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揚琴、オカリナ & インディアンフルート奏者がつづるいろいろばなし。
音楽、田舎暮らし、自然・環境、時事、ほかいろいろ。
どうぞ、ごゆっくり。
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米作りは「苗半作」と言われる。
米の出来具合の半分は苗の出来の良し悪しで決まるとの意味だ。
2013年4月23日、苗代に籾播きをした。
が、今年は気合いはそこそこに、穏やかでおおらかな心持ちを心がけて取り組んでいる。
天地のおおらかさ、力強さに身も心も委ねたい。
そんな思いがますます募る日々の中での苗代作りであり籾播きであった。
以下、誰のためにともなくつづるその記録でありまする。

拍手[6回]


苗代作り・籾播きは、もう四度目になる。
うまくいった年もあったが、去年は大失敗した。
今年は家のすぐ脇に新たに田んぼを借りた。
気持ちも新たになった米作りのすべり出しはいかに。

籾播き DATA:
2013年4月23日(火)午前9時、播種。
晴れのちくもり。微風。朝霧たいへん濃し。
満月の三日前。
苗代面積/1坪強
使用資材/ウチの畑の土(毎年草が生い茂っていた箇所の土)、ウチの田んぼで穫れた種籾と稲ワラ、裏の杉林の杉の杭、近所の竹林とウチに生えた竹、沢の水、油粕少々、鳥除けグッズ、鹿侵入防止ネット多数


1.苗 代



いわゆる畑苗代(はたなわしろ)だ。
今年も田んぼの外に作った。
今年から新たに借りた田んぼは、表面はでこぼこで固い粘土のかたまりがごろごろしている。
去年の刈り入れの際にコンバインが入って掘り返し踏みつけたままの状態だったのだ。
全面に鍬を入れてある程度は整備した。
が、田んぼの中に苗代を作るのは難しい状態だと考え、外の畑地のはずれを選んだ。

草を刈り、そこに畑の土を運んで積み上げ、畝にした。
一坪強しかないが、完成まで丸二日かかった。
ヨモギ、スギナなどの宿根草の根と石をていねいに取り除くだけで丸一日を費やしたという。
根は手でもみほぐして土を落とす。
根がつかんでいる土に一番滋養がありそうだから、この作業では手を抜きたくなかった。




種籾を播く前に、まず上の写真のように、苗代の表面を手のひらで撫でて平らにする。
土を細かくなめらかにするには、手のひらで土の感触を感じながら撫でるのがいちばん。
なだらかな起伏は残るが、気にしない。


2.種 籾




昨年ウチで穫れた稲から育ちが良さそうなのを適当に選んだ個体の籾だ。
苗作りで大失敗した昨年、数少ない苗をなんとか育てた稲の種子で、四年間代替わりし受け継がれてきたものが中心だ。
前日に沢の真水で選別した。
消毒などは一切していない。
これらがこの苗代と後日設える予定の別の苗代、そして直播き実験の対象となる。


3.水 利




よもや去年畑用に引いた水路が苗代作りに役立とうとは思わなかった。
この溜め水が地下に染みてゆき、伏流水のようになって苗代の底を潤しているのだ。
写真手前の升に沢から水を引き込み始めると、満水になる頃には苗代を取り巻く地面に水が浮いている。
これならば、田植えまでは沢の水が途切れることはないだろうし、苗代に水をやる必要はほとんどないだろう。
多量の水を要する苗を取り出す作業にも便利な水利だ。


4.播 種




で、種籾を播いた。
立ったままで、手の平に持った籾を指の間からぱらぱらと落として播いていく。
これがなかなか均一に播けない。
サンマの塩の尺振りを思い出す。
手のひらから落とした籾は、ラグビーボールのように不規則にあっちこっちへ散らばる。
重なったり偏ったりした籾の位置の微調整に1時間近くかかった。
まだまだ偏っている。
が、まあこんなものでよしとしやう。
ていねいが過ぎて神経質になってはいけない。
発芽率に自信が持てないので多めに播いたから、ちょっと密な感じだ。
まあ、発芽しすぎたら間引けばいい。
 ●種籾/2合弱


 この間、となりのおばあさんが畑の土を運ぶのを手伝い、しばし雑談。
 今年から田んぼと畑を貸してくださったおうちだ。
 おじいさんが体力的にもう田んぼをできなくなり、畑担当のおばあさんも規模縮小することになったので、ウチが一部を貸していただいたという次第。


