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揚琴、オカリナ & インディアンフルート奏者がつづるいろいろばなし。
音楽、田舎暮らし、自然・環境、時事、ほかいろいろ。
どうぞ、ごゆっくり。
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幼稚園児時代、肺炎で三ヶ月入院した。
このたびの入院はそれ以来だ。
あの時は街中の木造二階建てで庭と池がある小児科医院の、二階の表通りに面した病室だった。
で、この度は田舎の山腹に建つでっかいビルヂングの総合病院の、新館の四人部屋となった。
二泊三日の楽しい入院ライフのリポート、笑ってやってください。

拍手[8回]


実は、タクシーで病院へ受診に向かった際、すでに数日分の着替えと洗面用具ほかを用意していた。
これは、よく知ったご婦人のファインプレー。
果たして、若き女医先生曰く。
「無理して動くと膝が曲がらなくなるかもしれません。なんなら三ヶ月ほど入院してもらってもいいですよ」
それはかなり困る。
コンサートの予定もあるし、毎月のたくさんのレッスンもある。

ワタシ「…それは、あり得ません」
先生「じゃあ、きょう帰りますか」
ワタシ「なんでそんなに極端なんですか」
先生「白黒はっきりさせるのが医者の勤めなのです」
ワタシ「というか、レントゲン写真の見過ぎでは」
先生「それに、曲がったことがキライなのです」
ワタシ「話逸れ気味ですが、それはさすが整形外科医ですね」
先生「整形外科医の中の整形外科医」
ワタシ「では、膝が曲がらなくなることは先生の望む所なのですか」
先生「…かなり屈折してますね」
ワタシ「屈折ではなく骨折してるんでしょ」

で、ワタシの方で勝手に三日間お世話になると、大した根拠も無く決めた次第。
ウチのご婦人、しばし楽ができると喜ぶ。
…ん??

女医先生の適切な処置で、大量の内出血が引き起こしていた激痛から解放され、右足全体を包むギプスもうまくフィットした。

で、生まれて初めて車椅子に乗り、看護士さんに連れられて病室に入った。
そこでふと、すべてが他人事のような気がしていることに気づいた。
自分はなぜ今ここにいてこうしているのだらふ…。
何もかもが淡々と進行している今、ここ。
ただし、ゆっくりゆっくりと。
そして、気持ちは極めて平静だ。
つまり、状況に完璧に順応している。
事故当夜「世界が完全に変わってしまった」という言葉が口を突いて出たことを、このとき思い出した。

マイ両親のたびたびの入院の際、病気をしても入院だけはしたくないと強く思った。
まず、病院の独特の臭いが苦手だった。
それに、患者や医者や看護士や見舞客や飛脚や篭屋や馬や牛で騒々しいのも耐え難い。
消灯・起床時刻も、切腹申し付けられた侍じゃあるまいし、異様だ。
おまけに、夜中に重たそうな看護士さんがどすどすと見回りにくる。
特に、見知らぬ人と気を使い合って過ごす大部屋はきっと耐えられない。
美人ばかり見舞いに来るワタシに嫉妬した油親爺が夜中にワタシのベッドにセアカゴケグモか何かをすべり込ませないとも限らない。
などなどの理由にて。

それが、どうだ。
あっという間に順応してしまっている自分に驚いた。
それでいて、どうにも現実感が乏しい。
確か、右膝に重傷を負ったんだな、俺は。
現実感が乏しいがゆえに順応できているのか。
では、なぜ現実感が乏しいのか。
精神の緊急避難行動か。
いや、五感は事故後いつもより格段に冴えている。
食欲もありすぎるほどある。
ワカラナイ。
病室のベッドに横たわると、薄いナイロン製のカーテン越しに聴こえてくる様々な「病院の音」を、なんだか上の空で聴いているうちにうとうとしていた。
夕べは痛みでほとんど眠ってなかったんだっけ。

持て余しそうな時間を得て、何かをじっくり考えられるかなと思った。
ところが、気がつけばうとうとしている。
または、気がつけば車椅子で走り回っている。
でなければ、ケイタイでツイートしている。
擬似躁鬱患者Aの短いが気ままで不思議な入院ライフはつづいた。

 つづく。


※ 女医先生との会話には一部フィクションが含まれてます。というか、大方フィクションです。

 
12.11.01 記 


ある日のホスピタル・ディナー・セット。牛蒡の豚肉巻き、豆腐のすき焼き風、金糸卵とほうれん草の和え物。







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拍手より
「(前略)…では強烈なるリハビリテーションをおきばりください  スポーツマンだった貴殿のこと、きっと正座が出来るようになると考えます…(後略)」

…ワタシの同窓生のお医者さんやってる友人から拍手コメントもらいました。
そうか、正座ができるかどうか危ういのか。
学生時代は根性は人並みにあったつもりだけど、正座はもともと超苦手だったし、どうなるかなあ。
巴だ EDIT
at : 2012/11/22(Thu) 11:13:33
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管理人について

HN:
巴だ リョウヘイ
性別:
非公開
職業:
揚琴・笛演奏屋 オカリナのセンセイ
趣味:
ほしい。
自己紹介:
 
演奏活動範囲/全国の都心から山間地まで。
演奏場所/ホールからお座敷まで。オカリナは野外歓迎。
演奏目的/オープニングセレモニーから追悼演奏まで。
演奏形態/独奏から異業種間共演まで。
所属事務所/Magnolia Music(自分的オフィス)

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特 技/晴れ男であること。

オカリナ倶楽部 “夢見るガチョウ” 主宰。

2018年、京都府下農村から大阪府下住宅街に移住。
今も雨乞い師見習い。
今も自然農見習い。
ノアのおとうちゃん。
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