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揚琴、オカリナ & インディアンフルート奏者がつづるいろいろばなし。
音楽、田舎暮らし、自然・環境、時事、ほかいろいろ。
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#163 孤独なピアノっ娘へ

 小さな頃から自分の主張を持っている子供もいる。その主張は、論理によるものではなく、経験によるものでも、欲望によるものですらない。その子はおそらく、その主張を持って生まれてきたのだ。その主張は、人生においてその子がどの道を歩みたいのかを示しているものなのだ。

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 五才の頃から音楽に惹かれてゆく子供もいる。日がなピアノにふれたがり、音ははちゃめちゃでも、ノリがよくまとまりが感じられる。そして、鍵盤をたたく姿がずいぶんさまになっている。

 何事にもまず自己流でトライする。自分なりに工夫ができる。繊細な美を感じ取れる。興味が持続し、集中力がある。こんな子には、どこかしら孤独の影がつきまとう。が、こんな子にはかえって人並みにあれこれさせるよりも、まずは好きな曲に徹底的に取組ませる方が良いと思う。大人は、その子が道に迷いかけたときに、ほんのちょっと助けてやるだけでよい。

 子供の音楽教育では、既存の体系にしたがって教えれば一定の技術は身についてゆく。しかし、体系的指導がその子の持ち味を押さえ込んでしまうことへのたいへん大きな心配が付いて回る。

 小さな子供の音楽性をどのように導き、伸ばすか。基本は「その子が伸びたい方へ伸ばしてやる」ことだろう。
 が、伸びたい方へ伸びたいだけ伸ばしてやると、いつかは他者の個性と衝突する。他者とは、ともだちかもしれないし、楽譜で出会った作曲家かもしれない。
 そこまではよいとして、そこで他者とどう共存していくか、そして周囲とどう協調していくかを知らなければ、他者に押さえ込まれるか、周囲に刈り取られることになってしまう。

 人は誰しもひとりで生きてゆくことは叶わない。合奏はひとりではできない。であれば、共存・共演を教えることは、個性を伸ばすことと対立することではなく、個性を本来の姿で花開かせることになるはずだ。

 共存を妥協であると考えれば、それは個性を害するものとなる。共存を他者を鏡とできる機会であると受け止めれば、それは個性を磨くものとなる。
 と思う。

 おしまい。 
07.10.29 
よく知ったご婦人作・野花のウェルカムフラワー。子供たちのピアノ発表会にて。
ウェルカムフラワー
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管理人について

HN:
巴だ リョウヘイ
性別:
非公開
職業:
揚琴・笛演奏屋 オカリナのセンセイ
趣味:
ほしい。
自己紹介:
 
演奏活動範囲/全国の都心から山間地まで。
演奏場所/ホールからお座敷まで。オカリナは野外歓迎。
演奏目的/オープニングセレモニーから追悼演奏まで。
演奏形態/独奏から異業種間共演まで。
所属事務所/Magnolia Music(自分的オフィス)

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特 技/晴れ男であること。

オカリナ倶楽部 “夢見るガチョウ” 主宰。

2018年、京都府下農村から大阪府下住宅街に移住。
今も雨乞い師見習い。
今も自然農見習い。
ノアのおとうちゃん。
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