#345 サービス

#345　サービス

　男は女性にはやさしくありたい。重たいものは持ってあげたい。近ごろの多くの酒屋では、ビールをケースで買うと店員が車まで運んでくれる。ときどき、かわいい女性店員さんが運ぼうとする。そんなとき、ワタシは必ず「いいです、いいです」と言って自分で運ぶ。いたいけな女性に重たいビールを運ばせて平気な顔をしてられるほど、ワタシはタフではないのだ。

　きょう、ときどき行く酒屋にビールを買いに立ち寄った。ワタシのビールのケースの勘定をレジで打つのは若い男性店員。レジを待っている間、どこからか現われた女性店員が、すばやくビールのケースを持ち去ってワタシのうしろで控えていた。彼女は、ワタシより上背も横はばもかなり上回っておられる。太い腕に軽々と抱えられたケースが小さく見える。ワタシがお釣りを受け取ると、彼女は笑顔で、
「車までお運びしますっ」
　と言うや否や、駐車場へ向かってすたすたと歩き出した。ワタシは・・・何も言えずにそのまま彼女のあとを車まで着いて行った。
「はい、ありがとう」
「ありがとうございましたっ」

　ちがうって！ 彼女がすばやかったからだって！ 体格がよかったからじゃないってばっ！
　攻めるなら、女性にビールを運ばせて手前はレジを打っている男の店員だっ。

　でも、もしワタシが彼女に「いいです、いいです」と言ってビールを運ばせなかったら、強がりしてるように見えてこっけいだったやもしれない。
　でも、おっきな彼女にちっちゃなワタシがビールを運んでもらっている図は、さらにこっけいだったやもしれない。

　このように、客に気を使わせるサービスはやめにしてもらいたいものだ。

　おしまい。　
08.11.17 記　

ウチから見た月の出。電線、なくしてもらえないかなー。

2008/11/18 (Tue) 雑　感 TRACKBACK() COMMENT(0)