揚琴、オカリナ & インディアンフルート奏者がつづるいろいろばなし。
音楽、田舎暮らし、自然・環境、時事、ほかいろいろ。
どうぞ、ごゆっくり。
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瀬戸内海、山口県のほぼ最南端に、ハート形をした小島が浮かんでいる。
上関町中心部から定期高速船で40分余りのこの小島、祝島(いわいしま)という。
神霊の島といわれ、瀬戸内海を行く船に一難あれば、島は霊光を発して行く先を照らしたと伝えられる。
この祝島の対岸の上関町長島の一角には、中国電力上関原発が建設されようとしている。
島の集落との距離は海を挟んでわずか4km足らず。
祝島の人々は、莫大な原電交付金に踊らされることなく、三十年近く原発建設に反対し続け、阻止してきた。
そのため現在では、全国の原発反対運動のシンボル的地域となりつつある。
今便は、この祝島を思いがけず訪れることとなった話を。
上関町中心部から定期高速船で40分余りのこの小島、祝島(いわいしま)という。
神霊の島といわれ、瀬戸内海を行く船に一難あれば、島は霊光を発して行く先を照らしたと伝えられる。
この祝島の対岸の上関町長島の一角には、中国電力上関原発が建設されようとしている。
島の集落との距離は海を挟んでわずか4km足らず。
祝島の人々は、莫大な原電交付金に踊らされることなく、三十年近く原発建設に反対し続け、阻止してきた。
そのため現在では、全国の原発反対運動のシンボル的地域となりつつある。
今便は、この祝島を思いがけず訪れることとなった話を。
急峻な地形の祝島では、漁業と農業を中心とした自給自足の暮らしが長く続いてきた。
漁場の豊かさは瀬戸内屈指で、変化に富む生態系は『奇跡の海』と呼ばれている。
そして、これからもこの『奇跡の海』を守り共に生きていかんとし、島民の9割が原発に断固反対してきたのだ。
それゆえに、原発に頼らない持続可能な循環型社会の創造という、現代文明の最先端に期せずして位置してしまった地域であるという一面もある。
昔ながらの暮らしを続けながら、恵みの海と子孫の未来を深く憂い、原発に反対している人々がいることを知ったワタシは、強い感銘を受け、いつか訪れたいと願っていた次第だ。
「漁師さんたちは、ここの『海底』は生きている、決して殺してはならない、と言うんです」
このたび祝島で知り合ったある人の言葉だ。
さて、7月31日は、山口県周東町でリピート山中さん一座と共演したワタシ。
祝島は、その会場から車と船を乗り継いでほんの二時間の所にある。
運命を感じた。
これはどうしても行かねば、行かねばねばならぬ。
車を飛ばし、上関町室津の港で日に4本の定期船に乗り換えたのは、コンサートの翌日の午前10時。
何度か寄港して新聞などを降ろしながら飛ぶように走る高速船。
途中、湖のように穏やかな藍色の海原の向こうに、上関原発建設用地の禍々しい姿が見えた。
『奇跡の海』を埋め立て、永久的に温排水を垂れ流し続けようという狂気の計画なり。
原発、原子力の危険性については、今さらここでふれる必要は少しもなかろう。
とうとう祝島に降り立った。
空気が、ワタシが知る現代日本のそれとはずいぶん違っていると感じる。
それは練塀の南国情緒や、急斜面に網の目のように張り巡らされた露地が醸し出している時間超越的空気であると言うだけでは足りない。
人々の風貌と立ち居振る舞いが、何より島の空気を独特のものにしているのだ。
ずいぶん勝手で不適切な表現やも知れないが、この島の人々は古代から抜け出てきたのではないかと思えたほどだ。
さて、突然思い立ったこの旅。
具体的な計画は何一つなかった。
で、ワタシの目的はといえば、三十年間身を挺して原発に立ち向かってきた人々と同じ潮風を吸い、同じ魚を食べ、つまりは少しでも島の人々と同じ目線に立ち、原発という「魔物」の存在を感じてみることだけだった。
炎天下、まずは高台に見えた小学校まで、細い迷路のような露地を散策しながら上ってみた。
果たしてそこからは、原発建設用地を真正面に望めた。
その距離は4km足らずだと聞いている。
間には海と小さな集落以外は何も無い。
何も遮る物が無い4kmという距離は、魔物の存在をこの身に感じるにはあまりに近すぎた。
まだ姿を現さない魔物が、すでに放射能の吐息を撒き散らし、無音の咆哮を四海に轟かせているかのような錯覚を覚えた。
なお、それとともに、福島で避難地域に指定された半径20km圏という面積の広大さを実感して慄然とした。
このあまりにもあからさまな距離を実感したと同時にワタシは、眼下に広がる集落のオーラを強烈に感じた。
三十年に渡り対岸のあの魔物をにらみながら戦い続け、海を守り続けてきた人々の家々。
びっしりと身を寄せ合う低い家並み。
多くはこの島独特の瓦葺きだ。
この島では、瓦はすべて、台風に備えてモルタルで塗り固められている。
そしてそれら民家の多くは、今は空き家、荒れ家となっている。
現在の人口は、祝島史上の最盛期の六分の一だという。
それも大半がお年寄りだ。
そんな人々が、一里先の魔物と、生活を賭けて、未来を賭けて戦い続けている。
