揚琴、オカリナ & インディアンフルート奏者がつづるいろいろばなし。
音楽、田舎暮らし、自然・環境、時事、ほかいろいろ。
どうぞ、ごゆっくり。
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#344 臥 龍 城
去る8月のこと。ワタシはかつて、こんな打合せをしたことがなかった。
「コンサート当日の会場の室温は何度がよろしいですか」
「は、はい。18度から22、3度がよろしいかと」
「では20度ということで。湿度は何パーセントにしませうか」
「60パーセントが最適でありまする」
去る8月のこと。ワタシはかつて、こんな打合せをしたことがなかった。
「コンサート当日の会場の室温は何度がよろしいですか」
「は、はい。18度から22、3度がよろしいかと」
「では20度ということで。湿度は何パーセントにしませうか」
「60パーセントが最適でありまする」
日本画家・故佐藤太清氏は、ワタシの住む町のとなり町の福知山市の出身だ。花鳥風景画という独自の世界を確立した人だ。作品は、どれも自然へのとてもやさしいまなざしと畏敬の念が感じられる。佐藤太清の作品を常設しているのが福知山市佐藤太清記念美術館だ。11月14日、ここで同館主催の揚琴ソロコンサートを開いていただいた。
同館は福知山城公園内にある。福知山城は福知山盆地の中央に広がる丘の上にあり、その地形が臥せた龍のようであることから「臥龍城」とも呼ばれている。この福知山城、明智光秀によって天守閣を持つお城へと作り替えられた。今は公園となって、夜間はライトアップもされており、市内のどこからでも日がなその勇姿を見ることができる。
龍といえば思い出すのが、ワタシの揚琴独奏曲「波紋」だ。・・・思い出すのはワタシだけか。
実は波紋は副題を「昇竜の祈り」という。そのクライマックス部では、水底から水の神の化身の竜が現われ、天に昇る様を表現したのだ。永遠に巡る水を讃え、自然の営みを畏れ尊ぶ心とともに、人の様々な思いも波紋のようにこの世界の果てにまで広がって行くのだという思いを込めて演奏している。こんな風に盛りだくさんだから、12分もある長い曲なのだ。そして、さすが雨乞い師見習いの曲だ。
佐藤太清記念美術館は、福知山城の一部だと言ってもいい作り方をされている。玄関から隅櫓作りの建物まで、見た目はまったくお城の一部だ。で、ここでのコンサート、最後にはやはり波紋を演奏した。
そうか、福知山城は臥龍城というのか。龍はすでにいつでも飛び出せるように臥せているのだから、水底から呼び出すまでもなかったわけだ。どうりでずいぶん盛り上がってしまった。思わずブレーキをかけたほどだった。
ワタシはなんだか、龍に呼ばれたような気がしている。龍に守られた芸術の城。そこから世界に広がった波紋。
さて、関係者の皆様の芸術を大切にする心の表れは、お客さまとワタシへのたいへん濃やかなお心遣いだけではなかった。それが、8月に行なわれた打合せでの温度と湿度の決定だった。打合せで揚琴はチューニングが命であること、チューニングは気温と湿度の変化に大きな影響を受けることをすぐさま了解してくださり(そんな細かいことを言うな、という顔をされることが多いのだっ)、最適の温度と湿度に設定していただいた。さすが美術館。絵画の状態を良好に保つために温度湿度管理体制は完璧だ。おかげさまで、揚琴のチューニングは終始安定していた。
開演前、ワタシは演奏の日は必ず会場に持って行く小型温度湿度計を何気なく確かめた。すると、ぴったり20℃/60%だったとさ。
同館は福知山城公園内にある。福知山城は福知山盆地の中央に広がる丘の上にあり、その地形が臥せた龍のようであることから「臥龍城」とも呼ばれている。この福知山城、明智光秀によって天守閣を持つお城へと作り替えられた。今は公園となって、夜間はライトアップもされており、市内のどこからでも日がなその勇姿を見ることができる。
龍といえば思い出すのが、ワタシの揚琴独奏曲「波紋」だ。・・・思い出すのはワタシだけか。
実は波紋は副題を「昇竜の祈り」という。そのクライマックス部では、水底から水の神の化身の竜が現われ、天に昇る様を表現したのだ。永遠に巡る水を讃え、自然の営みを畏れ尊ぶ心とともに、人の様々な思いも波紋のようにこの世界の果てにまで広がって行くのだという思いを込めて演奏している。こんな風に盛りだくさんだから、12分もある長い曲なのだ。そして、さすが雨乞い師見習いの曲だ。
佐藤太清記念美術館は、福知山城の一部だと言ってもいい作り方をされている。玄関から隅櫓作りの建物まで、見た目はまったくお城の一部だ。で、ここでのコンサート、最後にはやはり波紋を演奏した。
そうか、福知山城は臥龍城というのか。龍はすでにいつでも飛び出せるように臥せているのだから、水底から呼び出すまでもなかったわけだ。どうりでずいぶん盛り上がってしまった。思わずブレーキをかけたほどだった。
ワタシはなんだか、龍に呼ばれたような気がしている。龍に守られた芸術の城。そこから世界に広がった波紋。
さて、関係者の皆様の芸術を大切にする心の表れは、お客さまとワタシへのたいへん濃やかなお心遣いだけではなかった。それが、8月に行なわれた打合せでの温度と湿度の決定だった。打合せで揚琴はチューニングが命であること、チューニングは気温と湿度の変化に大きな影響を受けることをすぐさま了解してくださり(そんな細かいことを言うな、という顔をされることが多いのだっ)、最適の温度と湿度に設定していただいた。さすが美術館。絵画の状態を良好に保つために温度湿度管理体制は完璧だ。おかげさまで、揚琴のチューニングは終始安定していた。
開演前、ワタシは演奏の日は必ず会場に持って行く小型温度湿度計を何気なく確かめた。すると、ぴったり20℃/60%だったとさ。
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管理人について
HN:
巴だ リョウヘイ
性別:
非公開
職業:
揚琴・笛演奏屋 オカリナのセンセイ
趣味:
ほしい。
自己紹介:
演奏活動範囲/全国の都心から山間地まで。
演奏場所/ホールからお座敷まで。オカリナは野外歓迎。
演奏目的/オープニングセレモニーから追悼演奏まで。
演奏形態/独奏から異業種間共演まで。
所属事務所/Magnolia Music(自分的オフィス)
コンタクト方法/上記のホームページ(HP)の「FAQ & Form」のページからどうぞ。
特 技/晴れ男であること。
オカリナ倶楽部 “夢見るガチョウ” 主宰。
2018年、京都府下農村から大阪府下住宅街に移住。
今も雨乞い師見習い。
今も自然農見習い。
ノアのおとうちゃん。
演奏活動範囲/全国の都心から山間地まで。
演奏場所/ホールからお座敷まで。オカリナは野外歓迎。
演奏目的/オープニングセレモニーから追悼演奏まで。
演奏形態/独奏から異業種間共演まで。
所属事務所/Magnolia Music(自分的オフィス)
コンタクト方法/上記のホームページ(HP)の「FAQ & Form」のページからどうぞ。
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オカリナ倶楽部 “夢見るガチョウ” 主宰。
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