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揚琴、オカリナ & インディアンフルート奏者がつづるいろいろばなし。
音楽、田舎暮らし、自然・環境、時事、ほかいろいろ。
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#598 カラヤン

 カラヤンは騒々しい。どうして朝っぱらからあんなに大きな音を出して人に迷惑をかけるのだらふ。黒ずくめの衣装でまことに高貴に装っているが、あれはなんだか死神の使いのようでもある。カラヤンを好きだと言う人もいるようだが、陰口の方が目立っているように思える。とにかく、朝からウチの回りで騒ぐのはヤメにしてほしい。カラスのカラやん。

 ワタシは野鳥が好きだと言ってはばからない。野鳥は可愛いし美しいし、その歌声でワタシの心を豊かにしてくれる。そして簡単に近寄れないところが、その神秘性を高めている。その警戒心の強さは、たくましい生命力と繊細さという野鳥が持つふたつの相反する特性を具現している。それゆえに野鳥たちは、ワタシにとっての一種の憧れの対象となっているのだ。言わば高嶺の花だ。

 ところが、野鳥の中には人里あるいは街で人間と共に暮らしてなんら恥じない種もある。カラスはその典型だ。カラスは、人間の暮らすところは、空気の汚れや騒音などをちょっとガマンすれば、簡単に食べ物が手に入ることを知っているのだ。中には、町中で白昼堂々人様が食べているお弁当を襲うカラスもいる。田舎でも、くず野菜の捨て場などを熟知している。おまけに朝っぱらから人家の屋根の上でガタガタと大きな物音を立てる。だからカラスは、近ごろとみに人にきらわれている。ワタシにとっても、「野鳥」という範疇には含めたくない存在だった。

 だいたい、あの真っ黒な姿は異様に映る。あんな色の鳥はほかにはいない。あの黒さがカラスの不人気に拍車をかけている。鳴き声にしても、お世辞にも美しいとは言えない。
 日本のカラスには二種類あって、昔からカラスの鳴き声は「カア〜、カア〜」であると知らしめてきたのはハシブトガラスだ。くちばしが太いヤツだ。この声は哀愁を帯びていて郷愁をかき立てると言う人もいるが、そうかなー。
 くちばしが細いハシボソガラスの鳴き声は、いわゆるダミ声だ。「ギャー、ギャー」とうるさい。都会でゴミ置き場を荒らしたりお弁当を襲ったりするのは、たいていこのハシボソガラスだそうだ。
 おまけにカラスは図体がでかい上に必ず群れでいるものだから、その存在感は大きい。目障り、耳障りな鳥と言えばカラスと相場が決まっている。

 が、カラスはおそらく鳥の中ではいちばん頭がいいようだ。南の島のカレドニアカラスは、道具を「作って」エサを穫る。くちばしで小枝を裂いてフックを作って、それで樹間の虫を穫る。周囲にトゲのある木の葉を裂いて、くちばしが届かない所にいる虫をトゲでひっかけて穫る。驚異だ。もしかすると、猿やイルカよりも頭がいいやもしれない。少なくとも、犬よりはかしこいだらふ。

 そんな頭がいいカラスだから、もし人になつけば、人間といい関係になれるように思う。伝書鳩や鷹狩りの鷹なんかよりもよほど人間の役に立つことだらふ。
 が、この「人間の役に立つ」というエゴイスティックな発想が、おそらく頭のいいカラスには辛抱できないのだ。カラスは見抜いているのだ。人間と仲良くなったなら、野生のたくましさも知恵も骨抜きにされて自由を奪われ、いいように使われて一生を終える日々が待っていることを 。だからカラスたちは、人間とは適当な距離を置き、利用できるところだけをせいぜい利用して、かしこく上手に生きていく道を選んだにちがいない。

 道具を使って糧を得るカレドニアカラスのことを知って以来、ワタシはカラスたちを親愛の情を込めてカラヤンと呼び、迷惑がりながらも畏怖している。とは言っても、他の野鳥たちのように曲のインスピレーションを与えてくれることはなさそうな気がしている。それはきっと、ワタシのカラヤンに対する畏怖の念がまだまだ足りないからだらふ。身近すぎるもの、見なれたものに対する軽率な感受性は、自身の世界を狭めている。それを打破するのは、いつまでたってもなかなかむずかしいことのようだ。

 おしまい。 
10.04.08 記 
畑のあれこれが菜の花になっちゃった。
菜の花10.04

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巴だ リョウヘイ
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演奏活動歴/揚琴、27年。オカリナ、16年。
活動範囲/全国の都心から山間地まで。
演奏場所/ホールからお座敷まで。オカリナは野外歓迎。
演奏目的/オープニングセレモニーから追悼演奏まで。
演奏形態/独奏から異業種間共演まで。
所属事務所/Magnolia Music(自分的オフィス)

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特 技/晴れ男であること。

オカリナ倶楽部 “夢見るガチョウ” 主宰。

京都府下農村在住。
雨乞い師見習い。
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