人々の気高き暮らしそのものから放たれている強いオーラは、ワタシの胸を焼き焦がした。
※ 現地から発したつぶやきと写真のまとめはこちら。
漁場の豊かさは瀬戸内屈指で、変化に富む生態系は『奇跡の海』と呼ばれている。
そして、これからもこの『奇跡の海』を守り共に生きていかんとし、島民の9割が原発に断固反対してきたのだ。
それゆえに、原発に頼らない持続可能な循環型社会の創造という、現代文明の最先端に期せずして位置してしまった地域であるという一面もある。
昔ながらの暮らしを続けながら、恵みの海と子孫の未来を深く憂い、原発に反対している人々がいることを知ったワタシは、強い感銘を受け、いつか訪れたいと願っていた次第だ。
「漁師さんたちは、ここの『海底』は生きている、決して殺してはならない、と言うんです」
このたび祝島で知り合ったある人の言葉だ。
さて、7月31日は、山口県周東町でリピート山中さん一座と共演したワタシ。
祝島は、その会場から車と船を乗り継いでほんの二時間の所にある。
運命を感じた。
これはどうしても行かねば、行かねばねばならぬ。
車を飛ばし、上関町室津の港で日に4本の定期船に乗り換えたのは、コンサートの翌日の午前10時。
何度か寄港して新聞などを降ろしながら飛ぶように走る高速船。
途中、湖のように穏やかな藍色の海原の向こうに、上関原発建設用地の禍々しい姿が見えた。
『奇跡の海』を埋め立て、永久的に温排水を垂れ流し続けようという狂気の計画なり。
原発、原子力の危険性については、今さらここでふれる必要は少しもなかろう。
とうとう祝島に降り立った。
空気が、ワタシが知る現代日本のそれとはずいぶん違っていると感じる。
それは練塀の南国情緒や、急斜面に網の目のように張り巡らされた露地が醸し出している時間超越的空気であると言うだけでは足りない。
人々の風貌と立ち居振る舞いが、何より島の空気を独特のものにしているのだ。
ずいぶん勝手で不適切な表現やも知れないが、この島の人々は古代から抜け出てきたのではないかと思えたほどだ。
さて、突然思い立ったこの旅。
具体的な計画は何一つなかった。
で、ワタシの目的はといえば、三十年間身を挺して原発に立ち向かってきた人々と同じ潮風を吸い、同じ魚を食べ、つまりは少しでも島の人々と同じ目線に立ち、原発という「魔物」の存在を感じてみることだけだった。
炎天下、まずは高台に見えた小学校まで、細い迷路のような露地を散策しながら上ってみた。
果たしてそこからは、原発建設用地を真正面に望めた。
その距離は4km足らずだと聞いている。
間には海と小さな集落以外は何も無い。
何も遮る物が無い4kmという距離は、魔物の存在をこの身に感じるにはあまりに近すぎた。
まだ姿を現さない魔物が、すでに放射能の吐息を撒き散らし、無音の咆哮を四海に轟かせているかのような錯覚を覚えた。
なお、それとともに、福島で避難地域に指定された半径20km圏という面積の広大さを実感して慄然とした。
このあまりにもあからさまな距離を実感したと同時にワタシは、眼下に広がる集落のオーラを強烈に感じた。
三十年に渡り対岸のあの魔物をにらみながら戦い続け、海を守り続けてきた人々の家々。
びっしりと身を寄せ合う低い家並み。
多くはこの島独特の瓦葺きだ。
この島では、瓦はすべて、台風に備えてモルタルで塗り固められている。
そしてそれら民家の多くは、今は空き家、荒れ家となっている。
現在の人口は、祝島史上の最盛期の六分の一だという。
それも大半がお年寄りだ。
そんな人々が、一里先の魔物と、生活を賭けて、未来を賭けて戦い続けている。
人々の気高き暮らしそのものから放たれている強いオーラは、ワタシの胸を焼き焦がした。
※ 現地から発したつぶやきと写真のまとめはこちら。
明日につづく。
11.08.03 記
11.08.03 記
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管理人について
HN:
巴だ リョウヘイ
性別:
非公開
職業:
揚琴・笛演奏屋 オカリナのセンセイ
趣味:
ほしい。
自己紹介:
演奏活動範囲/全国の都心から山間地まで。
演奏場所/ホールからお座敷まで。オカリナは野外歓迎。
演奏目的/オープニングセレモニーから追悼演奏まで。
演奏形態/独奏から異業種間共演まで。
所属事務所/Magnolia Music(自分的オフィス)
コンタクト方法/上記のホームページ(HP)の「FAQ & Form」のページからどうぞ。
特 技/晴れ男であること。
オカリナ倶楽部 “夢見るガチョウ” 主宰。
2018年、京都府下農村から大阪府下住宅街に移住。
今も雨乞い師見習い。
今も自然農見習い。
ノアのおとうちゃん。
演奏活動範囲/全国の都心から山間地まで。
演奏場所/ホールからお座敷まで。オカリナは野外歓迎。
演奏目的/オープニングセレモニーから追悼演奏まで。
演奏形態/独奏から異業種間共演まで。
所属事務所/Magnolia Music(自分的オフィス)
コンタクト方法/上記のホームページ(HP)の「FAQ & Form」のページからどうぞ。
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