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揚琴、オカリナ & インディアンフルート奏者がつづるいろいろばなし。
音楽、田舎暮らし、自然・環境、時事、ほかいろいろ。
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#603 脳ハウ

 脳はその大半が一生使われないと言われてきた。が、最近では、人の一生で脳はすべての機能を万遍なく使われていることがわかっているそうで、なんとなくそれはよかったと安心したワタシ。が、こと記憶に限って言えば、人間は憶える事柄よりも忘れる事柄の方がずっと多いそうだ。不要な記憶はすぐに消去されてしまう。問題は、必要な記憶と不要な記憶をどうやって区別しているかだ。

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 一所懸命に楽器の練習をしても、憶えたことを次から次へと忘れてしまうのはなんでだ。憶えたことはみんな、演奏を磨くために必要なことばかりだとわかっているじゃないか。であるのに、忘れる。右から左へ通り過ぎるかの如くにきれいさっぱり忘れてしまう。なんでだ。

 その一方で、一発で憶えてしまう事柄もある。それは人によって時と場合によってちがうだろうし、ワタシのバアイを例に出せるといいのだが、思いつくワタシのバアイは、あまりに恥ずかしいことや馬鹿馬鹿しいことばかりなので書けない。
 言えることは、一発で憶えてしまう事柄に共通しているのは、極めて強い関心がある事柄だということではなかろうか。

 が、であれば、練習で憶えたことを次から次へと忘れてしまうのは、実はそれほど上手になりたいとは望んでないってことになってしまいかねない。んー、それはちょっとちがうような気がするな。

 その証拠に、レッスン中に何かを一発で憶える生徒さんの図に出会うことがたびたびある。そんなときは、一発で憶えたのだなということが教えるワタシにも手に取るように伝わってくる。そして、一発で憶えたことほど、不思議になかなか忘れない。こういう憶え方をしたときを、人は「腑に落ちた」と言う。

 腑に落ちたとは、読んで字の如く、身体で憶えたってことだ。身体で憶えたことの方が深い記憶、生きた記憶になるんですな。
 ところが、何かが腑に落ちたとき、それを憶えるために費やしたエネルギーは、そのことへの関心の強さとは必ずしも比例しないように思う。この点が不思議でならない。

 なぜ、どういうバアイに人は腑に落ちるのか。知りたい。それが明確になれば、腑に落ちるセッティングをすれば、どんなこともすいすい身体で憶えちゃうことができるって寸法だ。自分にとってだけじゃなく、誰かに何かを教える際にも役立つことまちがいなし。

 昔から、記憶や指導やセールスにまつわるノウハウものの本などでは、しっかりと記憶する、させるためのコツをいくつも挙げてきた。曰く「体験に訴える」「利益に訴える」「身近なものに置き換える」「何度もくり返す」さらには「愛を持って伝える」「まず共感する」「危機的状況を演出する」てのも。が、どれも万能薬ではないように思えるし、危機的状況云々というものなど、しょっちゅう使える手ではない。「今日中にこれを憶えなければ、あなたにはやめていただきまする」などと毎月言うわけにはいかんがな。愛だの共感だのというのも、心からのものでなければコッケイなだけだらふ。要は、どれもうさん臭い。やはり、しょせんはノウハウモノだ。

 そんなわけで、人が腑に落ちる瞬間というものに対する興味は尽きない。
 体験的に感じることがひとつある。それは、人は大きな失敗をしたときよりも、大きな成功や喜びを手にしたときに用いた手段の方を円滑に深く記憶するようだということだ。なんでだ。

 脳の働きについての記事を読んでいたら、むずかしい思考に落ち入ってしまってこんがらがってしまって、そはれよったか。

 おしまい。 
10.04.18 記 
野山で野バラが咲きました。
野ばら
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管理人について

HN:
巴だ リョウヘイ
性別:
非公開
職業:
揚琴・笛演奏屋 オカリナのセンセイ
趣味:
ほしい。
自己紹介:
 
演奏活動範囲/全国の都心から山間地まで。
演奏場所/ホールからお座敷まで。オカリナは野外歓迎。
演奏目的/オープニングセレモニーから追悼演奏まで。
演奏形態/独奏から異業種間共演まで。
所属事務所/Magnolia Music(自分的オフィス)

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特 技/晴れ男であること。

オカリナ倶楽部 “夢見るガチョウ” 主宰。

2018年、京都府下農村から大阪府下住宅街に移住。
今も雨乞い師見習い。
今も自然農見習い。
ノアのおとうちゃん。
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