#346 グループとは

#346　グループとは

　ワタシはオカリナのセンセイとして、主にグループの指導をさせていただいている。グループというものは、一人の人と同じで、実にさまざまな個性を持っている。何がそんなにおかしいのか笑いが絶えないグループ、何がそんなに辛いのかとても音無しいグループ、お金の勘定始めいろいろと細かいグループ、何ごともおおざっぱなグループ、などなど。その「などなど」のいくつかをご紹介。

　後片付けが異様に速いグループがある。レッスンが終わり、オカリナ、楽譜、譜面台、ノート、ＣＤラジカセなどを順に片付けるセンセイ。ふと顔を上げると、半分も片付かないうちに、部屋にはだれもいなくなっている。あせるセンセイ。
　みなさん、別に一刻も早く帰りたいというわけでもなさそうだ。いつも外で全員がセンセイが出て来るのを待っておられる。では、なぜそんなに急ぐのか。
　もしやこのグループは、生徒はセンセイより先に部屋を出てお見送りしなければならないというしきたりをどこかで仕入れてこられたのではなかろうか。いつか聞いてみようか。やめとこう。

　一方、生徒はけっしてセンセイより先に部屋を出ないというルールと言うか礼儀を守っているグループもある。
　ワタシは誰から部屋を出ようがなんのこだわりもないのだが、みなさんのお気持ちを大切にすることにしている。

　レッスン料の渡し方も様々だ。あらかじめ会計さんが用意したお金を、筆ペンで「御礼」などと書かれたきれいな袋に入れて渡してくださるグループもあれば、各々がその場で財布から出したお金をそのまま渡してくださるグループもある。むき出しのお金をいただいたときは、ついつい「まいどおおきにっ」と言ってしまう。

　演奏が一段落するたびに、口々に感想を述べ合って盛り上がるグループもある。センセイの出る幕がない。

　オカリナのグループなのだから、いっしょにオカリナを吹くことが目的であることはもちろん共通している。が、それ以外の目的もあってグループをつづけていると思われる人々もある。
　毎週朝から集まって、たっぷり練習して、いっしょにランチを食べるグループ。ランチはときどきディナーやハイキングやコンサート鑑賞になる。もはや運命共同体のごときだ。行く先が天国でありますやうに。
　自主練習の日は「しゃべっている時間の方が長いんです、ほっほっほっ」というグループも。
　練習日以外でもメールなどでこまめに連絡を取り合うグループもあれば、練習日以外はお互い赤の他人を通すグループもある。

　住まいが非常に近い人が集まっているグループもある。五人のうち三人が同じ○丁目で、あとのふたりも歩いて行き来できる距離ともなれば、もはやとんとんとんからりっと隣組。なのに、練習会場は車で行かねばならない距離にあって気の毒だ。

　ホームページでメンバーの日記を公開しているグループもあれば、パソコンを使っている人が一人しかいないグループも多くある。そんな人は、センセイとの連絡係を任されてしまう憂き目に会う。

　グループ内にＰＣを使っている人が多いと、センセイと連絡係さんは助かる。楽譜やサークル内通信をセンセイからメールで個別に送ったりできるからだ。

　もちろん、演奏のカラーもまたそれぞれだ。発表会の日などには、これがみんな同じセンセイに習っているグループかと思うほど、薔薇バラエティーだ。１２月は年に一度の合同発表会だ。気合いの入り方だけはどこも同じで、うれしいセンセイ。

　おしまい。　
08.11.19 記　

初　雪

2008/11/20 (Thu) オカリナ TRACKBACK() COMMENT(0)