5.覆 土 ~ 撒 水

播いた種籾全体にふるった土をうすく万遍なくかけ、手の平でていねいにならす。
今年は覆土は種籾がかろうじて隠れるくらいの厚さにした。
去年は厚すぎて発芽率がたいへん悪かったのだ。
覆土用の土は前日までに一日かけてふるいでふるっておいた畑の土だ。
 ●覆土/バケツ3杯




そして、全面に刻んだワラを振り撒いた。
ワラは保水と保温、紫外線防止、つまり土中の環境保全を果たす。
もちろん去年穫れたワラだ。
 ●刻みワラ/バケツ3杯

その上にじょうろで水をやった。
升に溜めた沢水だ。
 ●水/如雨露3杯


6.仕上げ




全面に振り撒いた刻みワラの上に、さらに長いままのワラを敷く。
鳥や獣から種籾と苗代を守るのが主な目的。
もちろん、苗代の環境保全にも。
風で飛ばされないように竹で押さえる。

これで完成。
おだやかで美しい姿に見とれてしまう。
そして、ほとんど現地調達の自然の資材のみで作られ育まれる苗代で、去年の遺物が今年の糧となる循環の有り様の中にこの身を置き、深い安寧の念を抱く。




真ん中に、この半年間仏壇にお供えしてきた去年の稲を、お守りとして置いた。


7.「♫ゴンベが種播きゃ、カラスがほじくる」




籾播きの間中、すぐ側の樹上でホオジロがさえずっていた。
先日から、苗代作りをしているとほんの数メートル側まで来て地面をうろうろしている。
いっしょに楽しんでくれているのだろうか。
否、籾をねらっているようだ。
稲ワラの匂いに惹かれてやって来たにちがいない。
カラスもいれば山鳩もセグロセキレイもいるし、ときには鷲も鷹もペリカンもダチョウもやってくる。
鳥たちから種籾を守るにはこうするしかない。
せっかくの自然と一体になった苗代の美姿が台無しだわい。
(手前右端はカラスのイミテーション。カラスは見せしめの死体だと思ってこわがる。光る円盤は廃CD-R)

 ●籾播きから鳥除け設置完了までの所要時間/3時間


備 考:
苗代作りの第一段階で、草を刈ってむき出しになった地面に、おまじない程度に油粕を振り撒いてから畑の土を入れた。
肥料と呼べるものでこの苗代に入れたものはそれだけだ。
米ぬかは入れなかった。
去年、近所で調達した米ぬかを振り撒いたら、土が固くなってしまったからだ。
一般の精米機で精米されたぬかは精米歩合が高く、白米の成分まで混じっているのでそうなってしまうようだ。

以 上


とまれ、穏やかな心持ちのままで苗代作りから籾播きまでを終えられたことをありがたく思う。
苗代作りも四年目となると、段取りはすっかり頭に入っている。
が、試行錯誤はこれからも続く。

ここまで、順調すぎるくらい順調に進んできたマイ・ニュー田んぼ。
ニュー田んぼとの出会いからきょうまでの経緯は別の機会につづりたい。

この三日後の4月26日は満月。
満月の直前は種蒔きに最適だという。
月の引力が土中の水を地表の方に吸い上げるからだ。
潮の満ち引きと同じことが、土中でも起こっているのだな。

さて、この日は午後からくもり始め、風が起こり、夜半には雨が降り出した。
この天候の変化を読んでいたにも関わらず、うっかり苗代にたっぷり水をやったのはワタシ。
雨乞い師見習いとして、自然農見習いとして、まだまだだわい。


 おしまい。 

13.04.24 記 


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管理人について

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巴だ リョウヘイ
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揚琴・笛演奏屋 オカリナのセンセイ
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ほしい。
自己紹介:
 
演奏活動範囲/全国の都心から山間地まで。
演奏場所/ホールからお座敷まで。オカリナは野外歓迎。
演奏目的/オープニングセレモニーから追悼演奏まで。
演奏形態/独奏から異業種間共演まで。
所属事務所/Magnolia Music(自分的オフィス)

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特 技/晴れ男であること。

オカリナ倶楽部 “夢見るガチョウ” 主宰。

2018年、京都府下農村から大阪府下住宅街に移住。
今も雨乞い師見習い。
今も自然農見習い。
ノアのおとうちゃん。
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