ああっ、ううっ、中にはやはりあの忌まわしい輩が澄ました顔で居座っていた。

 一匹でよかった。冬場の田舎の家では、土間の隅や物陰、そして長靴や掛けてある作業着や、ときには置いてあった軍手の中までが、あの忌まわしいカメムシの居場所となる。軍手をはめた途端に、ぷ〜んと、あの最悪の臭気が鼻を突く。そうなるともう手遅れだ。いくら手を洗っても、丸一日は臭いが取れない。うっかり指先で目や鼻をこすろうものなら、眠気が飛ぶどころか、おはようっ、おやすみっとばかりに気絶しかねない。
 ということでワタシは、きっとスピーカーもカメムシの巣ぴーかーと化しているにちがいないと想像していたのだ。

 さらに、カメムシの群れがスピーカーの命であるコーン紙の裏側にへばりついていて、そのせいでスピーカーが正常に振動せずに音が割れるという悪夢のような状況も考えた。とにかく、一匹でよかった。くそ重たいスピーカーを抱えたままで、カメムシを二本の鉛筆でつまみ出した。

 さて、あとはほこりを落とす以外に手の打ちようはない。重たいスピーカーを外枠に取り付け直した。で、音を出してみると・・・おおっ、割れずにきれいに鳴ったっ。スピーカーの心筋とでも言うべきコーン紙がよみがえって、雷様のような重低音が響き始めた。紙が鳴っているのだから、紙鳴り様だ。
 紙鳴り様に免じて、ただ一匹居座っていたこやつが音割れの犯人だったのかどうか、ここはひとつ追求せずにおいてやろう。というより、もう関わりたくない。
 で、結局、フタを開けて閉めただけでなぜか生き返ったという、電気製品の修理の見本を示した形となってそれはよかった。が、そのよみがえった音は、なんだかしばらくは、ぷ〜んと臭ってきそうな気がしたとさ。

 おしまい。 
10.02.23 記 
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巴だ リョウヘイ
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揚琴・笛演奏屋 オカリナのセンセイ
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自己紹介:
 
演奏活動歴/揚琴、27年。オカリナ、16年。
活動範囲/全国の都心から山間地まで。
演奏場所/ホールからお座敷まで。オカリナは野外歓迎。
演奏目的/オープニングセレモニーから追悼演奏まで。
演奏形態/独奏から異業種間共演まで。
所属事務所/Magnolia Music(自分的オフィス)

コンタクト方法/上記のホームページ(HP)の「Contact」のページからどうぞ。

特 技/晴れ男であること。

オカリナ倶楽部 “夢見るガチョウ” 主宰。

京都府下農村在住。
雨乞い師見習い。
自然農見習い。
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