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揚琴、オカリナ & インディアンフルート奏者がつづるいろいろばなし。
音楽、田舎暮らし、自然・環境、時事、ほかいろいろ。
どうぞ、ごゆっくり。
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さきほど、こんな写真とコメントがツイッターに投稿された。

https://twitter.com/ReTweetsokuho/status/285362101738942464
(↑ リンク張れてません。このURLをコピペして飛んでください)

あるお寺が、苦情が多いので除夜の鐘をとりやめると。
お寺の「世の移り変わりにともない」という言葉から、そこはかとなく寂しさと無常観、それに無力感が伺える。
一方この事件は、騒音に対する受忍限度の他に、多数派の横暴、信仰の強要といった問題をはらみかねない。
詳しい事情はわからないが、いろいろ想像しつつこの問題を考えてみた。

拍手[1回]


除夜の鐘は、信仰の表現のひとつとして何処でもかなり昔から地域に定着してきたはずだ。
それを現代人が苦情というごく個人的な形で反対を表明し、お寺が独断で受け入れたのであれば、不合理であり浅慮に思える。
反対する人々はどんな人で、お寺との間にはどんなやりとりがあったのだろう。

除夜の鐘をうるさいと感じる人はこれまでもきっといただろう。
が、反対の声が上がらなかったのは、反対者の地域に対する配慮が最大の理由ではなかっただろうか。
では、存続を望む人々が信仰と伝統を理由に苦情を無視して強行すれば、多数派の横暴となるのだろうか。

除夜の鐘の音は確かに不特定多数の人に何らかの影響を与える。
が、何らかの行為を強制するものではないから、ごく一般的な形態の除夜の鐘であれば、信仰や伝統を理由に存続させても、お寺または多数派の横暴とまでは言えないように思う。
深夜の初詣の賑わいも同様かと。

ところで、自分がどんなに素晴らしい音楽だと思っていても、興味が無い人にとってはその音楽は騒音でしかないことがある。
音楽をする者は、このことをよく理解して創作活動に携わらねばねばならない。
キダ・タローさんは、この「戒律」を守らんがために、自宅では一切ピアノを弾かなかったという。

さて、除夜の鐘問題。
信仰の表現であるとはいえ、鐘の音を好まない人に対する何らかの配慮があっても良いとは思う。
音楽と同じ。
が、その前に、苦情を伝えた人がどのような人であったのかも考えたい。
今の住宅は、昔々とはちがって気密性・防音性が高い。
しかも、年越しの時刻は大方の家がまだ起きており、テレビが付けられていることも多い。
そんな環境にあれば、たとえお寺の隣家であっても、鐘の音が物理的客観的な受忍限度を超えるとは考え難い。
では、苦情を提出した人は、ごくごく静かな環境で年を越すことを切望し、あるいは除夜の鐘の時刻にはすでに床に着いて深い安眠の内にあることを強く望んでいる人なのだろうか。
であれば、鐘の音が主観的な受忍限度を超えていることはあり得る。

が、この受忍限度という言葉がくせものだ。
音量を計る単位にdb(デシベル)というのがある。
大都市の大通りの交差点でだいたい100db。
で、除夜の鐘はどうか。
おそらく、隣家であっても屋内であれば10dbもあるかどうか。
これでは、仮に法廷闘争となった場合でも、受忍限度内と結論づけられることだろう。
概ね一過性のものでもあるし。
が、音に対する受忍とは、こうした物理的な側面だけでは計れないところがある。
鐘の音が悲しい思い出を呼び起こすかもしれない。
何か不快なもの、不吉なものを連想させるかもしれない。
和田アキ子を嫌いな人が「あの鐘を鳴らすのはあなた」を思い出して疲れるやもしれない(ワタシは大好きです)。
いろんな感情とつながってしまうのが音の、音楽のいい所でもあり怖い所でもある。

では、除夜の鐘の存続を望む人は、こうした個人的感情にどこまで配慮すべきか。
まずは双方が話し合うことが必要だろう。
話し合うことで、反対派の悪感情が融和される場合もあるだろうし、存続派に新たな対策を生み出そうとする心のゆとりが生まれるかもしれない。
歩み寄らずにただ敵対してしまうことは、けっして良き答を生み出さないように思う。

だからワタシはこの問題において、存続させるか否かよりも、関係各位がいかに歩み寄るかという点により大きな課題を見いだしてしまうのであったのだったとさ。
 おしまい。 
12.12.30 記 
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管理人について

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巴だ リョウヘイ
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職業:
揚琴・笛演奏屋 オカリナのセンセイ
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自己紹介:
 
演奏活動範囲/全国の都心から山間地まで。
演奏場所/ホールからお座敷まで。オカリナは野外歓迎。
演奏目的/オープニングセレモニーから追悼演奏まで。
演奏形態/独奏から異業種間共演まで。
所属事務所/Magnolia Music(自分的オフィス)

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特 技/晴れ男であること。

オカリナ倶楽部 “夢見るガチョウ” 主宰。

2018年、京都府下農村から大阪府下住宅街に移住。
今も雨乞い師見習い。
今も自然農見習い。
ノアのおとうちゃん。
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