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揚琴、オカリナ & インディアンフルート奏者がつづるいろいろばなし。
音楽、田舎暮らし、自然・環境、時事、ほかいろいろ。
どうぞ、ごゆっくり。
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4月23日に蒔いた種籾は、その後5月13日まで沈黙したままだった。
普通、種を蒔いて三週間芽が出なければあきらめる。
で、あきらめたワタシ。
いやさ、大自然の大いなる振る舞いに敬意を表しつつ粛々と転進するのだと自分に言い聞かせ、取り置いた別種の籾に一縷の望みを託し、籾の蒔き直しの準備をした(水で選別した籾を一晩水に浸した)。
が、が、が、蒔き直すべく苗代へ向かった今朝、籾を蒔いた土に被せた藁をそっとめくってオドロイタ。
たくさんの稲の苗が顔を出しているではないか。

拍手[6回]


稲の苗は、やわらかな黄緑色の、微かな細糸のようだ。
あまりにか細いその命を、しばし武骨な視線で愛でた。



苗代の土の状態、湿り気、覆土の厚さ、被覆ワラの加減には問題はなかった。
それでいて見事に一本も芽が出なかったものだから、これは種籾に問題があったに違いないと昨日は考えた。
すべてF1(一代交配種)であったか、未熟だったか、はたまた管理が悪くて湿気てしまっていたか、それぞれの考えに至るそれなりの根拠はあったのだが、量りかねた。
とにかく、意気消沈の極みとなったのは言うまでもない。

稲は、播種後の累積温度が100度に達すると発芽する。
露地播きの場合、平均地温が10度の日が十日間続けば発芽するってことだ。
この三週間、確かに気温は高くはなかった。
が、これまで発芽に三週間を要したことはなかったし、加えて先日の雨続きの後のこの二日間の猛暑。
発芽の条件は確実に満たされていたと思い込んでしまった。
が、ワタシが見切りを着けたその日、播種から21日目に、ようやく累積温度が100度に達したということになる。

こういうときに言うべき適切なことわざがあるにちがいない。

きのうは、もう少し辛抱して発芽を待ってみようという気持ちと、発芽の条件は確実に満たされていたはずだから一日も早く籾を播き直すべきだ、とのふたつの考えが相克した。
で、結局は不安に負けて播き直しを選んだおバカさんはこのワタシ。

まことに思い込みとは愚かなものだ。
思い込みは自然と向き合う際に最も慎むべき態度のひとつだ、と日頃自戒していてもこの有り様。
これでは見習いを脱することは永遠に出来そうにない。

とにかく、精魂込めて作った苗代、蒔いた籾を断腸の思いであきらめたその日に、稲たちは顕れた。
それはまさに顕現であった。
大自然の法則の具現、顕現、大権現だ。
いと不思議。

ある日ある時、条件が整うと、一斉に新たなフェーズに入る大自然。
それはもう、完璧なプログラムだ。
そのプログラムの真髄に迫ろうとする人あり。
一方で、ただそのプログラムに添って生きようとする人あり。
いずれも良きかな、と思う。

ではあるが、稲の苗は、ただただ青く伸び、やがて実っては黄色く、プログラムのままに生き切る。
うつし世の人、まずは稲の如くにありたい。


 おしまい。 
13.05.14 記 




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所属事務所/Magnolia Music(自分的オフィス)

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特 技/晴れ男であること。

オカリナ倶楽部 “夢見るガチョウ” 主宰。

2018年、京都府下農村から大阪府下住宅街に移住。
今も雨乞い師見習い。
今も自然農見習い。
ノアのおとうちゃん。
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